11月18日(月)、前日は雨だったので、道路のぬかるみを心配しましたが、大丈夫でした。
朝9時に、今回の案内活動に立候補してくださった5人が集合。打ち合わせや下見をしながら子どもたちの乗ったスクールバスを待ちました。
9時半ころ、3年生21人と引率の先生方4人が到着。さっそく「はじめの会」をし、担当者の自己紹介。その後、4チームに分かれて、それぞれ草原の中で自然観察を楽しみました。今回、子どもたちの案内に5人も立候補してくださったので、4チーム編成が可能となり、チームの数が多い分、一つのチームの人数を少なくできるので、よりきめ細かい対応が可能となりました。平日になりますが、今後も「学校対応・学校連携」の機会は増えると思います。皆さんの積極的なご参加をぜひよろしくお願いします。ちなみに、活動参加には「乙女高原案内人」を条件にしていません。どなたでも、やってみたい方、子どもたちのために一肌脱いでいいよという方、乙女高原のために活動したい方なら、大歓迎です。
標高が1,700メートルもある乙女高原の11/18は、里の真冬と変わりません。いくら学校現場が忙しいからといって、こんな時期に来られても・・・と正直思っていましたが、いざやってみると、次から次へとネタが見つかるし、視点を変える面白さがあります。また、3年生は今年3回目の乙女高原なので、「前回と比べて」観察できます。そんなこんなで、いや楽しいのなんの。私も所属している日本自然保護協会の自然観察指導員の合言葉「自然観察(会)、いつでも、どこでも、だれとでも」を体感する1日となりました。
みつかったネタは、たとえば、クロスズメバチの巣。このハチは基本的に地面の下に巣を作るので、巣が見つかるというのは珍しいのですが、木の根が横にはった下に見つかりました。夏だったらハチも活発なので、近くで見るのは多少なりとも危険が伴いますが、今はもう気温も低いので、変温動物であるハチたちの動きは鈍く、間近に近寄って観ても、危険は感じられませんでした。
後日(11/21)、観察していたら、どうも女王らしい、一回り大きなハチが巣から出てきました。まわりのハチは巣の表面にいるだけなのに、女王?は出て来ては、すぐに飛び立っていきます。10匹以上の女王?の旅立ちが観察できました。
たとえば、ハサミムシの集団越冬場所。3年生の学習テーマは「乙女高原の昆虫」だそうです。子どもたちはキョロキョロしながら、昆虫を探すのですが、そのキョロキョロは能動性を伴ったキョロキョロです。朽木があれば崩してみるし、石があればひっくり返してみるし。で、ロッジ前の鉄の板をめくったところ、中に10匹以上のハサミムシがいたのです。集団ねぐらなんでしょうね。見つかったのはコブハサミムシで、この虫は、春、お母さんが卵を産み、それを大切に守り育て、最後には卵から出て来た子たちにお母さんが自分の体を食べ物として提供することが知られています。
視点を変える面白さというのは、虫媒花の実や種は、昆虫が送粉に来てくれたからこそ、今、実が実っています。ということは、実や種こそ、昆虫が来た痕跡だということです。実や種の観察をすることが昆虫の観察につながるわけです。というわけで、事前に準備した「花・実・昆虫カード」を使って、今、目の前にある実にはどんな花が咲いていたのか?を推測してもらうゲームをしました。
なお、草原のロープはもう外してありますし、草花も枯れているので、草原の中を少人数で歩き回っても自然へのインパクトはないだろうと判断し、班ごとに「草原ジャングル」の中を歩き回って観察することにしました。「保存型の自然保護」をしている乙女高原の草原にあっては、中を歩き回るなんて今の時期しかできないことです。これも楽しかったです。
半日の自然観察はあっという間に終わってしまいました。バスに乗って帰る子どもたちを見送った後、みんなで、観察の様子を分かち合いながら、お昼を食べました。
帰りがけ、水があふれそうな林道側溝にたまった泥をかき出して、水があふれて凍らないようにしておきました。これで23日の草刈りボランティアも一安心です。
【ビフォー】
【アフター】