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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

安倍政権下での初めての教科書採択

2015年07月04日 | こども危機
  2015年中学校教科書採択に向けて
 ◆ 有利な条件を大いに生かし、できることは何でもやる
   育鵬社・自由社教科童の採択阻止!

俵 義文(子どもと教科書全国ネット21事務局長)

 ◆ 有利な条件を最大限生かそう
 今年の採択ははじめて安倍政権の下で行われます。
 安倍政権・自民党が全面的に育鵬社・自由社教科書の採択を支援し、38,000会員と240の支部を擁する日本会議、日本会議国会議員懇談会の280人(衆参両院の40%)の議員、1,800人超の日本会議地方議員連盟などが、「戦争する国」づくり、グローバル企業の「人材づくり」をめざす教科書の採択を推進しています。過去4回の中でも一番厳しい情勢の中で採択が行われています。
 しかし、私たちの活動について、有利な条件も多く生まれてきています。次に紹介するような条件、材料を最大限有効に活用し、育鵬社・自由社教科書を全国581採択地区のどの地域でも採択させない取り組みを展開しましょう。
 ◆ 首長は教科書採択に介入できない
 2015年4月22日、衆議院文部科学委員会では極めて重要な質疑・答弁が行われました。
 文科省・小松親次郎初等中等教育局長は、畑野君江議員(共産党)の質問に対して、新地方教育行政法のもとでも、首長が特定教科書を押しつける権限は一切ないと答弁しました。
 さらに局長は、教科書採択は教育委員会の固有の権限であることから、教育の「大綱」に「教科書採択の方針」が掲げられた場合も「教育委員会には尊重義務はない」としました。「大綱」に関して、「明らかに特定教科書会社1社の教科書を採択するとしか解せないような方針を記載するということは、…(略)…、行なうべきでない」と答弁しました。
 日本教育再生機構(「再生機構」)・「教科書改善の会」、新しい歴史教科書をつくる会(「つくる会」)などは、新教育委員会制度の下では、教科書採択の方針は協議できるのでそれを通じて、「教育基本法・学習指導要領に最も適合した教科書の採択」「歴史と郷土を愛する教育を行う」などと書き込めば、育鵬社・自由社教科書が採択されやすくなる、「『大綱』に示された方針に従って教科書を採択しなければならなくなった」と宣伝しています。小松局長の答弁は、こうした主張が嘘であることを明らかにした重要な内容です。
 ◆ 教員の調査意見には評定や順位付けもできる
 同文科委員会で下村博文文科相は、1966年に日本政府も賛成して採択されたILO・ユネスコ共同の「教員の地位に関する勧告」の教科書採択に関する部分を政府として尊重すると答弁しました。
 この勧告では、教員は「教科書の選択ならびに教育方法の適用について不可欠な役割を与えられるべきである」と指摘しています。下村文科相は、この部分も尊重されるべきだと答弁したので、教科書採択において教員の意見を十分尊重しなければならないと答弁したことになります。
 小松局長は、教科書採択は「綿密な調査研究を行った上で、採択権者である教育委員会等の権限と責任において行う」「この調査研究に当りましては、幅広い意見を反映させるために、通常、教員、学校の先生方や保護者の方を初めとした調査員が選任されておりまして、その観点からは…(略)、必要な専門性を有し、児童生徒に対して直接指導を行う教員が果たす役割は決して小さくない」と答弁しました。
 さらに、小松局長は、「調査員たちが例えば順位付けも含め評定を行なうことは禁じていないのでは」という質問に対して、「順位付けや評定を付す」ことについて「不適切ではない」と認めました。
 また、採択手続きの一環として行われる教科書の調査研究の観点について、「『大綱』によって拘束されることはない」と述べました。
 現在、東京都などでは現場教員の教科書の調査研究報告について、順位付けはもとより評定も禁止するような指導が行われています。
 この小松局長答弁を教育委員会に伝え、こうした指導をやめさせ、教員の調査報告が評定や順位付けを含めて具体的に教科書の良し悪しが明確にわかる内容になるよう働きかけましょう。
