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最近は明け方の冷え込みが強く,早起きしてもなかなかベッドから抜け出せずに,ぼんやりしてしまう.時間はあっという間に流れて,カーテンから明るい光が漏れてくる.慌てて身支度を整え,自宅を出るも,市街の交通量は多く,遠出は出来そうにない.こんな時は,和束町に起点がある三国越林道を走るようにしている.
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三国越林道は,和束町から信楽や伊賀へ通じている舗装林道で,交通量は皆無である.運がよければ,野生の鹿を見ることができる.そのような静かな山道だ.途中にある童仙房集落が標高のピークで,600メートルほどあると言われている.集落を過ぎると,泥洹寺(ないおんじ)のきれいな銀杏が目に付いたので,立ち寄ってみた.
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泥洹寺の前には,東屋があって休憩できるようになっている.今日は,暇を持て余しているキャンプ道具のうち,ケトルと固形燃料,ポケットスト―プを引張り出してきた.ここで,湯を沸かし,カップラーメンで遅めの朝食をとることにした.
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朝食を済ませると,冷え切っていた体も暖まってきた.カメラを片手に泥洹寺の境内を散策することにした.大きな銀杏は,きれいに黄葉していたが,下の方にはまだ青葉が少しあった.出遅れてしまった日は,こうして近場でのんびりするのもいいかもしれない.
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銀杏の黄色い葉を通して射し込んで来る,やわらかな陽射しがとても気持ちよかった.泥洹寺は,茶畑に囲まれた静かな寺院だった.
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