乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

2022年1月の自然観察交流会

2022年01月08日 | 乙女高原観察交流会

 参加された井上さんがレポートを書いてくださいました。

 1月8日は観察交流会。このところ毎日冷え込んで寒さが厳しいので、防寒対策をしっかりして牧丘道の駅に行きました。集まったのは3名。こじんまりした観察交流会となりました。前々日に都心で10cmくらいの雪が降ったので、乙女高原も雪が積もっているだろうと、長靴に履き替えて出発しました。

 いつもはあちこち寄り道をしながら行くのですが、この日はまっすぐ乙女高原まで行きました。柳平までの林道には雪はほとんどありません。雪はあまり降らなかったようです。柳平からの道は雪で白くなっていました。動物の足跡も見られました。
 10時前に乙女高原に到着。快晴で気温はマイナス3℃。日陰は雪で白くなっていましたが、雪のないところもありました。草原に入って、雪の上を歩いていきました。積雪は10cmくらい。暮れに降った雪の上に、一昨日の雪が積もってサラサラです。雪の降ったあとの楽しみは動物たちのフィールドサインです。キツネやテンの足跡がありました。斜面を登っていくもの、林の中から出てきて、草原を横切っているもの、どちらに向かって行ったのか、ふだんはわからない動物たちの行動が見えます。立ち止まって糞や尿をした跡。草原のコースの頂上では、圧雪されてその上には爪痕も。ここでじゃれあったのか、喧嘩したのか、想像するのも楽しいです。

 

 

 雪面には植物の枯れたものも顔をのぞかせています。キリンソウ、リンドウ、オケラ、シモツケなど。キリンソウやシモツケのドライフラワーは小さな星の集まりのようでかわいいです。冬芽の観察もできました。レンゲツツジは赤い芽、ツノハシバミにはもう雄花の準備ができています。青空にはシラカバやダケカンバの幹の白さが映えます。

 展望台では、白く輝く富士山がよく見えました。盆地の上と下に空気の層ができたようで、富士の中腹に雲が横にたなびいています。

 

 反対側のカラマツの樹間には八ヶ岳が白くくっきりと見えます。ヨモギ頭に登ると、ダケカンバの間に南アルプスの山々もはっきりと見えました。八ヶ岳と南アルプスの間に真っ白な山が見えます。乗鞍岳だろうか、木曽駒ケ岳かと盛り上がりました。
 ブナ爺さんに下っていく遊歩道上にもテンの足跡があります。動物も遊歩道の方が歩きやすいのでしょう。肉球や爪痕もくっきり見えました。

 

ブナ爺さんも冬見ると枝ぶりが良く見えます。くねくね曲がった枝があり、幹も根元から枝分かれしていて、普通のブナと樹形が違います。ブナ爺さん、どんな人生ならぬ樹生を歩んできたのでしょうか。

 

 近くにあるブナの幹に割れ目が2か所あって、寒さで割れたとのこと、木々も厳しい環境下で生きているのですね。


 ここで枝先にねじのような形のものが付いている枝を発見。種が落ちてしまった跡のようです。近くの木から落ちたのでしょうが、どの木かわかりません。何でしょうか。(ロッジ前にもどって見た冬芽図鑑で、シラカバの実の形状が似ているかも、拾ってきたダケカンバの枝にも似たものが付いているということで、ダケカンバの実が落ちてしまった跡ではないかということになりましたが真相は?)


 水が森林道を歩いてロッジに向かいました。林道は車が通って圧雪されていて、歩くとキュッキュッといい音がします。そして林道にも動物の足跡がいっぱい。テン、キツネ、シカなど。シカの爪跡は2つなのですが、ところどころに3つのものがあり、植原さんはもののけ姫のシシ神様だと言っていました。足跡が重なって3つに見えていたのですが。

 

テンの足跡は途中でSの字のようになっているところがあって、ここで何をしたのだろうと盛り上がりました。ネズミの足跡は真ん中にしっぽを引っ張った跡がありました。朝からとても静かで鳥の声もしませんでしたが、ここで、コガラ、ゴジュウカラを見かけました。

