友人Nは大学の同級生。
学生時代は漫画研究会に所属し、将来はイラストレーターになる夢を持っていました。
大学卒業後もOLをしながらイラストを書き続けていたNでしたが、2年前お腹に激痛が走り、検査を受けたところ、卵巣がんに侵されていることが判明。
以後入退院を繰り返しながら闘病生活を続けていました。
そんなNから数日前、私宛に郵便で大きな封筒が届きました。
封筒を開けてみると、中には若くて美しい女性を描いた見事なイラスト画が一枚と手紙。
手紙には、卵巣から他の臓器に転移していたガンの進行が進み、しばらく前に医師から余命半年と宣告されたこと。
今はもう入院生活を送っていること。
そして、いつも彼女の病状を気にかけていた私へのお礼に、まだ元気だった頃に描いたイラストを送ると書かれていました。
先日、私は直接イラストのお礼を言うために、Nが入院している仙台の病院を訪ねて来ました。
T大学病院、入院病棟の最上階。緩和ケア病室にいた彼女は、やせ細ってはいたものの意識ははっきりしていて、上半身をベッドから起こして私を迎え入れてくれました。
しばらく言葉を交わし、二人で一緒に短く祈り、Nがあまり疲れないうちに病室を後にしましたが、Nは私が病院まで会いにきたことをとても喜んでくれた様子でした。
これからもNの命が続いている限り、できるだけ多くの回数、彼女を見舞うつもりでいます。
もちろん、これから奇跡が起きてNの体から癌が消え、彼女が健康を取り戻すことが一番願ってはいるのですが。
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お見舞いから帰宅後、改めて卵巣癌についてネットで調べてみました。
卵巣ガンの初期は自覚症状が無いため、Nのように自分で体の不調に気づいて検査を受けたときにはガンはかなり進行し、他の臓器にも転移。手遅れになっているケースも多いようです。
卵巣癌のリスクが高いのは、遺伝的要素のほか、
初潮が早かったり、妊娠したことがない。
脂肪分の多い食事を好む。etc..だそうです。
ある程度の年齢になった女性は、機会があれば卵巣ガンの検診を受けたほうがいいのかもしれません。