3日水曜日、「徹子の部屋」に萩本欣一と前川清が出演していました。子どもがまだ家にいる頃、キンドコを楽しみにして笑ったものでした。前川清は、笑わない歌手として知られており、欽ちゃんがその可笑しさを引き出して常連の出場者になったのだったと記憶しています。
「前川君は休みの日には何してるの」
「休んでいます」
当たり前のことを当たり前に答えてつもりだったのが面白いとキンドコに引き入れられたのだということでした。
いろいろ思い出話がありましたが、欽ちゃんの奥さまは亡くなったのだそうです。その時の気持ちの通い合いがしみじみ、ほんわか、いいお話でした。
奥様は若い時知り合って結婚したのだそうですが、人気者の欽ちゃんの陰で、しっかり家庭を経営し、三人の子どもを育て上げた人だそうです。
仕事で見舞いにもなかなか行けなかったけれど、「ありがとうね、ありがとう」とおっしゃったのだそうです。夫婦でもそういう言葉を掛け合ったことはなかったのでびっくりしたような状態だったとか。もう意識を失った状態の時駆けつけて、布団の中の手を握って初めてのありがとうを言ったのだそうです、
「確かに手を握り返してくれたと思うのです。頭を横に振ったようで、ありがとうを拒否されたのかと思っていたら、妹が肯いているのよ、と言ってくれて」。
女房は入院して、ただひとつ化粧セットを持て来てほしいと言われたのだそうです。家にいる時も、欽ちゃんのいる間は決して素顔ではいらっしゃらなかったとか。きちんと身だしなみをしていた人だったとのこと。「倒れた母親に付き添う三人の子どもが、本当にいい子に育っていることに気が付いたのです。ありがとうに続いて良い子の育てたねと声をかけたら、また、頭を横に動かし、手に力が入りました。ぼくの気持ちが通じたと思っています。
よく夫婦は”支え合い”と言いますけれど私たちは”応援しあいでした”。
最後まで、笑顔で話し続けられましたけれど、良き連れ合いを亡くされた寂しさがにじみ出ていました。