乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

19回目の草刈りボランティア

2018年11月23日 | 草刈りボランティア

 

 今年は晴天に恵まれました。それだけでも心の負担がぐっと軽くなった感じです。朝6時すぎには乙女高原に着いて、ゴミ収集車の駐車スペースにコーンを置くなど準備をしました。

だんだん人が集まってきたので、ロッジの窓を開けたり、物置から使うものを運び出したりしてもらいました。そのうち、市や県のスタッフも来て、テントを設営したり、受付の準備をしたり。

 8時半からスタッフの打ち合わせ。そして受付開始。全体の打ち合わせをした後、係ごとの打ち合わせをすればよかったと反省しました。スタッフが共通理解をしたり、疑問点を解決しておかないと、後から困ってしまいます。

 

 バスも無事到着しました。でも・・・大変だったんですよ。仕方のないことですが当日の朝になってキャンセルされた方がいたり、途中、焼山峠からはスタッフの加々美さん、小林さんの乗った車に先導してもらいながら来たり。じつはバスの空席が10ほどありました。せっかくバス1台チャーターできたのだから、ちょっともったいなかったです。

 

 参加者は238人。歴代5位の多さでした。受付でその人数を(様々な係・班に)さばくのですから大変です。じつは参加者の皆さんにお配りしているシールがその鍵となるアイテムです。シールには「手刈り班A-1」「手刈り班A-2」という感じで印字されているので、手元に残ったシールを見れば、どの班に今現在何人配属されているかが判るので、新たに受付された方には少ない班に入っていただく・・・といったことができるようになっているのです。それでも、多くの方がいっぺんに来られるので、受付はやっぱり大変です。

 

 9時半に開会式が始まりました。お忙しい中、高木市長さんも来て、ご挨拶をしてくださいました。雲が一つもないいい天気でした。そして、いよいよ作業が始まりました。レンゲツツジが多いエリアは手刈りで、草原部分は刈り払い機で草を刈ります。

(写真 古屋光雄さん)

 (写真 古屋光雄さん)

 (写真 古屋光雄さん)

 (写真 雨宮浦助さん)

 刈った草を運ぶのは、(株)田丸さんが持ってきてくださったゴミ収集車。刈り草だから、軽トラに載せて運ぶとしたら、かさばってしまい、大変です。ゴミ収集車なら圧縮して運べるので、とても便利です。今年も刈り草は、琴川ダムの残土処分場に運び入れてもらいました。

 

(写真 雨宮浦助さん)

(写真 古屋光雄さん)

 ロープ収集係は遊歩道のロープをひたすら外して、ロッジの庭まで運びます。万歩計がすごくかせげる係です。そのロープをロープ係がきれいに巻きなおして、ロッジの倉庫にしまいます。雨宮さんがロープを巻くのに使う杭を作ってきてくださいました。ロッジの前では、豚汁班がゴボウや白菜を切ったりして、おいしい豚汁を作っています。市から給水車を持ってきてもらったり、大鍋を用意してもらったりして、本格的に作ります。毎年、ゴボウと肉は藤巻さんからのプレゼントです。その横では看護婦資格を持つ三枝さんと町田さんがAEDなどを用意し、救護係として控えています。

 

(写真 雨宮浦助さん)

 キッズ班は、乙女高原の裏山まで行って、「ブナじいさんに落ち葉のふとんをかける」というキッズ・ボランティアに取り組みました。ブナの巨木「ブナじいさん」はとても条件の悪いところに生えています。そんなブナじいさんが少しでも元気になるよう、林道に降った落ち葉を集めて袋に詰め、それをブナじいさんまで運んで根元に敷き入れるという活動です。子どもたちが落ち葉がいっぱいの袋を運んでいる姿は、まるでブナじいさんにクリスマスプレゼントを運ぶサンタクロースみたいです。

 

 昨年は、草刈りイベント初めての「中止・延期」で、計画通りできませんでした。だから、いってみれば2年越しの開催。となると、忘れていることも多く、反省点も軒並み多いです! 事実、たくさんの方から「ここはこうやったほうがよかった」といったご意見をいただいています。

 このメールマガジンをお読みの皆さんも、忌憚のないご意見やご感想をお寄せくださいね。

 

 さて、「今年はどうも本部がヒマだなー」と思っていたら、それもそのはず。本部に置いてあったトランシーバーは、どうもキッズ班としかつながっていなかったようなのです! 大失敗でした。でも、おかげさまで、今までで最高に静かな草刈りボランティアでした(!)。

 そろそろ作業終了時刻です。最後のゴミ収集車に出発していただきました。そして、彼らが帰ってきたのを確認して、草刈りボランティア恒例、プロのカメラマンによる集合写真撮影を行いました。撮影するのは「乙女高原の写真屋さん」古屋さんです。これが来年の草刈りボランティア・ちらしになります。

(写真 古屋光雄さん)

 写真終了後、「おみやげ」の袋をお配りし、次に豚汁をお配りしました。具だくさんで、おいしいおいしい豚汁でした。

 

(写真 雨宮浦助さん)


 閉会式をし、スタッフで片づけ。ぼくはというと、バスに乗ってきた方と、バスの出発までミニミニ観察会。夏の終わりに葉を広げ、冬の間(雪の下でも!)青々としているフユノハナワラビを見たり、「今が一番かわいくない時期です」という谷地坊主を見たりしてからバスに乗っていただきました。

 そして、ロッジのホールで恒例の茶話会。一人一言ずつ感想等を言っていただきました。

 

 参加してくださった皆さん、ありがとうございました。乙女高原の自然・乙女高原の生物多様性が保全されているのは、皆さんの作業のおかげです。毎年、草の成長した分を刈り取り、持ち出しているということは、毎年毎年、草原をリセットしているということです。だから、同じ景観が毎年見られているのです。リセットしなければ、草原は「成長」・・・というか「森という次のステップに進んで」しまいます。

 皆さんが守った草原です。別の季節にも行ってみてくださいね。春はスミレがいっぱい。初夏には鳥たちの歌声がにぎやかです。夏には様々な花が入れ代わり立ち代わり咲くので、1週間違うと草原の色が違って見えるほど。また「3歩歩けば10種類の花に出会える」というくらい、生物多様性のホットスポットです。秋、夕日に輝き、秋風にたなびくススキの穂は海原のよう。そして木々の紅葉・黄葉。夏の間は同じような緑色なのに、この時期、すごい個性を発揮します。色も違えば、葉を落とすタイミングも違います。とはいえ、確実に季節は寒い時期へと向かっています。

 冬は冬で、雪が降るとそれはそれで、楽しいことがいっぱいあるのですが、林道は通行止めになるし、そうでなくても道路は凍結し危険が増しますので、積極的にはお勧めしません・・・が、冬には冬の自然を観る楽しみがあります。

 

 おっと、みんなの作業が終わった後も、一人黙々と看板の屋根にペンキを塗り直している働き者がお一人いらっしゃいました。

 

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