 ロッジ前にもどって昼食。冷たい空気ながら、お日様のぬくもりがありがたい。昼食後、植原さんが見つけた鳥の巣らしきものを見に行きました。ハンノキの上の高い所にコケで作ったボール状のものがあります。誰が作ったのでしょう。


 その後、湿地の所へ行きました。谷地坊主が雪の中につかっているよう。広がっていた葉がまとまってきて形のよいものもありました。

 

 湿地から、草原に入ろうと鹿柵の東側入口の所に行ったのですが、扉が開きません。扉が差し込んである部分が5cmくらい持ち上げられていました。霜の力はすごいです。草原には入らず、駐車場にもどりました。
 帰りの林道で、ウサギの足跡を観察しました。ところどころに立ち止まった跡があり、そこで細い木の枝などを食べていたようです。ウサギの食痕はナイフでするどく斜めに切ったようになっていました。ここでこの日の観察は終了。道の駅に戻って解散となりました。寒いけれど、冬ならではの楽しい観察ができました。

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2021.12月の自然観察交流会

2021年12月04日 | 乙女高原観察交流会

 参加者は5人。2台に分乗して乙女高原を目指しました。いい天気でした。
 旧杣口林道の途中で、県道路課の作業予定地を確認しました。2021年度中に工事予定の「カエル池の北」は、工事車両が止まっていて、2人で打ち合わせをしていました。道は狭いし、駐車スペースもないので、スルーしました。
 サワラ林で車を降り、氷華を探しました。カメバヒキオコシの氷華はもうシーズンを終えたようで、あまりきれいではありませんでした。道端にはマルバスミレ、タチツボスミレ、エイザンスミレの夏葉があり、閉鎖花の実の痕も見ることができました。


 2022年度に工事予定のところでも車を降りました。大烏山登山道入り口の近くです。ここで割れた茶碗、湯飲み、急須、トタン波板など、生活の匂いがプンプンするゴミをたくさん見つけました。どうも小屋があったようです。何のための小屋だったのでしょう。どなたかご存じの方はいませんか?

 

 大きなトチノキやカツラもある、とても気持ちのいい雑木林です。落ち葉がいっぱいでした。トチノキやカツラがあるということは、水に恵まれているということでしょう。冬越しをしているフデリンドウの株がたくさんありました。次の春から定期的に歩いて、観察しようということになりました。

 

 さて、草原です。いい天気。雪はまだありません。ここでも枯草の中に、小さな小さなフデリンドウの株を発見。

 

 地上巣も見つかりました。いまだに、どんな「ネズミ」がこの巣を作っているかは不明です。それにしても、よくできています。


 湿地に谷地坊主を見に行きました。「髪の毛の量が多く、ボサボサ頭」状態です。これが雪でも降ると、上から撫でられた感じで落ち着くのですが…。


 ツツジのコースは日当たりがよくないので、たくさんの霜が残っていました。

 

 そして、ウスユキソウの根本にはたくさんの氷華。それはそれは美しかったです。


 いくつか実も見つかりました。ツルウメモドキの実は真っ赤でした。ツノハシバミの実がまだ枝についていました。ネズミに見放されたなあと思って、かじってみたら、やっぱり中身がありませんでした。

 

おもしろかったのは、クモキリソウという小さな野生ランの実。指ではじいてみたら、中からほこりがポッと出てきました。これがランのたねです。ランのたねは「けしつぶ」どころじゃない小ささです。おもしろいので、何度も試してしまいました。


 そして、あったのです。ウサギの糞。ウサギは全国的に減っている傾向があり、乙女高原も例外ではありませんでした。乙女の草原でウサギの糞を見つけるなんて、何年ぶりでしょうか。

 

