
京都府は相楽郡和束町.別名,茶源郷.曇り空の下,奥山田射場線をいく.山の中は薄暗くて,辺りは一面深い緑色の景色に包まれていた.時折,ほのかに光る茶畑が現われては,幻想的な雰囲気を醸し出していた.

林立した木々に囲まれた中をしばらく走っていると,ぽっかりと開けた空間がいきなり現われる.そして,その開けた空間の下には,茶畑が存在している.ここだけは空からの光が地面まで届くので,自然と茶畑がスポットライトを浴びたような感じになっている.さらに茶畑の一部は,斜面の方にまで伸びていた.

その斜面の少し先まで歩んでいくと,さらにその先へと続く斜面に明るく緑色に輝く茶畑が並んでいた.茶畑へと続く道も,明るい緑色の苔で覆われていた.何となく神秘的な雰囲気のこの場所に,土足で入って行くことに,少し気が引けるような気がしたので,これ以上先へは進まないことにした.

オートバイの元へと戻って,和束町の方へと進んでいく.奥山田射場線は全長5キロメートルほどの短い府道であるが,至るところに分岐した道がある.それでも,そのほとんどが未舗装路なので,今のオートバイでは奥深くまで入っていけないのが残念なところだ.

道は次第に小川と並行して走るようになっていく.ここまで来ると,和束町まではもう目と鼻の先だ.今回,一年振りの再訪となったが,前回とは違った雰囲気を楽しめることができたと思う.この道は曇り空あるいは薄日が差した天気の日の方が,幻想的な雰囲気に包まれるのかもしれない.

次にこの場所を訪れるのは,いつになるだろうか.そんなことを思いながら,和束町へと抜けた.そして,和束町へ入った途端,天気は曇り空から晴れへと変わって,暑い陽射しが照り付けてくるのだった.

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