乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

黄色いスミレ・ハイキング

2019年06月01日 | 観察会

※井上さんがレポートを書いてくださいました。

 6月の観察交流会は1日(土)、乙女高原を離れて、黄色いスミレ(キバナノコマノツメ)の観察会でした。集合場所の牧丘の道に駅に集まったのは12名。4台の車に分乗して、この日にゲートが開いたばかりの大弛峠へ向かう林道を鶏冠山林道入口まで行き、そこから鶏冠山西林道を歩いて観察です。
 林道入口では、晴れてはいるものの空気はひんやりして爽やかです。道端にはタチツボスミレが咲いていました。ウグイスやカッコウ、カラ類などのさえずりが聞こえてくる道を、ゆっくり観察しながら歩きました。カラマツの新緑と青空がとてもきれいで、気持ちがよかったです。歩き始めてすぐ、ミヤマハンショウヅルの大きな株がありました。まだ咲いていませんでしたが、えんじ色の丸いボール状のつぼみがいくつもあって可愛かったです。しばらく歩いていくと、昨年まで気づかなかった所にツバメオモトが咲いていました。いくつもの株がありました。白いかわいい花です。さらにしばらく歩くと、白いクリンソウも道端に咲き始めていました。

 


 ヒロハツリバナ、エゾノコリンゴ、ハウチワカエデ、オオカメノキなど木の花も咲いていましたが、昨年に比べるとまだ咲いてないものが多かったです。さらに登っていくと道端にミヤマスミレ、コミヤマカタバミ、ミヤマハコベなども見られるようになりました。 苔むしてシダのしげる針葉樹林の亜高山帯に入ると、メボソムシクイなどのさえずりもよく聞こえ、針葉樹のよい香りもしてきます。昨年咲いていたオサバグサはまだつぼみでした。バイカオウレンやコセリバオウレンは咲き終わって種になっていましたが、かろうじて花が残ったものも見ることができました。

 


 今回は植物に詳しい方が参加されていて、タカネザクラの特徴を教えてもらいました。この道にある桜の木はタカネザクラが多いようです。もう咲き終わっていましたが、かろうじて花の残ったものもあり、花や葉の特徴を見ることができました。また、ネコノメソウの特徴についても盛り上がりました。
 この道では、イワネコノメ、ツルネコノメがありました。コケもいろいろな種類がありそうです。タマゴケの丸い目玉のような蒴(サク)がかわいらしいです。また小さな流れがある場所にきれいな黄緑色の丸い蒴のついたコケがありました。サワゴケでしょうか。美しかったです。サクラスミレ、フデリンドウも道端にひっそりさいていました。

 

 そして、正午過ぎに目的の黄色いスミレ、キバナノコマノツメが咲く小さな沢にやってきました。たくさんのキバナノコマノツメが咲いています。時期としてはちょうどよかったようで、きれいに咲いていました。ここで、花をながめながら、昼食にしました。この場所は標高、2000m弱(渡邊さんが調べてくれました)、南側が開けていて、富士山も遠く雲の上に見えます。近くの木々は新緑が美しくダケカンバも芽吹き始めていましたが、少し先に見える山の斜面のダケカンバは芽吹き前らしく白い幹が目立ちます。黒っぽい針葉樹と白いダケカンバの山でした。話題になったタカネザクラもここではまだ咲いていました。赤い葉や濃い花の色が目立ち、きれいでした。

 


 昼食後はそれぞれ写真を撮ったり、花を観察したりして、帰路につきました。行きもゆっくりでしたが、帰りもまたあちこちで止まりながら、下っていきました。途中、モミの木の枝にまるでヤドリギのようなものがついているのを発見。よく見ると枝から新しい芽がたくさん出ています。同じ木だと思うのですが、新芽の形が少し違っていて、何だろうとみんなで観察しました。また行きにはあまり目につかなかったミツバツチグリの黄色い花がたくさん咲いていたり、少し高いところにあるコヨウラクツツジなどにも気づきました。同じ道の往復ですが、登りと下りでは目線が違うので、違った気づきがあります。

 ほぼ予定の3時過ぎに駐車場所に戻り、参加者に感想を書いていただき、解散となりました。でも、皆、シロバナサクラスミレが気になるようで乙女高原へ向かいました。焼山峠手前の林道沿いに、ミヤマザクラとウワミズザクラが並んで咲いていたので、また観察をしました。乙女高原では、シロバナサクラスミレは1株でしたが、3輪の花が、豪華に咲いています。つぼみのものも1株ありました。サクラスミレもきれいなものがたくさん咲いていました。
 黄色いスミレの観察会は今年で4回目ですが、毎年同じではなく、年によって少しずつ違うものも見られ、おもしろいです。参加者のいろいろな知識や多くの目での発見もあり、今回もとても楽しい観察会でした。

 

○参加者の感想
・はじめてスミレ観察会に参加しました。天気もよく、すがすがしい風が吹き、楽しい一日を過ごしました。また参加したいです。
・キバナノコマノツメがたくさん咲いているのがすばらしい。花も咲き始めで、色が濃くて生き生きしていた。他の花も季節によっていろいろありそうで、何回でも歩きたい道です。久しぶりにツバメオモトのかわいらしい花が見られてよかった。
・スミレ4種(タチツボスミレ、ミヤマスミレ、サクラスミレ、キバナノコマノツメ)をたくさん見られ、ぜいたくな一日でした。その他、モミジの仲間も沢山あり、秋の紅葉もすばらしいでしょう。ネコノメソウの仲間、2種類(ツルネコノメ、イワネコノメ)もはじめて教えていただき、ありがとうございました。
 季節を変えてまた企画して下さい。
・キバナノコマノツメの群生地が素晴らしかったです。ミヤマハンショウヅルやシロバナクリンソウ等、沢に咲く花も。
ツバメオモトの白い花、フデリンドウ、コミヤマカタバミが帰り道に花が開いていて、とてもきれいに写真が撮れました。

コメント
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