 帰りがけに、木道のある湿地で途中下車しました。湿地の中を歩き回ると、あることに気づきました。小鳥がついばむのにちょうどいい大きさの黒い実があちこちの木になっているのです。全部同じ種類です。イボタノキ。冬になって葉が落ちて、黒い実が目立つようになって、初めて気づきました。こんなにたくさんイボタノキがあったんだ。たねを広めたのは、きっと小鳥たちでしょうね。ついばんでいる姿を見てみたいものです。


 また、古楢山林道にも寄りました。カメバヒキオコシに氷華が残っていました。

 

 大きな胞子葉が残っているのはイヌガンソクというシダでしょうか。

 

 ここでの大ヒットは名も知らぬキノコ。冬にしてはちゃんとした形でキノコがあるなあと思って、触ってみると・・・コチコチ。そう、凍っていたのです。これには笑ってしまいました。

 

 道端の林の中に多数あったノリウツギのドライフラワーもなかなかきれいでした。

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10月2日の乙女高原自然観察交流会

2021年10月02日 | 乙女高原観察交流会

 参加された渡辺さんがレポートを書いてくださいました。

 全国の都道府県の緊急事態宣言などが解除された最初の週末。集合場所の道の駅花かげの郷まきおかに集合したのは9人でした。その中には東京や愛知から来た久しぶりにお会いする方々もいました。気持ちの良い秋晴れの中、今日はにぎやかな観察会になりそうです。出発前に途中の観察ポイントを確認し杣口経由で乙女高原に向かいました。

 最初に沢沿いのカツラの巨木の近くで下車しました。道路からカツラの木のある沢を覗きこんでみましたが紅葉には早かったようです。そこで今回は沢まで下ることをやめ道路周辺を散策することにしました。道路沿いではアザミ、セキヤノアキチョウジ、ノコンギクの花、イケマの実、アケビの実を見かけました。

 

道路から一歩林内に入ると足元ではハナタデ、タニソバ、ミヤマタニソバ、オオバノヤエムグラなどの小さな花が開き始めたばかりでした。

 次に杣口のトチノキで下車しました。林縁ではツリフネソウ、カメバヒキオコシ、シロヨメナ、キバナアキギリを見かけました。また道路に面した日当たりの良い場所では、ナギナタコウジュ、ヤクシソウが目立ちました。


 最後に焼山峠で下車しました。絶好の登山日和なので小楢山へ向かう登山客で駐車場は混んでいるだろうと思っていましたが意外と空いていました。林内では、ハナイカリ、リンドウ、ツルリンドウ、フユノハナワラビの花、テンナンショウ属の赤い実を見ることができました。秋にはあまり散策の機会がなかった焼山峠周辺ですが、植生の豊かさを認識することになりました。林道沿いではアケボノソウ、トリカブトの花を見つけることができました。

 乙女高原への到着が遅くなったので散策は午後からにしました。夏の間にシカ柵沿いで咲いていたヤナギランはもう白い綿毛をつけていました。柵内に入ると草原には背丈を超えるまでに成長したススキの穂が風で揺れていました。森のコースを登って行くとウリハダカエデが赤く色づいていました。日中の気温はまだ高いですが紅葉を見かけると季節は進んでいるのだなと実感できます。林内ではヤマトリカブトの鮮やかな青紫色やマイヅルソウの透き通るような赤い実に目を奪われました。


 展望台に到着しました。残念ながら富士山には雲がかかり裾野しか見ることができませんでした。ヨモギ頭を経由してブナじいさんに向かうとフクオウソウが一株だけ咲いていました。淡紫色の下向きに咲く目立たない花ですが、光が当たると透き通って輝く姿に惹きつけられてしまいました。秋の散策の楽しみといえばやはりキノコです。見つけるたびに「これ、食べられる?」と声があがります。ブナじいさんの周りではオヤマボクチが見ごろでした。

 



 ブナじいさんから展望台に戻り草原のコースを下ることにしました。黄色い花が少ない季節なのでヤナギタンポポは目立ちます。結実を迎えた多くの夏の花に代わり、足元にはリンドウやヤマラッキョウがたくさん咲いていました。葉の縁が白く色抜けして観葉植物のような姿のサクラスミレの葉を見つけました。秋は様々な色の変化をもたらす季節ですね。ツツジのコース分岐でハバヤマボクチの花に競うように潜り込むカメムシの群れを見つけました。越冬するための栄養を確保するために一生懸命なのでしょう。

