Velo-city

"It never gets easier, you just go faster."

チビ登山第30座目は百名山!雲取山2017m

2015年08月02日 | 登山

気がつけばチビ登山も30座目。30回記念は偶然にも雲取山山小屋往復父子合宿となりました。
一日目は山荘到着目前で最悪の雷+豪雨+雹の洗礼。避難小屋と山荘の間の稜線で食らいました。苦い経験となりました。
二日目は朝からドピーカン!360度の眼福をチビ太に味あわせることができました。おんぶして登って来たかいがあるというものです。父親冥利に尽きます。

当の本人は『まこの力がどんどんなくなっちゃうから、高いお山はもういやだ!おさちゃんなんて知-らない!』とオコになっておりますが^^


距離30km
4000kcal消費
鴨沢コースは半端ない長さ。片道15k 6時間越え。
生半可な覚悟ではこの長さに耐えられない。次回は三峰神社からにしよう(弱気)。


標高差1867m
チビ太は600m位騙されて自力登山。
鴨沢のバス停から雲取山荘往復すると2000mは越えますね。
トレランにどうぞどうぞどうぞ。


スタートは鴨沢バス停から30分歩いた所にある小袖の駐車場。これで30分の短縮。
準備支度をしている時に、背中に大きなスイカをくくりつけたお兄さんと歓談。彼はこれから七つ石小屋に向かうそうです。


雲取山は全体にわたり緩やかな勾配が未来永劫に続きます。とにかく長い。(それゆえトレランに向いているかと)


最初は鼻歌でスタート。


団体さんが通ると、愛嬌をふりまきます。この団体には、全員にハイタッチを強制。


ホームランを打ったチームのベンチ前か?


ぺロトン後方でヒラヒラしますが、この後千切れます。

この後、あまりの暑さに弱音が出始めます。
『山が高すぎて元気が出なくなっちゃうよ~。』
『どこからおんぶしてくれるの?もう歩けないよ~。』

そうしていると、先ほど下の駐車場で話したスイカの兄さんの後ろ姿が!


『追いついちゃうぞ~』
『まこ、負けないぞ!』
突然スイッチが入りますが、3分で燃料切れ、再びクレーマーに戻ります。


水場の手前で背中にIN。これからは35kg+の全備重量を背負っての苦行となります。
今日は泊まりだからもっとヘビーだったかも。しかもクソ暑い。


あっという間に爆睡。


本来は七つ石山にも登るはずでしたが、体力の消耗が激しいので、巻き道で雲取山への道を急ぐことに。


ブナ道というらしいですが、よい道でした。


途中で青虫を見つけたり・・・
チビ太と歩くと色々なところで強制的に停車が入るので1.5倍~2倍の所要時間がかかります。


森の中のつまらん登山道が終わり、やっと尾根道らしききれいな道が前方に見えてきました。時間は、1時半くらいかな。


稜線でチビ太をかけっこをしたり、平和でした。


ポツ・・・ポツ・・・
ん?空が暗くなってきました。

この頃は降っても小雨だろう、とたかをくくっていました。
というのも、出かける前に確認した1時間刻みの天気予報は、夜6時からの雨だったのです。
(*宿の人も、「雨が降り出すのが3時間はやかった」と言っていました。)


それがこの後30分で、空がまっくらに変貌していきます。ヤバい…

目の前の尾根を閃光が走ります。
ピカッ!そして瞬時を置かずバリバリバリバリ・・・
「近い」
そして「まずい、今の稲妻チビ太見ちゃったかな?」
振り返ると・・・
鬼瓦のような顔をしたチビ太が泣きべそで私に向かってきました。
「こわいよう、こわいよう」
と私に抱きついて離そうとしません。