 ◆ 教育委員が恣意的な考えで教科書を採択してはいけない
 前述の下村文科相や小松局長の答弁は、教育委員会は、専門性をもつ教員などの調査員に綿密な調査研究をしてもらい、「あくまで、調査研究の結果を踏まえつつ、採択権者が、責任を持って採択する教科書について判断すべき」「調査研究の結果を十分に吟味し、審議を行うことが必要」ということです。
 この答弁によれば、教員など調査員の調査研究を無視したりないがしろにし、前回の横浜市八重山地区などのように、調査結果に反する教科書を教育委員が投票などで恣意的に選定することはできないということです。
 以上は、「第189回国会衆議院文部科学委員会議事録第6号」からの引用です。このような国会審議の内容を教育委員会に伝えていきましょう。
 ◆ 安倍政権の暴走に反対する運動の発展
 安倍政権の暴走はますます激しくなり、特に教育分野の暴走は急テンポで進んでいます。
 しかし、安倍政権と国民との矛盾は拡大しています。安倍政権のアキレス腱である靖国参拝や「慰安婦」問題などの歴史認識問題では、国民はもちろん国際社会との矛盾が深まっています。
 さらに、「戦争する国」をめざす戦争法案をはじめ、原発再稼働・推進、消費増税、TPP参加、労働法制改悪、福祉切り捨て、子どもの貧困問題など、どの問題をとっても、安倍政権の政策は賛成よりも反対が多いという世論調査結果が出ています。
 そして、安倍政権の暴走に反対し、戦争法案・憲法改悪反対、脱原発、「秘密保護法」廃止、消費増税・TPP反対、社会保障改悪反対、労働法制改悪反対、「慰安婦」など歴史認識に関わる運動などは、各地でそして全国的に大きなたたかいが発展しています。
 特に、14年7月1日、安倍内閣が憲法9条の下でも集団的自衛権の行使が可能だと解釈を変更する閣議決定を行って以降、「戦争する国」に反対する世論と運動は大きなうねりになってきています。
 こうした動きに対して、「解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会」、「戦争させない1000人委員会」、「戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター」がつくられ、当初は別々に運動していましたが、7月1日の閣議決定前後から共同行動が行われ、3組織が合意して、14年12月、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」(総がかり行動実行委員会)を結成しました。
 こうした運動の中から、今年の5・3憲法集会は「総がかり行動実行委員会」を中心に「平和といのちと人権を!」のスローガンの下に、様々な要求で活動する広範な組織によって実行委員会がつくられ3万数千の人びとが参加しました。
 子どもと教科書全国ネット21や「安倍教育政策NO!ネット」もこの実行委員会に参加し、5・3集会ではリレートークで教科書採択問題を訴え、教科書問題のブースも出しました。
 そして、「総がかり行動実行委員会」は、前述の3組織にプラスして、5・3集会実行委員会の広範な参加団体を加えて(子どもと教科書全国ネット21なども参加)、一種の統一戦線的な市民運動組織に発展し、そこに結集した組織によって、「戦争法案」反対の運動が展開されています。
 ◆ 安倍政権の「戦争法案」反対運動と教科書採択問題との連動を
 教科書採択は全国581の採択地区ごとに行なわれるので、全ての地域で「育鵬社・自由社教科書NO!」の運動が必要です。
 教科書採択問題は地域の「草の根」の運動が決定的に重要です。今年の教科書採択は、「戦争法案反対」の運動と時期が重なります。
 この二つの課題は共通のものであり、育鵬社・自由社教科書反対と戦争法案反対の運動を結合して、地域と全国を結びつけて、たたかいを展開すれば必ず展望は開けます。
 安倍政権を追いつめ、戦争法案を廃案にし、育鵬社・自由社教科書の採択を阻止することは可能です。
 私たちは、教科書採択問題と戦争法案反対の運動を連動させ、連帯・共同した運動を進めましょう。(たわらよしふみ)
『子どもと教科書全国ネット21ニュース 102号』(2015.6)

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