 草原のコースからツツジのコースへ入ると、この時期すでに花が終わっているはずのマツムシソウ、ツリガネニンジン、ウツボグサ、ニガナ、が遊歩道上で咲いていました。おそらく7月に遊歩道の草刈りを行った際に一緒に刈り取られたことにより、開花のタイミングが後ろにずれたのでしょう。ツノハシバミの実をみつけたので殻を割って中身を食べてみました。和製ヘーゼルナッツと呼ばれることがありますが、味が似ているのかどうかまではわかりませんでした。ウメバチソウの花が残っていないかと探しましたが、すでに終わっていました。

 グリーンロッジが見えてきたところでシシウドの実に群がるキアゲハの幼虫を見つけました。小さな黒い幼虫と大きく黄色い幼虫がたくさんいましたが、その中に脱皮途中の幼虫を見つけました。キアゲハの幼虫が脱皮で黒から黄に変化する瞬間を目の当たりにできて感激しました。グリーンロッジに戻ってからホソバノツルリンドウを見に行きました。環境が変化した場所のため絶滅が心配だったのですが、今年も数株の開花を確認することができました。


 今回は天候にも恵まれ、秋の草原を満喫することができました。すでの花の時期は終わりを迎えてしまいましたが、視点を変えて観察するのも面白いと感じました。

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2021年3月の自然観察交流会

2021年03月06日 | 乙女高原観察交流会

※井上さんがレポートを書いてくださいました。

 

 3月6日、天気が心配されましたが、晴れ間もみえはじめた午前9時過ぎ、道の駅に集まった3名で乙女高原に向かいました。

 まず、通称カエル池と呼ばれる小さな池がある地点に立ち寄ってみました。例年ならヤマアカガエルが産卵しているのですが、昨年夏以来、水がなくなってしまい、カエルが卵を産める状態ではありません。これまでこの場所で産卵していたカエルはどこにいったのかなと心配していると、かすかにカエルの鳴き声が聞こえてきました。岩の下の方はしめっているので、そこにいるのでしょうか。でも水がたまっていなければ、産卵はできません。心配です。

次にカツラの大木のある地点に寄ってみました。カツラの赤い芽吹きはまだですが、株立ちした姿がすばらしいです。

  (写真 大嶽さん)

近くには幹のほとんどが空洞になって、表皮だけで生きているような、そしてコケやシダの住処にもなっているトチの古木もあります。

  (写真 大嶽さん)

他にもいろいろな落葉樹が春空に向かって伸びていて気持ちがよい場所でした。スミレやハナネコノメも咲く場所ですが、まだ花の姿はありません。南斜面にミツバツチグリ、タチツボスミレ、レンプクソウなどの小さな葉が出始めたばかりでした。ヤマブドウの幹が太くなって10mくらいもありそうな高い木の枝にまで伸びていて、どのようにして登っていったのか不思議です。

車を止めた林道わきに鹿の頭骨が落ちていました。また落葉の下にはいろいろな植物の根生葉も出始めていました。そして林道のあちこちにはハンノキの雄花が赤く垂れさがっていたり、バッコヤナギが銀色の花芽をのぞかせていたり、シラカバやカエデの枝先も赤くなっていたりと、春の気配が感じられます。先月は凍っていたところのあった林道もほとんど解けていました。

木道の湿地帯でヤマアカガエルが産卵しているか確認しましたが、まだ卵は見あたりません。下の沢の方からまだ練習中のようなミソサザイのさえずりが聞こえてきました。前日、平地では雨が降りましたが、乙女高原も雪ではなく雨だったようで、コケの緑がとても美しかったです。いろいろな種類のコケがあり、さながら小さな森のようです。湿地帯から遊歩道を少し歩きました。カラマツなどに付いていたサルオガセがいくつも落ちていました。多くのササがシカに食べられていて、シカ糞もいっぱい。

