久しぶりに好天に恵まれた熊野灘を南から北へ移動していると、寄り道も多く、やたらと写真を撮るため、尾鷲市の梶賀で日没を迎える.紀伊半島の東海岸は山中海岸になっているので、日の入りが体感、少しだけ早い.
そして、ここは東紀州ということで、水平線に沈む太陽は地理的に見ることができない.とは言え、日没間際は、オレンジ色にグラデーションがかった空が美しい.さすがに少し冷えてきたけど、まだ宿へ急ぐほどの寒さではない.
梶賀を北へ進み、九鬼町の漁港までオートバイを走らせた.もう辺りはすっかり真っ暗だが、漁港周辺にはまだ釣り人たちの姿がちらほらとあった.それにしても、海が黒く見えると見慣れた風景もどこか違った場所のように見えて、なんだか心細く感じる.
いつもと違った風景に見える夕刻の九鬼町で何をするでもなく、何か発見を期待して、辺りをのんびり散策してみる.こういう時は決まって、缶コーヒーを片手に休憩している風を装ってしまう自分がいることに気付く.
九鬼町からはまっすぐ、宿を取ってある尾鷲市街に戻り、最後に尾鷲漁港へと立ち寄る.夜の尾鷲港は満ち潮で、護岸が海水でぬれていた.港の波止場、そして、佐波留島の上空には星空がきらめいていた.
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