
久しぶりに丸山千枚田を見に行くことにした.去年の8月以来となる再訪だ.あの時はうだるような暑さの中,土地勘のない関西を,右も左も分からず走り回っていた頃だった.今はこの辺りであれば,地図も必要ないくらいで,当時の自分が懐かしく思い出された.

今回は時間があったので,車道からたんぼの近くまで降りてみることにした.田植えはまだ始まっていないけれど,たんぼに水がはられていた.辺り一面から聞こえてくるのは,かえるの大合唱だった.

たんぼにはられた水が,雲の間から時折でてくる太陽からの光を反射して,まばゆい輝きを放っていた.車道から棚田の全景を見るのと,棚田の近くまで行って見るのとでは,見える景色が少し違うようだ.ひとつひとつは大きさも形も違った様々なたんぼだけれど,全体としては,一つにまとまっているように見える

一見,無秩序に並んでいるように見えても,なにか規則性の様なものがあるのだろうか.それとも先祖代々,生まれながらにして,米を主食として食べてきた民族の遺伝子にプログラムされた感覚なのだろうか.こんな空想を掻き立てるような,美しくて不思議な棚田の風景を発見したのだった.
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