北斜面側の湿地はまだ凍っていて、植原さんはその上を歩いて楽しんでいました。カラ類の鳴き声がしています。ここにもいろいろなコケがありましたが、コケの一種のフロウソウの中に、黒くて細い棒状のものがたくさんあって、芽なのか、枯れたものなのか、今後の宿題としました。

遊歩道にはヤマドリの糞もありました。

昼近くに乙女高原に到着。この日はとても暖かくて、看板裏の温度計を見ると12℃。少し早めの昼食をとってから、草原を歩きました。雪はほとんど解けていて、日陰に斑状に残っているくらい。草原内の土の小山はモグラの仕業でしょう。刈り残りの植物のドライフラワーを観察しながら斜面を登って行きました。歩いていると暑いくらいです。森のコースの立ち枯れてしまったモミの大木の枝がたくさん地面に落ちていて、幹にはキツツキがあけた小穴がたくさんあります。植原さんが数えると100以上ありました。

森の中に骨が1本落ちていました。何かの動物が鹿柵内に持ち込んだものでしょうか。

 展望台に到着。富士山は雲の中で、頂上がわずかに見えたくらい。日当たりのよい斜面に何かないか探すと、キジムシロ、タチツボスミレ、ヨモギなどの小さな葉を見つけました。その後、ブナじいさんの所に行ってみました。葉を落としているので、樹形がよくわかります。枝がくねくねと曲がっている様子をじっくり観察しました。またなぜここにこのブナの大木が1本残されたのかのレクチャーを植原さんがしてくれました。

水が森林道に出て林道をロッジまで戻ることにしました。ゴジュウカラのフィッフィッという鳴き声がよく聞こえてきます。道路に黄色いものが落ちているので、上を見るとツルウメモドキがあります。よく見ていくと、ミズナラの幹に藤蔓のような太い木が巻きついていて、上から辿ってみるとツルウメモドキの木のようです。あまり太いので、植原さんがメジャーで測ってみると、直径9cmという太さで、ツルウメモドキがこんなに太くなるとはびっくりでした。しばらく歩くと、少し開けた所から甲斐駒ヶ岳や仙丈岳、鳳凰三山が見えました。

斜面の上に立ち枯れたモミの木が見えたので、森のコースの枯れたモミか、確認しに斜面を登ってみると別の木でした。森のコースの木より前に枯れてしまったようで、枝はほとんど落ちてしまっていました。尾根上に出てしまったので、再び展望台に戻ると、小鳥の声がします。ハンノキにエナガが数羽、モミの木にシジュウカラがいました。鹿柵のゲートを少し入った遊歩道に黒いキツネの糞がありました。キツネは鹿柵の隙間から出入りできるようです。

草原のコースを下っていくと、ミズナラの幼木に丸い虫こぶがついていました。途中のアカマツの所ではコガラも観察できました。その後、草原を横切って、谷地坊主を見に行きました。枯れてボサボサ頭のヤチボウズがきれいに並んでいます。気のせいか大きくなったような……。コケの花が咲いているというので、見ると胞子体が出ています。触ってみると粉のような胞子が飛びました。粉を飛ばして楽しんだり、写真に撮ったりして、ロッジに戻り、乙女高原を後にしました。

塩平への林道を下り、途中のマンサクを観察。咲き始めていました。芯の部分が赤く細長い花びらは黄色です。これを祭などで見かける巻き戻し笛(ピロピロ笛)みたいと言うのは植原さん。本当に春一番に咲く、まず咲くマンサクです。これからアブラチャンやダンコウバイなども咲き始めるでしょう。春の花は黄色が多いですが、これは昆虫の目に付きやすい色で、昆虫に来てもらって受粉をしてもらうための花の戦略なのだそうです。

とても暖かく、春めいてきて、小鳥たちは活発に活動し始め、植物の芽吹きなどたくさん春の気配を感じたり、動物たちのフィ-ルドサインもいろいろ見ることができた楽しい一日でした。