『こわいよ~おへそとられちゃうよ~』


カッパに着替えました。雨脚は次第に強くなります。
おへそは絶対にわたしません。


小雲取山の手前で巻道に出て、雨が本降りになる前に山荘へ、山荘へ、・・・

ん?後ろから小石が頭に当たりました。


小石ではなく、雹です。雹がバラバラと落ちてきました。

それから山荘に着くまで、チビ太がおへそを隠さない時は一度としてありませんでした・・・


そして山荘から地図で30分地点。とうとう奴がやってきました。
猛烈に激しい雨
1時間100mm
しかも雨ではなく雹あられ(傘が壊れるかとw)
横殴り

雨宿りする場所もない稜線。10分ほどその場でチビ太を傘で覆いながら雨が小康状態になるのを待ちましたが、いっこうにやまず、雨は激しくなるばかり。足元を濁流が流れはじめました。引き返すか(40分後ろ)?前に進むか(40分前)?悩んでいると合羽を着たおじさん二人組がやってきて、止まっていてもしょうがないから先を目指すと山頂へ歩いて消えて行きました。

確かにこれ以上ここにチビ太をとどめておくと、低体温症になってしまうかもしれない。それならば正面突破で山荘に駆け込もう、と覚悟を決めました。

背中には35kg+、前方には急斜面そして濁流、左手にストック、右手に傘(チビ太を濡らさないためにも)
これで最後の40分を最高ペースで登り切りました。道がほとんど見えなくなっているし、初めての道なので40分が1時間以上に感じられましたよ…ある意味火事場の力をだすことができました。


山荘に転がりこむと、チビ太は寒さから少し震えていました。乾いたタオルで拭いてあげると元気も取り戻しましたが、しばらくはこんな不機嫌顔。
うちの4歳児、こんな大人な表情もするんですね。なかなかのイケメンぶり(親バカ)


山荘の周りには雹の山が堆積していました・・・


宿に入ると、水を得た魚のように山荘大好きのチビ太が小屋を走り回ります♪


山小屋楽すィー!!!






今日はなんと、1年に一回の音楽の夕べ。夕食後にラテンアメリカの民族音楽のコンサートがあるそうです。楽しみじゃ。


夕食は親子でごはん5膳。完全にオーバーカロリーw


そして、アンデス県埼玉字から来たGrupo Manana(マニャーナ)のコンサートをS席で鑑賞します。


いい経験をさせられたと思います。目がキラキラしていました。
なんと、カツヲこと柿堺君のお父様が昔在籍していたバンド?だそうです。世界は狭い!

この後、5分で睡眠(父子同時に8時前就寝)


起床は当然夜明け前。


あっ!出てきたーっ。
横浜にいるときは想像もつかない朝方人間に変貌しておりました。


さて、二日目。ドピーカンで最高の眺望が期待できます。
前夜の雷雨により靴の中はまだビチャビチャですが、頑張って行きましょう。
チビ太は宿の前の急斜面にビビり、最初からおんぶを要請。


宿から200mほど標高差を登ると、2017mの雲取山です。どうです、早朝の登山道。気持ち良かったですよ。


そして・・・雲の上の世界へ・・・


たくさんご飯食べたかいがありました。


前夜の雹の嵐はなんだったのか。


母恋し。山彦で母を呼ぶもおじさんが返答す。


雲取~小雲取の標高1900mの稜線歩きにより、完全にテンアゲ。


富士山と一緒にダッシュもできます。


いいもの見せてあげられたかな?




この後は七つ石小屋へ。というのも昨日の「スイカのお兄さん」が
『まこちゃん、明日七つ石小屋に来てくれたら、冷たいスイカをごちそうしてあげるからね!』
と約束してくれたから。小屋に行く小路ではコーギーとも戯れました。


七つ石小屋の手前には冷たい水が湧き出る水場があります。


そして、『スイカのお兄さ~ん!』と呼びながら小屋に入って行くと、お兄さんが出て来てくれました!


スイカ、美味しいね。


スイカの種を親子で口から飛ばしながら遊ぶの図。


この後下山の途中では、小鹿による通行妨害などもあり、見どころにつきない二日目でありました。




雷は怖かったけど、楽しかったね。
とチビ太談。山の天候急変はしっかりとした情報と、完全な装備が必要ですな。
今回はしっかりとした地図があったのが良かった。しかしながらあの嵐はメガトン級過ぎた。

・・・帰路、チビ太に
『楽しかったね!次はどこのお山に行く?』
『考えてとく』

4歳児から大人の返答が返ってきました。