オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

奥山田射場線 その一

2019年09月03日 | 和束町~茶源郷~


 京都府は相楽郡和束町.別名,茶源郷.天気予報は雨だったが,どうやら雨は降りそうにない.昨年末に走行した宇治田原町と和束町を繋ぐ奥山田射場線を再訪することにした.今回は鷲峰山から下ってきたところにある穀池峠から和束町を目指した.穀池峠にある「日本で最も美しい村」連合の標識が目印だ.



 ここ最近の日本列島を襲っている悪天候のせいか,路面は山林の枝葉で埋め尽くされていた.注意を払いながら,山奥へと進んでいく.この日は曇り空の下とあって,山の中は薄暗い雰囲気に包まれていた.けれども気になるほどの暑さもなく,妙にひんやりとしていた.



 ゆっくり気ままに走っていると,山の斜面に整然と並んだ茶畑が現われる.薄暗い山中にあって,茶畑だけが緑色にほのかに光っているに見えた.そういえば,前回来た時もここで写真を撮っていた.あれから一年,色々な事があったけれど,きれいなものを見て,美しいと感じる心に変わりはなかったようだ.



 前回走行した一年前の光景が,次第に頭の中に甦ってきた.前回は冬だったが,夏場に走ってみると,道路上に繁茂する苔の量が多いような気がした.



 見る人から見れば,薄暗くて路面状況の悪い道―腐道―になるのかもしれない.しかし,わたしは,そうは思わない.薄暗い山中にあって,ほのかに光る茶畑がひっそりと現われる素晴らしい道だと思う.それに,木々の緑,茶畑の緑,苔の緑と,様々な緑に包まれた景色が広がっている.忙しない日常とはまるで別世界なのだった.


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