御来屋駅

　鳥取県の大山町は，北には日本海が広がっており，南には大山の北壁がそびえ立っている．海と山に囲まれた素晴らしい土地である．特に棚田と風車がある海沿いの景色は，真夏でもとても爽やかだった．



　そんな素晴らしい海沿いを，JRの山陰本線が東西に走っている．さらには，御来屋(みくりや)駅といって，１９０２年開通当時の姿を残す駅舎がある．御来屋駅は，山陰最古の駅舎だそうだ．



　暑さ厳しい昼下がりの御来屋駅には，誰一人としていなかった．休憩も兼ねて，駅舎を見学してみることにした．駅舎の入り口を前にすると，大山の北壁がちょうど見えるようなロケーションになっていた．




　そして，木造の駅舎内は，もちろん無人駅であり，レトロな雰囲気を残すノスタルジックな空間となっていた．駅舎は，平成１４年に山陰鉄道発祥１００周年を記念して，改修工事が行われたそうだ．



　プラットフォームに出てみると，大山をバックに電車が止まっていた．御来屋駅は，鳥取ライナーという快速が停まる駅でもあり，それなりに利用客が多い駅のようだ．電車の車窓から見える大山の景色も，すばらしいことだろう．



　駅事務所は，みくりや市と言って，地元産品の直売所に変わってしまったそうだ．この日のみくりや市は，クローズであり，旧駅事務所内に入ることはできなかった．



　少しの間だったけれど，明治の開業初期の面影が残る御来屋駅を，大山の景色とともに堪能することができた．御来屋駅は，大山が見える素晴らしいプラットフォームだった．