おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

夏のイヤな想い出…。

2008-08-22 14:54:50 | 我思う、故に書くなりよ。
後輩の遺体探し…。

直接の後輩でもなんでも無かったのだが、海水浴に行ったまま姿が消えてしまったのだそうで、探すのにかり出された記憶がある…。

近場と言えば近場な海だし、まんざら知らない人でもないので、断る理由も無いワケでね…とは言え、姿を消して1週間も経っているのだから、名前を呼んでも返事はないんだろうなぁとか、渡された棒で突いているワケだけど、頭とか突いちゃった日にゃ、どーしていいんだか…な非常に複雑な思いだったなぁ。

真夏だったけど、海の上だから涼しかったのを覚えている。船から近寄ったコトなど無かった場所だったので、それはそれでまぁよろしいのだけれど、やってる事は…

「もしかしたら海草に絡まって沈んでる○○くんの遺体探し…」

なワケで、それも船の上から長い竹棒でひたすら突き回る…と…。

「よぉ…突いてんだけど、判るの?」
「どぉなんですかねぇ? 砂地と岩っぽいのは違うのが判りますけど…」

ちょっと離れたトコロじゃ海水浴客がいっぱい泳いでいる…。シュールだ…。

「先輩あれですよね、水死体とか慣れっこでしょ?」
「あー。でも運ばれて来た後だからね、こうして探すのは初めてだよ…」

コイツ、それで声掛けたのか…。

わかめだか昆布だかしらんが、あれは相当に長い生き物なんだと、知った。

結局、消えたまま見つからなかったらしい…。捜索を手伝ったお礼に、おにぎりとジュースを頂いたが、口に出来なかった。ありがとう…を繰り返すご両親も、子息が既に生きていないだろうことは判っていると思う。この日の捜索も、自費で漁船を借りたり、大変な出費だと人伝に聞いた。

「飲んでなきゃなあ…。」

高校生なのに飲酒して泳いで姿を消した。飲酒していたコトがバレていたら、もう少し違った形で大騒ぎにもなっていただろうと思う。当日、一緒に飲んで泳いでいた仲間は、暑い中、うつろな目で水面を見つめ、黙々と竹棒を深く突き続ける…。

早く見つかればいいなぁ…と、思うんだが、自分の棒の先に見付けたくは無い。
誰もが、思っていて口に出来ないコト。そろそろ浮んできても悪くないんだが、何故だか見つからない…。少し視線をずらせば、ムチムチなビキニのおねえちゃんたちがきゃぴきゃぴしている…。

「シュールだな、これ…」
「シュールっすよ…。すんげぇ…」

見た目は何気ない景勝地だったりするが、海底はそこそこ複雑だし、流れも同じなのだそうで、上がって来ない人が多い…と警察の人は言っていた。ちょっと離れたマリーナの方で浮いていたり、ずっと遠くで漁網に…ってコトもしばしばあると言う。

帰りすがら、道行く人々は全てが「バカンス!」。自分たちだけが暗く、どんよりした雰囲気。半日ほど、海中を突きまくっただけなのに、声もなく、心底疲れ切るなんてコトは経験した事が無かった。

「気の毒だなぁ…」
「ですねぇ…。まだ17なのに…」

沈んで消えた本人はともかく、海を見つめる他にないご両親を思うと、やりきれない。でもまぁ、この時期は残念なコトだが、よくあるコトだったりするんだな…。


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