=スマートメーター強制をやめさせる院内集会=
◆ ジャーナリスト・斎藤貴男さん講演(要旨) (電磁波研会報)
私は主に監視社会との関係についてお話ししたいと思う。先ほど(電磁波研の網代が)スマートメーターのメリット・デメリットについて話されたが、メリットと言われているものに共通するのは、だれにとってのメリットなのかがハッキリしているということ。つまり、事業者にとってだ。
事業者がスマートメーターからのデータで新しいサービスを生み出せば、一般の生活者もメリットを受けると考えることもできるが、それは人によってそれぞれだから、それをもってすべて生活者にメリットだと言うことはできない。
◆ 「お宅の古い冷蔵庫、買い換えませんか」という広告が
新しいサービスとは、具体的には、先ほど紹介された独居老人の見回りサービスだとか、宅配業者が留守宅に行かないで済むようにするなどだけでなく、いずれ考えられるのは、広告だ。
リアルタイムで(30分おきでも)電力の消費状況が分かるということは、その人の生活パターンがすべてわかる。
これを電力会社がただテータ化しておくだけでは意味がないので、確実に考えられるのは、広告会社に売って、広告会社が「お宅の冷蔵庫は電力消費効率が悪いですよ。古いようですね。そろそろお買い換えになったらいかがですか」という広告を送りつけてくる。
他にもマイナンバーなどのデータも集めてくれば、「お宅は育ち盛りのお子さんが3人居ますね。たくさん食べるでしょう。だったら○○社のOO型がいいですよ」という広告が毎日毎日送られてくるようになる。
あるいは「夕方6時から、○○テレビのアニメを見ていますね。そう言えばお宅には○歳になる男の子がいますね。その子の○月○日の誕生日には、そのアニメのおもちゃはいかがですか」。
こういう広告が送られてくる。
今でもパソコンでアマゾンで本を買えば、読書傾向が解析されて「こういう本がおすすめ」みたいのが来るが、それがさらにあらゆるジャンルに広がるだろうということだ。
◆ スマートメーターで家庭の中まで監視
もちろんそのデータは政府も利用するだろう。
今でもマイナンバーがあり、盗聴法があり、特定秘密保護法があり、共謀罪があり、街じゅうに張り巡らされた監視カメラがあり、携帯のGPSがあり、監視ツールだらけだ。私たちの日々の生活はすべて国や大企業に見張られていると言って過言ではない。
もしも逃げ場があるとしたら、それは唯一家庭の中ぐらいだったのだが、そこまでも監視の海に飲み込まれる。スマートメーターとは、簡単に言ってしまうと、こういうことだろうと思う。
「政府」と言ったが、さっきも大河原さんがおっしゃっていましたが、あの政府ですよね。ハッキリ言って政府の体を為していないと私は思っている。今の日本はただのならず者が支配するジャングルのような場所になっている。
その中で彼らに見張られるなんて、そんな馬鹿臭いことがあって良いのかと私は思っている。私が考えるスマートメーターのデメリットは、まさにそういうことだ。
おそらく最初からすぐにそういう状態になるわけではないだろう。だけど、普及率が高まっていけば、そういう状況に人々は慣らされていく。
私は電磁波がとりあえず理由ではないが、携帯電話が嫌いで持っていないのだが、電話がかけられなくなってしまった。大阪へ出張した時に公衆電話を探して3時間ぐらいさまよったことがある。
国が決めたことに従わないと逮捕されるというような軍政国家では日本はない。だけど、従わなければならない状況にいつの間にか追い込まれていく。
スマートメーターに限らず、すべて同じやり方が踏襲されている。
◆ 生き方の選択肢が狭められる
この問題はちょっと大げさな言い方をすると、一人一人の生き方の問題ではないかと私は考えている。
監視社会である他にも、税金はお勤めの方であれば源泉徴収と年末調整で、自分で確定申告することも許されない。サラリーマンの方は税金に不満があっても国税庁に申し入れることもできない。
「文句があったら勤務先に言え」と。勤務先に下手なことを言ってクビになるわけにはいかないから、不満があってもだれも逆らわない。
だから佐川(宣寿。前国税庁長官)さんのような人が現れても、納税者一揆はこの国ではあり得ない。消費税も税金を払っている意識がないから、増税に皆さん寛容だ。そういう税制が使われている。
街を歩けばいつの間にかチェーン店ばかり。飲み屋に行こうにも和民しかない。小物を買おうにもセブンイレブンしかない。自由社会であるはずなのに、いつの間にか選択肢がなくされている。
