オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

旧道に吸い込まれて

2021年02月07日 | 道路


 オートバイで出かけるときは、タンクバッグにツーリングマップルを仕込んで、信号待ちや休憩中にだいだいのルートを頭に入れてやる。そうやって、たいていは時間をロスすることなく、目的地にたどり着く。しかし、たまに頭の中で処理したルートが失敗することもある。



 R163の新長野トンネル前を左折して、三重r42にスイッチしたはずだったが、道の様子が明らかにおかしい。道路の半分以上が落ち葉で埋め尽くされ、路肩には倒木が目立つ。とりあえず、そのまま道なりに進んでみると、封鎖されたトンネルの前に行き当たる。



 トンネルの銘板を見上げると、右から左へ長野隧道と記されていた。新長野トンネルを左折してきたので、途中で三重r42の分岐点を見落とし、R163の旧道を走行していたことに気づく。辺りは静寂に包まれていたが、時折、現道のトンネルを走る自動車の走行音がどこからともなく聞こえてくる。



 長野隧道の少し手前には、路肩にある広場のようなところに立派な道路開鑿紀念碑が建っている。起工が明治13年で、竣工が明治18年と記されている。長野隧道はコンクリート製であり、明治のものでないことは確かだ。どうやら、どこかにレンガ造りの明治の隧道が眠っているようだ。道は間違えてしまったけれど、予期せぬ発見があったわけである。



 気を取り直して、注意深く来た道を戻っていくと、途中に三重r42の起点を示す標識がちゃんと立っていた。それにしても、県道としては、起点から異様な幅員の狭さだ。あり得ないほどの幅員の狭さに対して、無意識のうちに県道ではないと頭の中で勝手に処理して、見落としていたのかもしれない。三重r42の先にある錫杖湖を目指して、この狭い道を進んでいくことにした。

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