ダムの記事と言えば、池原ダムや七色ダムばかりなので、たまには他の貯水池について書き残しておきたいと思う.今回、取り上げるのは奈良と三重の県境である高見峠の東にある蓮(はちす)ダムだ.蓮ダムは深い峡谷の中腹に水瓶をかかえている.
この辺りはダムがあるとは思えないほどの大峡谷なのだけど、山を駆け上っていくと、大きな空間が口を開き、その先にダム湖が広がっている.時折、釣り人の往来がある池原ダムと違って、蓮ダムは自販機やトイレがあるものの、いつ来ても人の気配がなく静まり返っている.
人の気配がない理由は、奈良と伊勢をつなぐ山岳国道の峠に近いところに位置するため、先を急ぐ旅人がわざわざ国道から逸れて、ダムを訪れようとする余裕がない、というのが実情だろう.そんなわけで、わたしにとっては静かで実に居心地がいい場所だ.
蓮ダムは関西にやって来た2018年から足繁く通っているけど、2024年の夏は近年まれに見るほど渇水した状態だった.とは言うものの、先の台風10号サンサンの襲来により、この辺りも随分と増水して危険な状態に晒されたことと思う.
そして、特に夏場は山間部ゆえに、気候の変動がとにかく激しくて、タイミングが悪いとスコールのような雨に出くわすことになる.これまで何度か、ゲリラ豪雨に見舞われ、蓮ダム手前にあるスーパー香肌の軒先で雨宿りしたのはいい思い出でもある.
そんな蓮ダムだけれど、完成したのは1991年で案外、歴史が浅いことに驚かされる.ダム湖の周辺は滝や登山道などがあって、いろいろと楽しめるようになっている.その話はまた時期を改めて記事にしたいと思う.
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