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午後から雨予報の休日.午前中だけでもオートバイに乗って出かけようと,寒さに負けずに自宅を出た.いつものように京都お茶の町,和束町の茶畑を駆け抜けていくのだった.
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関西にきてからオートバイで出かけるとき,茶畑のお茶の葉を見ないことはない.お茶は一年を通して,常に栽培されているようだ.冬の寒空の下,茶畑の緑の波の中を進んで行くのも,意外と気持ちがいい.
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峠を越えて,里山を走り,京都府木津川市を目指した.見慣れた風景は,すっかり冬景色へと変わってしまっていて,哀愁が漂っていた.
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天神神社は,木津川市の市街地同士を繋ぐ森の中を走る寂しい県道の脇にある.参道が苔ですっかりおおわれてしまっている.訪れる人は,ほとんどいないのかもしれない.
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鳥居をくぐって入ってきた方向を振り返ってみた.参道がとても長く100メートルくらいあるのだが,苔の絨毯が途切れることはない.県道の脇ということもあって,車の走る音が時折聞こえてくるが,そんなことは全く気にならい程,美しい緑の参道である.
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気温はおそらく5度を下回っていたことだろう.カメラを持つ手がかじかんで,痛くなってくる.それでもこの美しい空間に心をうばわれ,なかなか参道の先に進んで行くことができなかった.
これまでの人生,この様に神社をみてまわることは一度もなかった.なんと表現してよいのかわからないが,神社は,昔の人が作ったものと自然が融合したひとつの作品とでもいうべきだろうか.この空間にいると気持ちが和らいでくるような気がする.そんなことを思いながら,参道の先にある階段を登っていくのだった.
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