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瀞峡探検を終えた後は,キャンプ地に戻って撤収作業に取り掛かった.帰路は池原ダムを経由して,三重県尾鷲市へと抜けることにした.前回は出合橋を北上して,集落跡を探索して引き返している.
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今回は出合橋の先を,初めて東へと進んでいく.この道の先には,一体どんな景色が待っているのだろうか.
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鬱蒼と茂る樹木によって,視界の悪い湖畔沿いの狭路を走ってしばらくすると,視界の開ける場所に出る.山から滝が,二段になって豪快に流れている.不動滝だ.
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そして,滝の目の前にある,色褪せた朱色の不動橋を渡って走行することができる.滝の迫力を目の前にして,飲み込まれてしまいそうな感じがした.
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東へと進むにつれて,湖はいつしか姿を消して,眼下に渓流が流れる道へと変わっていく.この辺りの道路は,ツーリングマップルには"交通量極小で施設も集落もなくさみしい"と記載されている.
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この日は1台のオフロードバイクに追い越され,一台のオンロードバイクとすれ違っただけだった.
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さらに東へと進んでいくと,照明のない真っ暗な八幡トンネルがあらわれる.トンネル幅は自動車同士はもちろん,オートバイと自動車でもすれ違いが困難なほど狭い.圧迫感のある真っ暗闇の中を,オートバイのヘッドライトを頼りに進んでいく.真昼間とはいえ,少し気味が悪かった.夕方や夜に走れば,恐怖を感じるかもしれない.
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そして,池原ダムから34キロメートル進んだところで,林道との分岐点に出る.ここまでの道中,幅員が極小というわけでもなく,路面状況も決して悪くはなかった.そして,大自然のど真ん中を貫く道であるため,景観は本当にすばらしい.ただし,道路以外にあるのは,廃屋くらいのものだけだ.改めて酷な道だと思う.
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ここから尾鷲市街へいくには,あと数キロメートルを残すだけだ.安堵感と同時に名残惜しい気持ちもないではない.新緑の季節,シイの木かクスの木か区別はつかないが,カリフラワーのような形をした樹木が,空へとせせり出る様に繁茂していた.
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