「監視社会」と言うと、どうしても反権力的な思想が監視されるという話になりがちだが、それだけではない。あらゆる生き方の選択肢が狭められるということもまた、そうなのだ。
「自由」なのは消費の自由だけであって、それ以外の生き方が許されない。私たちは、あの政府にしてみれば、単なる労働力であり、兵力であり、息をするサイフである。それ以外の真っ当な人間らしい生き方を許されなくする道具の一つがスマートメーターでもあるように、私は考えている。
◆ 増え続ける監視ツール
監視ツールは、どんどん広がっていて、司法関連法制が大幅に「改正」されて、従来認められていなかった捜査のやり方がいくつか認められた。
たとえば「司法取引」。「お前が伸間のことをゲロったら、少し罪を軽くしてやる」という捜査の仕方だ。
また、盗聴法の範囲が拡大された。従来であれば警察が盗聴をしようと思ったら通信事業者のところに警察官が出向いて、そこの職員の立会のもとでなければ盗聴できなかった。しかし、法改正で、警察が通信事業者の立会抜きでも盗聴できるようになった。
しかも従来は殺人とか重大犯罪の容疑だけに限られていた盗聴要件の、大幅な拡大があった。
極端な話、変質者の警察官がいれば、狙いをつけた女性の家の盗聴もできることになってしまっている。そういう一部不心得者のやることでなくても、何か気に入らない団体や個人の盗聴を警察が組織的にすることもできる。
それが実際に犯罪に関係があったかなかったかは捜査してみなければ分からないわけだが、ただ嫌がらせや弱みを握るためだけにも盗聴できてしまう。
これからおそらく法案化されるだろうと考えられるものに「会話傍受」があって、目星をつけた人間あるいは組織の建物、オフィスや自宅に勝手に捜査官が侵入して盗聴器や監視カメラを据え付けて出てくる。リアルタイムに、常に監視することも構想に入っている。実際アメリカではFBIがやっているそうだ。
今や、そういう時代状況だ。そこにスマートメーターが入ってくることの恐ろしさを、私たちはよく考えておいたほうが良いと思う。
◆ 再生可能エネルギーとの関係
再生可能エネルギーは太陽光にしても風力にしても、原発、火力、水力とは違って不安定だと言われている。不安定であるなら従来以上に節電しなければならないし、不安定な電力を上手に使うためにはスマートメーターできちんと管理しなければならないという説明がよくある。
だが、それとこれとは別である。原発推進の政府ではあるが、一方では再生工ネルギーへのシフトも当然視野に入れている。たとえば原発事故があった福島県では会津若松市で、「会津若松スマートシティー構想」を進めている。
これは、HEMSとIoT(あらゆるものをインターネットで結んで連動させる)を組み合わせて、たとえば水力、地熱などの再生可能工ネルギーによる発電を加速させ、スマートグリッド(電力の流れを供給側、需要側の双方から制御できる送電網)で結ぶというもの。消費電力の最適化だけでなく高齢者世帯の見守り、道路や橋梁など公共施設の状況の把握、防災体制の強化等にも役立てる。
事故を起こした福島県で、そういう新しいエネルギー作りを推進するという意味では良いごとなのかもしれないが、それが即スマートグリッドとか、スマートシティという概念になることに私は非常に危惧を抱いている。
結局、再生可能エネルギーを大義名分にして、各家庭の監視を進めようとしているだけではないかとも考えられる。
原発から再生可能土ネルギーへのシフトは不可避であり必要だとしても、それを口実にしたスマートメーター導入のようなだまし討ちを受け入れないということが大事だと思う。
マスコミがなかなかスマートメーターの話題に乗ってくれないが、マスコミは監視社会についても共謀罪だとか政府が思想信条に直接介入するやり方についてはそれなりに報道する。
しかし、スマートメーターに限らず、エレクトロニクス、機械とか、民間マターの監視社会問題には、非常に鈍い。大きな理由のつは、やはり広告だろう。
原発商題のときに電力会社の広告の問題がかなりクローズアップされたが、IT関連には、広告の問題が非常に大きく働く。マスコミ報道を一概にバカにしてはいけないが、あまり当てにするわけにもいかない。いろいろな形で運動を進めていく必要があると思う。
生き方の問題ではないかというのは私なりの考え方なので、皆さんがそれがに共感してくださるかどうかは分かりませんが、そういう考え方もあるだろうということで、私からの話は終わります。ありがとうございました。【まとめ・網代】
『電磁波研会報第 112号』(2018/5/27)
