オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

鷲峰山周辺

2020年05月31日 | 道路


 京都南部の和束町と宇治田原町の境に位置する標高682メートルの鷲峰山(じゅうぶさん).和束町側の麓,府道62号線沿いには, 相楽和束観世音菩薩さまが峠を行き来する者を見守ってくれている.



 府道62号線を少し先に進むと,とても小さいが八王子神社と言う立派な神域がある,日中でもほとんど陽が当たらず,これからの季節,涼しさを求めて一休みすることが多くなるだろう。そして,この神社の先から,鷲峰山の犬打峠に向かって,急勾配の道が続いている.



 八王子神社から峠道を登っていくと,T字路となっている犬内峠へと行き当たる.この峠が金胎寺や宇治田原町へと続く,舗装林道の鷲峰山線の起点となっている.なお,この峠には1.8キロメートルのトンネル開通が決まっている.



 鷲峰山線を進んで行き,金胎寺を過ぎたところに本線とは別の分岐がある.北側に山を降りていく地福谷線だ.地福谷線は,道幅が狭く,荒れたコンクリート舗装で勾配もきつい.いわゆる険道となっている.



 地福谷線の距離は数キロメートルで短いけれど,和歌山県のルートフォーティーシリーズを彷彿とさせるような道だ.今にも滑りだしそうな貧弱な法面が何ヶ所かあって,本家より危険な箇所も見受けられた.



 やはり,定期的に土砂崩れを起こしている様で,崩れた土砂や倒木が谷側の方に処理されていた。なるべく雨上がりの日には,走行しない方がいいようだ.



 急勾配の荒れたコンクリート舗装のガタガタ道を下って行くと,ようやく退避スペースのある場所を見つけた.ギヤをニュートラルにしたままだと,オートバイが転がってしまう程の傾斜なので,ハンドルを切って停車し,一休みした.交通量は皆無で,近くには小川も流れており,山の空気を吸うには絶好の場所だ.



 山を下っていくと,傾斜は次第に緩やかとなり,いつの間にか舗装もアスファルトへと変わっていた.道路中央に溜まった枝葉や石ころが,道路の曲線に合わせて,きれいなS字を描ている.林業関係者の車両がそこそこ通行しているのかもしれない.



 そして,地福谷という看板のある白谷線との分岐点までやってきた.ここで,地福谷線から白谷線へとスイッチして,宇治田原町へと抜けることにした.すると,ライダーが一人やってきて,地福谷線を鷲峰山方面へ颯爽と駆け抜けていった。



 白谷線は,地福谷線と違って,明るくて,緑のトンネルをくぐっていく気持ちのいい道だ.路面状況もよくて,幅員も広い.オートバイのエンジンを止めて,写真を撮ったり,休憩していると,鹿が突然に道路を横断していった.本当に静かで山深いところだ.



 そんな白谷線を走行していくと,分岐の道が途中に何ヶ所かあった.適当に進んで行くことにして,しばらくすると,水源の森うじたわら,という立派な看板が広場に立っていた.新緑がとてもきれいで,まさに森と呼ぶに相応しい場所だった.



 看板の先に進むと,道路の路肩にベンチが置いてあって,宇治田原町を一望できる場所があった.町の手前山側は,何かの開発地となっているようだ.そして,このベンチから先は,山を下って行くことになり,先ほどまで見下ろしていた町へと辿り着くのであった.開発地は,ソーラー発電所だった.

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