オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

東祖谷の名頃集落

2019年05月15日 | 道路


 ゴールデンウィーク,四国ツーリングで走ったR439.酷な道として有名であるが,紀伊半島を東西に横断する某国道とは,少し趣が違っていた.起点となる東側は,四国中央に位置する剣山の登山口である見ノ越峠から始まる.ここは登山客たちで賑わっていた.



 道路状況は,荒れた舗装に幅員狭小でガードレールのない区間もある.しかし,見ノ越峠から西へと進む間には,観光名所の奥祖谷かずら橋や集落・村が点在する.酷道とはいえ,観光や生活道路として生きている道だと感じた.交通量は少ないものの,走っていて寂しい気はしなかった.



 見ノ越峠を下って,観光名所の奥祖谷かずら橋を過ぎると,徳島県三好市の名頃集落に行き当たる.ツーリングマップルに記載されている様に,ここでは集落の沿道から,たくさんのかかし達がお出迎えしてくれる.かかしが覗きこんでいる屋内も,かかし達で溢れかえっていた.



 この辺りは標高1,000メートル弱の高地にあって,天空の里とも呼ばれているそうだ.そして,もう営業をやめてしまったと思われる民宿の前にも,かかし達が楽しそうに佇んでいた.人が住まなくなってしまった建物に,かかし達が配置されているようにも感じた.



 天空の里であっても,山村の人口衰退の波には勝てないのかもしれない.先程までいた徳島市内と山村との間に,大きな隔たりを垣間みるような気がした.とはいえ,急にあらわれるユニークなかかし達は,きつい山岳道路を越えてきたライダーの疲れと緊張を,一瞬にして癒してしまうのだった.



 次に訪れる時は,また違ったかかし達が出迎えてくれることだろう.


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