湖畔の杜ビール、湖畔の杜レストランORAEのミミです。
「ORAE 秋田の伝統野菜プレートセット」に登場する伝統野菜の紹介です。
今日は湯沢市、三関地区の「三関セリ」です。
三関と言うのは、湯沢の関口、上関、下関の三集落の事です。
三関でセリの栽培が始まったのは、江戸時代に遡るようです。
と言いましてもセリは古事記にも記載があり、古くから日本に自生していたと言われております。
奈良時代には食用とされていたとの記述もあるようです。
セリには健胃や鎮静効果もあるので、民間療法的に常備薬としての効果を果たす中で、食の世界でも定着していったのかもしれません。
セリは水場が好適とされますが、
「湯沢市三関地区は秋田県のほぼ南端に位置し南方に東鳥海山(標高777m)を望み、それに連なる500m級の山を直ぐ背に受け、一級河川雄物川に沿って形成されている土地で山の麓から湧きでる豊富な水に恵まれセリの栽培には最高に適した土地です」(以上JAこまちさんのHPより)
との事で、この環境があったからこそ、この地区で江戸時代から栽培されてきたと言う事なのでしょう。
セリは何でも、競り合うように生えるので「セリ」と言うそうです。
白根草とも言い、白い根が特徴的です。
「三関セリ」はその根が白くしっかりしていて長いです。
葉は大き目で茎も太いのですが、食べては柔らかく、セリ特有のクセが少ない一方、香りは強いとされます。
これは水の流れのある路地栽培の特徴だそうです。
雪が降るまでの三関セリは、このような特長をお愉しみ頂ける事でしょう。
湖畔の杜レストランORAEの「秋田の伝統野菜プレートセット」では、「三関セリ」を「セリむし」としてお出ししております。
「セリむし」とは、秋田の県南に伝わる料理で、蒸している訳ではないのですが、油あげと共に醤油やお砂糖で煮たものをして「セリむし」と言います。
これをORAEでは今回、セリの風味を素直に引き立てるよう、白しょうゆを使って仕上げさせて頂きました。
”「セリむし」で無視”( スミマセン(^_^;) )してはいけない事は、根や株の部分まで使用する事です。ほうれん草もそうですが、株の部分が一番風味が濃く美味しいものです。
土地の人間はそれを知っているので、セリむしには必ず根や株を入れます。
この部分を味わうのは秋田でも県南までです。
中央から県北の食文化であるきりたんぽ鍋に欠かせないセリですが、根等は入れず葉や茎のみを使用します。
古くから秋田の食文化に根差してきたセリだからこそ、食べ方も地域によって色々なのですね。
(※湯沢三関地区は山形に負けず劣らず さくらんぼ 佐藤錦の栽培地として有名です)