しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

すれ違う人々と

2012-05-10 23:01:22 | 日記
6時間目の終わり、放送で職員室に招集がかかる。
なんだろうと思っていくと、竜巻注意報が出てる、と言われて驚いた。
横浜駅近くでは雹が降ったらしい。最近のこの不安定な天候・・・。

生徒には気をつけるようにと伝えたけど、その直後からきれいに晴れてきた。
その方がいい。
最終下校後、クラスに残って作業をしてたら、いつも回ってくる高齢のボランティアの方。
一つひとつの教室の窓の鍵がかかっているかをチェックしている。
いつも大変だねーと声をかけられる。
心臓ペースメーカーを入れてる話、
なので生徒がぶつかってくるのが怖いから、
最終下校をだいぶ過ぎてから回るようにしていることなど、
独り言のように話す。
このお話はもう3回ほど同じ事を伺ったような気がするけど、
そこははじめて伺う風で聴き、頷く。
ひとしきり、独り言をつぶやくと、じゃあと去って行く。
お疲れさまです、ありがとうございます、と追いかけるように言う。

作業を始めた頃は電気をつけなくても良かったけど、そろそろ夕闇が迫る黄昏時。
誰もいないと、時計の分針の音が、こつっ、こつっとやけにはっきりと響く。
振り向けば、教室の後ろの席に知らない子どもが・・・・





なんてことは、ない。




今年から担任になった不登校の生徒の家に行く。
保護者は夕方から働いているから本人の携帯に電話。
修学旅行の参加承諾書をもらわなければ、この子は修学旅行には行けない。
電話して行ってもいい?と聞くと、うん、いいよ、との返事。
夕方の学区をトコトコ歩く。古いアパートの1室。
猫が4匹、玄関前にじーっとしていた。
ドアが開くと、その子と、飼っている犬や、また猫がいた。動物好きらしい。
部屋は正直荒れていたけど、炊飯器から勢いよく蒸気が上がっていた。
ご飯、自分で炊いてんだ・・・。ちょっと安心した。
前に登校してきたとき、お昼のお弁当代もなくて、
ちゃんと食べてんのかな、と心配になった。
承諾書をもらいながら、学校のことを話した。

1年からずっと、学校にはあんまり来ず、家で11時くらいまで寝ている様子。
保護者も寝ている。夜間がメインのお仕事なのだ。
気が向いたときだけ、ふらっと学校に来る。でも授業にはあまり出ない。
1週間に1~2回は来るようにする、という約束はしてくれた。
本当は週3回の約束をしたかったけど。
国語が好きなようなので、保健室でできる簡単な問題集を用意することにした。
いろいろ話していると、妹さんらしき子が顔を出す。お腹空いたのかな。
切り上げることにする。この子は、家事をしてるんだな・・・・。

うちのクラスは個別で対応しなければいけない生徒が多い。
対応の種類はいろいろだけども。学習面で、生活面で・・。
・・・今はどこもこんな感じなのかもしれない。
とりあえず、この子は食べているようだったので良かった。
勉強は、二の次、元気に生きていくことが先決だ。
学習塾で夜遅くまで缶詰になっている子もいれば、
日々生きていくのが精一杯の子もいる。

夜の道を歩く。気がつくと学校を出てから約1時間が経っていた。
駅で豆乳コーヒーをテイクアウト。
駅のベンチが一休みの場所になる。

ちょっとほっとした。なんだか。

夜の風はひんやりと冷たくて、たくさん歩いた私にはちょうど心地良かった。