◆ ジャーナリスト・斎藤貴男さん講演(要旨) (電磁波研会報)
私は主に監視社会との関係についてお話ししたいと思う。先ほど(電磁波研の網代が)スマートメーターのメリット・デメリットについて話されたが、メリットと言われているものに共通するのは、だれにとってのメリットなのかがハッキリしているということ。つまり、事業者にとってだ。
事業者がスマートメーターからのデータで新しいサービスを生み出せば、一般の生活者もメリットを受けると考えることもできるが、それは人によってそれぞれだから、それをもってすべて生活者にメリットだと言うことはできない。
◆ 「お宅の古い冷蔵庫、買い換えませんか」という広告が
新しいサービスとは、具体的には、先ほど紹介された独居老人の見回りサービスだとか、宅配業者が留守宅に行かないで済むようにするなどだけでなく、いずれ考えられるのは、広告だ。
リアルタイムで(30分おきでも)電力の消費状況が分かるということは、その人の生活パターンがすべてわかる。
これを電力会社がただテータ化しておくだけでは意味がないので、確実に考えられるのは、広告会社に売って、広告会社が「お宅の冷蔵庫は電力消費効率が悪いですよ。古いようですね。そろそろお買い換えになったらいかがですか」という広告を送りつけてくる。
他にもマイナンバーなどのデータも集めてくれば、「お宅は育ち盛りのお子さんが3人居ますね。たくさん食べるでしょう。だったら○○社のOO型がいいですよ」という広告が毎日毎日送られてくるようになる。
あるいは「夕方6時から、○○テレビのアニメを見ていますね。そう言えばお宅には○歳になる男の子がいますね。その子の○月○日の誕生日には、そのアニメのおもちゃはいかがですか」。
こういう広告が送られてくる。
今でもパソコンでアマゾンで本を買えば、読書傾向が解析されて「こういう本がおすすめ」みたいのが来るが、それがさらにあらゆるジャンルに広がるだろうということだ。
◆ スマートメーターで家庭の中まで監視
もちろんそのデータは政府も利用するだろう。
今でもマイナンバーがあり、盗聴法があり、特定秘密保護法があり、共謀罪があり、街じゅうに張り巡らされた監視カメラがあり、携帯のGPSがあり、監視ツールだらけだ。私たちの日々の生活はすべて国や大企業に見張られていると言って過言ではない。
もしも逃げ場があるとしたら、それは唯一家庭の中ぐらいだったのだが、そこまでも監視の海に飲み込まれる。スマートメーターとは、簡単に言ってしまうと、こういうことだろうと思う。
「政府」と言ったが、さっきも大河原さんがおっしゃっていましたが、あの政府ですよね。ハッキリ言って政府の体を為していないと私は思っている。今の日本はただのならず者が支配するジャングルのような場所になっている。
その中で彼らに見張られるなんて、そんな馬鹿臭いことがあって良いのかと私は思っている。私が考えるスマートメーターのデメリットは、まさにそういうことだ。
おそらく最初からすぐにそういう状態になるわけではないだろう。だけど、普及率が高まっていけば、そういう状況に人々は慣らされていく。
私は電磁波がとりあえず理由ではないが、携帯電話が嫌いで持っていないのだが、電話がかけられなくなってしまった。大阪へ出張した時に公衆電話を探して3時間ぐらいさまよったことがある。
国が決めたことに従わないと逮捕されるというような軍政国家では日本はない。だけど、従わなければならない状況にいつの間にか追い込まれていく。
スマートメーターに限らず、すべて同じやり方が踏襲されている。
◆ 生き方の選択肢が狭められる
この問題はちょっと大げさな言い方をすると、一人一人の生き方の問題ではないかと私は考えている。
監視社会である他にも、税金はお勤めの方であれば源泉徴収と年末調整で、自分で確定申告することも許されない。サラリーマンの方は税金に不満があっても国税庁に申し入れることもできない。
「文句があったら勤務先に言え」と。勤務先に下手なことを言ってクビになるわけにはいかないから、不満があってもだれも逆らわない。
だから佐川(宣寿。前国税庁長官)さんのような人が現れても、納税者一揆はこの国ではあり得ない。消費税も税金を払っている意識がないから、増税に皆さん寛容だ。そういう税制が使われている。
街を歩けばいつの間にかチェーン店ばかり。飲み屋に行こうにも和民しかない。小物を買おうにもセブンイレブンしかない。自由社会であるはずなのに、いつの間にか選択肢がなくされている。
「監視社会」と言うと、どうしても反権力的な思想が監視されるという話になりがちだが、それだけではない。あらゆる生き方の選択肢が狭められるということもまた、そうなのだ。
