自転車ひきこもり症候群(Leave-Everything-Behind Cyclist Syndrome)
旅情派サイクリストが、年に数回罹患する症状。筆者がよくかかる亜種は:
[1] 直江津行きたい病
[2] 秋葉街道走りたい病
[3] 東京大阪キャノンボールしたい病
この病、一度発症すると実行以外に根治療法はありません。他人のブログを漁るという対処療法はありますが、症状が悪化する恐れがありますので、治療の第一選択肢は逐電です。逐電www
今回は経輪行的深夜野宿法で治療を行いました。発症したのは[2]でした。
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出発~天竜二俣まで
時折無性に自転車で漂泊の旅に出たくなります。
数日来、『秋葉街道走りたい病』を発症しておりました。
火曜日と水曜日半日の夏休みを奥さまから頂きましたので、さっそく実行。
このコース、ツールドフランスのクイーンステージ並みの標高差、そして路面も悪いためダメージも大きいです。
今回は四年前の逆ルートで、浜松から北上。
夜8時45分新横発の新幹線に乗って、掛川に来ました。ここからはローカル線マニア垂涎の、掛川発天竜浜名湖鐵道。1両編成のキハがカラカラカラ…と旅情たっぷり音奏でてやって来ました。
終電とあって、車内はガラガラ、最後はずっと一人だったので、車内で着替えてしまいました。
終点の天竜二俣。見よこの風情。
駅の近くでコンビニを物色。
というのも、秋葉街道は走り出すと200km本当にコンビニがないんです。補給は計画的にストックしておかなくては。パンとおにぎりをやまもり(薄皮アンパン2セット+おにぎり4個)をウエストバッグに入れると、重さで腰痛になりそうになりました。
天竜二俣~遠山郷
行ってきます。
霧の立ち込める川沿いの闇の中マイペースで北上。月明かりに照らされた山塊が大きい!圧倒される山の深さは、写真では表現できない、夜のソロライドの醍醐味ですね。
左折はしなかった。
秋葉街道のゆえんである、秋葉神社入り口。
天竜スーパー林道も一度は走ってみたいなぁ。
飯田線は秘境駅で有名ですよね。
前夜から新幹線の中でウトウトした30分のみ。何か眠くなってきた。夜だから目をこらして路面を見て言うので、段々目も疲れてきた。時間に余裕はあるので、どこかで横にならなくては。ということで・・・
夜2時、水窪駅へ。待ち合い室はこうこうと灯りがついていて、カナブンやらセミやら蛾が乱舞していたのでパス。
駅のホームのベンチで駅寝w 大人の遊びを覚えてしまいました。
無人駅ですし・・・月あかりを見上げながら、寝息を立てていると、横を保線作業車が通過し、起こされました(笑)
一時間ほど寝て、頭スッキリ。さて、再スタートしますか。
最初の峠、兵越峠(標高1,165m)に入ります。この峠、15.7km 839m up 5.3%となかなかのダメージ。
序盤だったので、240W以下の休むダンシングを多用。しっかし長いわ。頂上は漆黒の闇と霧。
下りの途中で夜が明け始めました。それにしても路面が悪くてスピード上がらない。
いったんおりて遠山郷に出て、そこから下栗へ。
遠山郷~大鹿村
下栗の麓には意外と早く到着。
ここから天空のヒルクライムスタート!数年前まで富士あざみラインに並ぶ屈指の激坂コースとして、実業団カレンダーにも入っていた。しらびそ高原ヒルクライムのルートで登ります。軽く昇天できるお勧めコース。
のっけから激坂区間ですが、しばらく辛抱すると南アルプス(聖岳、光岳)の遠景とともに山肌にへばりつく村落が見えてきて、テンションが上がる!
南アルプスは朝陽に隠れてよく見えないが、山のサイズの迫力が違う。
つづら折り始まったーっ!
暑さ対策で全身白のISOYAジャージで来ましたが、大正解でした。
個人的には自転車世界遺産だと思います・・・
下栗を登りきったら次はしらびそまで13kmのヒルクライムの特盛おかわり。しかし、その前に、今まで2回ともパスしていた村落の姿がよく見えるらしいスポットへ寄り道。クリートをかつかつさせて歩くこと15分…展望台から見えたその絶景は・・・
まさにマチュピチュ!しばし立ちつくしてしまいました。
さて、この後のしらびそへの激坂。キツいのは知っていましたがこれ程までとは…
まさに下栗から上の5kmがえっぐい。あざみ以来の蛇行をしてもまだきつく、足つき寸前まで追い込まれました。補給も切れていたらしく、あんパン1つを食べると大分回復。今回のライドでは長く複数ある登りコースでの補給の大切さを痛感。それに加えて、疲労がたまってくるとダンシングが使えなくなり、シッティングを多用すると更に疲労がたまるという悪循環。次回からロングツーリングには薄皮アンパンは必須だな。
激坂で心折れているというのに、まだ「頂上まで13km」とかカウントダウン看板が出ています。これからの苦痛を思うと、全然励みになりません。カーブを曲がると壁のような激坂がドーン、またドーンwww
激坂区間が終わると、最後の4kmは平坦も混ざって、やっと楽になります。しかしこの頃は補給切れで完全にスローダウン。
残り1kmになると山頂にこの欧州風の建物が見えて突然元気がもどります。
しらびそ高原(標高1918m)に到着!全長22km、標高差1330mはまじきつかった…
景色はすごいです。南アルプスの主峰がぐんぐん迫ってくる。
さて、後は下るだけ。27km 1200m降ります。なんともったいない。
途中の地蔵峠から大鹿村に入ります。今回の旅の主旨が看板に記載されていますね。
この区間は、秋葉街道らしい深い山の中を酷道が貫きます。
大鹿村に降りてきました!気温は35度の猛暑。
この村には道の駅がありますので、ここで大休憩。おにぎりは結局4個食べてしまいました。
さて、おなかも一杯になったことですし、秋葉街道後半戦に行きますか。
大鹿村~分杭峠~杖突峠~諏訪
平地は暑い!水かぶり作戦を発動。
次に向かう分杭峠といえば、5年前通行止めの大損害にあったところ。
これね(笑)
5年たって現場はすっかり整備されていました。
それにしても、暑い。日向は危険。
あづ~(しつこくてすいません)
分杭峠(標高1,424m)に到着!この調子で行くと3時には諏訪につきそうだな。
ここからは下り+猛暑になるので写真なし。杖突への登りもあまり見どころないし。
杖突峠(標高1,247m)これにて今日の山登り終了!獲得は無事4200mを超えました。
久しぶりの大都会じゃー!コンビニが見えるぞ~!
かくして旅は終わりぬ。旅の無事に感謝して諏訪神社にお詣り。
本当は一泊して水曜日の夕方帰りでしたのですが、1日帰宅を早めて帰宅。
これで自転車的2015年夏休み完了です(たぶん)
***データ***
214.8km
11:15:23
4,220m
185W NP
6402 kcal