桜と茶畑のアルバム

　今年は桜の開花が早くて，この記事を書いている４月４日にはもう至るところで葉桜が目立つようになってしまった．今年の桜はまるで彗星のように現れては消えてしまった感じだ．この潔さが桜の美しさの秘訣かもしれない．



　それでも桜は彗星と違って，１年に１回はその美しい姿を見せてくれるので，また来年に期待したいと思う．そんなわけで，和束町で出会った桜と茶畑の風景を思い起こしながら，もう少しだけ美しい桜の余韻に浸っておきたい．



　桜の季節，和束町をオートバイで駆け抜けていると，茶畑の中にぽつんと佇む一本桜を目にすることが多い．緑の中に真っ白な桜の花がとても印象的で，桜の美しさが一層際立って見える．



　そのような桜を見てしまったら，桜の下までオートバイを走らせ，桜の木の下で一休みする以外にない．桜の下から見る茶畑は，この時期だけの特権であり，一年の中で一番美しいと思う．



　この辺りは和束町のなかでも最も南に位置する杣田という地域だ．そして，この一本桜のある茶畑は，三国越林道に通ずる舗装林道の入口にあるので，この辺りを走るライダーならよく知っていると思う．



　そして，民家が建ち並ぶ杣田の町の前にも圧巻の茶畑が広がっている．その中にやはり，はっとさせれるほどきれいな一本桜がある．この桜の下までオートバイで行くことはできないので，ズームレンズの登場だ．



　一本桜の風景をズームレンズで切り取ってみると，まるで緑のウェーブのような茶畑を背景に桜が咲き乱れているのがわかる．来年はこの桜の下まで歩いて行きたいと思っている．来年また逢う日まで何も変わっていなければいいなと思う．