「自由」なのは消費の自由だけであって、それ以外の生き方が許されない。私たちは、あの政府にしてみれば、単なる労働力であり、兵力であり、息をするサイフである。それ以外の真っ当な人間らしい生き方を許されなくする道具の一つがスマートメーターでもあるように、私は考えている。
◆ 増え続ける監視ツール
監視ツールは、どんどん広がっていて、司法関連法制が大幅に「改正」されて、従来認められていなかった捜査のやり方がいくつか認められた。
たとえば「司法取引」。「お前が伸間のことをゲロったら、少し罪を軽くしてやる」という捜査の仕方だ。
また、盗聴法の範囲が拡大された。従来であれば警察が盗聴をしようと思ったら通信事業者のところに警察官が出向いて、そこの職員の立会のもとでなければ盗聴できなかった。しかし、法改正で、警察が通信事業者の立会抜きでも盗聴できるようになった。
しかも従来は殺人とか重大犯罪の容疑だけに限られていた盗聴要件の、大幅な拡大があった。
極端な話、変質者の警察官がいれば、狙いをつけた女性の家の盗聴もできることになってしまっている。そういう一部不心得者のやることでなくても、何か気に入らない団体や個人の盗聴を警察が組織的にすることもできる。
それが実際に犯罪に関係があったかなかったかは捜査してみなければ分からないわけだが、ただ嫌がらせや弱みを握るためだけにも盗聴できてしまう。
これからおそらく法案化されるだろうと考えられるものに「会話傍受」があって、目星をつけた人間あるいは組織の建物、オフィスや自宅に勝手に捜査官が侵入して盗聴器や監視カメラを据え付けて出てくる。リアルタイムに、常に監視することも構想に入っている。実際アメリカではFBIがやっているそうだ。
今や、そういう時代状況だ。そこにスマートメーターが入ってくることの恐ろしさを、私たちはよく考えておいたほうが良いと思う。
◆ 再生可能エネルギーとの関係
再生可能エネルギーは太陽光にしても風力にしても、原発、火力、水力とは違って不安定だと言われている。不安定であるなら従来以上に節電しなければならないし、不安定な電力を上手に使うためにはスマートメーターできちんと管理しなければならないという説明がよくある。
だが、それとこれとは別である。原発推進の政府ではあるが、一方では再生工ネルギーへのシフトも当然視野に入れている。たとえば原発事故があった福島県では会津若松市で、「会津若松スマートシティー構想」を進めている。
これは、HEMSとIoT(あらゆるものをインターネットで結んで連動させる)を組み合わせて、たとえば水力、地熱などの再生可能工ネルギーによる発電を加速させ、スマートグリッド(電力の流れを供給側、需要側の双方から制御できる送電網)で結ぶというもの。消費電力の最適化だけでなく高齢者世帯の見守り、道路や橋梁など公共施設の状況の把握、防災体制の強化等にも役立てる。
事故を起こした福島県で、そういう新しいエネルギー作りを推進するという意味では良いごとなのかもしれないが、それが即スマートグリッドとか、スマートシティという概念になることに私は非常に危惧を抱いている。
結局、再生可能エネルギーを大義名分にして、各家庭の監視を進めようとしているだけではないかとも考えられる。
原発から再生可能土ネルギーへのシフトは不可避であり必要だとしても、それを口実にしたスマートメーター導入のようなだまし討ちを受け入れないということが大事だと思う。
マスコミがなかなかスマートメーターの話題に乗ってくれないが、マスコミは監視社会についても共謀罪だとか政府が思想信条に直接介入するやり方についてはそれなりに報道する。
しかし、スマートメーターに限らず、エレクトロニクス、機械とか、民間マターの監視社会問題には、非常に鈍い。大きな理由のつは、やはり広告だろう。
原発商題のときに電力会社の広告の問題がかなりクローズアップされたが、IT関連には、広告の問題が非常に大きく働く。マスコミ報道を一概にバカにしてはいけないが、あまり当てにするわけにもいかない。いろいろな形で運動を進めていく必要があると思う。
生き方の問題ではないかというのは私なりの考え方なので、皆さんがそれがに共感してくださるかどうかは分かりませんが、そういう考え方もあるだろうということで、私からの話は終わります。ありがとうございました。【まとめ・網代】
『電磁波研会報第 112号』(2018/5/27)
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