土曜日の夕方。NHKの番組で、あるウクライナ女性の生き方・考えを特集していました。
ちょうど夕ご飯の支度をしなければならない時間でしたが、惹きつけられて、テレビの前から動けませんでした。
こんな番組とも思わず、つけていたら、前の番組に引き続き始まったのです。そんなわけでメモも用意していなくて、強く印象に残ったことのみしか書けませんが・・・
中学生だったころ、いただいた本で日本のことを知り日本大好きになったのだそうです。それからは、日本語を学び、慶応大学(だったと思う)に留学し、今はNHKのディレクターをしているのだそうです。
ウクライナには両親と妹が、爆撃の中暮らしているのだと言います。
日本は、優しくいい人が多く、好きなことは戦い前と変わらないけれど、今は、考えのどこかが食い違っているようで悲しい。自分の故郷はあれだけひどい状態になっており、寒さの中電気もつかない爆撃を恐れる街になっている。両親はその中にいると思うといてもたってもおられない焦燥にかられる。でも日本で街に出るとそれとは無関係な華やかな日常が広がっている。ウクライナのことを心配してくれる。でもどこか、食い違っているようだ。「心配ね」と言ってはくれるけれど、どこか他人ごとめく。それはロシヤの侵攻が始まった時から次第に大きくなってくるようだ。
自分はここにいていいのだろうか、ウクライナに帰ったほうがいいかしら。日本で取材活動をしていて、どれだけ祖国の役にたてるのか、無駄ではないか、焦る。そしてそうした他人が疎ましくなる。
そして戦いの前の自分を考える。明るいキャンパスで、友と楽しく、暮らしていたと。人が他人事なのは仕方ないのかもしれない。と思う。
日本人のどこがあなたをイラつかせるか、と同業の男性が訊いた。
この答えがおせっちゃんの胸を強くたたいた。
「当事国の私達と、日本の方とでは、戦いの終わりの考えが違う。日本の方は戦いの終わりは平和になることだと考えているようだ。当事国が、話し合って戦を止め平和になるように祈っていますよ、などとおっしゃる。そこが違う。我々ウクライナ人は戦の終わりは勝たねばならぬ。話し合って平和を得るなどということはない。もしもウクライナが、ロシアに負けたら、我々は自国を失うということ。ロシアのものになった国土で、ロシア人として生きなばならないのです。これだけひどい侵攻をしたロシア人と同じロシア人になって、生きていかねばならないのですよ。そんなことできますか。勝って初めて終わるのです」。
そのためには、西側諸国からの軍事援助が必須なのでしょう。この女性の言う食い違いはますます大きくなるかもしれない。戦車も爆弾も・・・、結局人殺しに使われるのだけれど。
悲しい人間の性ですよねえ。日本だって他人ごとと言ってはおられないのか。
動か、始まる前に話し合って戦に発展させないことを願うけれど。
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