 

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乙女高原自然観察交流会 02月06日(土)

2021年02月06日 | 乙女高原観察交流会

※山本さんがレポートをお寄せくださいました。

 

 前日までの強風も収まり、寒さも和らいだよく晴れた日和でした。植原さんが参加できないということでしたが、初めての方がお二人いたので参加者は5人でした。お二人は相談して一緒に参加されたのではなかったものの、お互い別の場所でお会いしたことがあった方どうしでした。

 

 先月同様にカエル池とサワラ天然林に立ち寄ってみました。カエル池にやはり水はなかったものの、少しだけですが薄い氷があったので、水気はあるようなのですが、溜まるほどになるのか心配です。このままだとカエルも別の産卵地を探して移動してしまうのでしょうか。見つけられればいいのですが。サワラ天然林のカメバヒキオコシの氷華も小さなものがまだありました。沢の水は凍ってなくて流れていました。

 柳平までの林道には雪はありませんでしたが、ゲートから先トンネルを抜けて橋を渡ると、その先は路面に残った雪が凍っていました。今回は焼山峠での観察をパスして、まずは乙女高原まで行ってしまうことにしたので、いつもだと乙女高原に着くのがお昼時で、昼食をとってからの観察になりますが、この日着いたのはまだ10時半だったので、観察して戻ってから昼食をとることにしました。

 

 草原は雪の解けてしまった場所もありましたが、大方は残っていて25cmほどの場所もありました。雲一つなく風もなく雪の上を歩いていくと厚着をしているので暑さを感じるほどでした。ゴマナやキオン、チダケサシ、キリンソウ、アキノキリンソウなどのドライフラワーや、レンゲツツジやオオカメノキ、ツノハシバミなどの冬芽を観察しながら富士山展望地へと上りました。動物の足跡が少なく、残っていてもはっきりとしてないので何の動物かわかりません。ウサギの足跡が見られませんでした。雪の積もった後寒くて出歩かなかったのでしょうか。いつもだと小鳥をたくさん見かけますが見かけません。展望地からは富士山がよく見えました。南斜面となる草地の雪は解けてしまっていました。ヨモギ頭からは木々の間に南アルプス、八ヶ岳、金峰山がよく見えました。植原さんの記事に出てくる「第二乙女高原」というのはどこかという話が出て、一度植生を見比べる観察をしてみたいという提案がありました。

 枯葉をたくさんつけたままにしているのはヤマコウバシでしょうか。クロモジの仲間なのでやはり枝を削れば香るのでしょうか。冬の枝でも香りがするのか、新緑の頃が一番香るのか。ズミの枝にはまだドライフルーツがついていました。ズミの花はきれいで花の咲く頃に来たいという話になりました。落ちていたアオナシの実の食痕はネズミの仲間が食べた痕でしょうか。県内の山に自生しているのはヤマナシではなくアオナシで、果実になってもガクが残っていて目立つが、花で見分けるのは難しいようです。兜山の登山口駐車場にはヤマナシが植栽されているので比べてみることができるという話もありました。

 

 ロッジ前のベンチで昼食をとり終えたのが1時で、いつもよりずっと早いのですが、ヤチボウズの湿地を覗いてから帰ることにしました。ヤチボウズの頭には雪の帽子をかぶっておらず、水も流れていました。焼山峠の駐車場にも立ち寄って林縁を観察してみると、ツル植物がより糸状に絡み合ってカラマツの枝に登っているのを見つけました。乙女高原の防鹿柵の金網にからみついているのと同じものをこの辺りで見たということから、カラハナソウでしょうか。S巻になっているものとZ巻になっているものが見られましたが、違う種類のものが混生しているのか、状況によってどちらにでも巻くのか花の時期に確認してみたいです。道の駅に戻ったのがいつもよりも早く2時を少し回ったところでした。立春を過ぎこれから暖かくなるに伴い乙女高原の自然の新たな営みが始まるかと待ち遠しく思える1日でした。

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