
今年は,開花状況と天気の関係で,思うように桜を堪能することができてない.早いところでは,桜はすっかり散ってしまっているようだ.冷え込みの強い山間部なら,まだ桜を楽しめるだろう.淡い期待を胸に,冬の間から楽しみにしていた錫杖湖へオートバイを走らせた.

天気はあいにくの曇天模様で,時折,小雨が舞っていた.錫杖湖の桜は,残念ながら満開を過ぎており,花びらが散り始めていた.けれども,まだ散り始めだったので,桜の美しさを堪能するには十分だった.

桜は湖岸から山の裾の方へかけて,きれいに花を咲かせていた.遠目からだと,視力の限界もあって,満開の桜のようにしか見えなかった.期待していた通り,湖岸に咲き乱れる桜はとても美しかった.

晴れていたら桜が輝くように見えたに違いないだろう.そう思って,湖岸のベンチに座って,晴れ間が差すのをしばらく待っていたけれど,雲の合間から薄日は差すものの,天気の神様は微笑んではくれなかった.

仕方ないので,淡い桜色に染まった湖岸をぐるりと回ってから錫杖湖を後にした.儚く散っていく桜の姿は,また違った意味での美しさを教えてくれた.そして,錫杖湖は植物たちが息を吹き返し,明るい山容へと様変わりしていた.

来年こそは錫杖湖で,晴天の下で満開の桜を見れたらいいなと思うのだった.
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