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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

足立区学力テスト不正報告

2008年01月09日 | 平和憲法
「2007東京の教育 争点と真実 12・9集会」資料

 ▲ 「学カテスト」に翻弄された足立区の学校と子どもたち
2007年12月9日 都教組足立支部RI

1.足立区の「学カテスト」不正問題とは…

①2007年7月8日に不正が発覚
 2006年4月の区学カテストで
 ・校長はじめ複数の教員が、児童の答案を指差して誤答に気付かせた。
 ・ほぼ同じ問題が出題された前年どの問題を、テスト直前の授業時間を使って繰り返し練習させた。
 ・3名の児童の答案を抜き取り、採点対象から除外した。
 その後の区の調査で「指差し」以外は他の数校でも行われたことがわかった。
②9月11日には区教委自身の「不正」行為が発覚
 2004年12月21日に、翌月実施予定の都の学カテスト問題を事前配布し、「不正誘導」行為を行ったことが判明
③区教委が調査結果と、今後の方針を発表
 ・学カテストは継続、順位の公表とテスト結果による予算査定はやめる

2.不正をうみ出した足立区の教育行政 -教育改革のデパート-
 国と都の「教育改革」先取りと実験場に

①「教育改革第1ステージ」
 2000年「教育改革元年」
 ・千住地域の学校統廃合強行(小11校を5校、中5校を3校に)
 2002年
 ・学校選択を全区完全に自由化、学校間の児童生徒獲得競争始まる
 ・「開かれた学校づくり協議会」全校に設置
 ・五反野小、文科省コミュニティースクール実験校指定
 2003年
 ・「特色ある学校づくり予算」スタート
②「教育改革第2ステージ」
 2004年
 ・全都一斉学カテスト開始(2月) 6月に23区最下位判明、学校別の平均点を公表「下位校」校長を呼び出して教育長が学力向上策を義務付け
 ・学校2学期制開始 授業時数確保至上主義、学校行事やせ細る
 2005年
 ・学校の第三者評価機関として学校支援委員会を設置
 ・区独自の学カテスト開始(小1除く全学年で実施)、学校ごとの平均点を順位をつけて公表
 ・習熟度別授業推進の為の特別講師制度発足
 2006年
 中教審や文科省の進める「教育基本計画」を先取りして策定
 ・小中一貫校として、興本扇学園開校
 ・学力向上プロジェクト(区が指定した地域で実施)に学習塾講師を派遣
 ・「特色ある学校づくり予算」を拡大し、学カテスト成績で査定する方針を発表
 2007年
 ・学カテスト伸び率などをもとに査定した「特色ある学校づくり予算」を実施

3.学カテスト至上主義によって歪められた足立区の教育
①やせ細り歪められる教育活動
 ・授業時数確保の為、運動会、学芸会や文化祭の準備時間が削られ、中身がやせ細ってきている。→「最近、学校行事がアリバイ作りのようになってしまって、親の目から見ても学校に魅力を感じなくなった」と言う声も。
 ・小学校では入学式を始業式の後、午後に行う。入学式に出席する子たちの昼食をどうするかが問題に。
 ・小学校の朝や放課後の自由遊びの時間に朝学習や補充教室が設定され、学校から子どもの歓声が聞こえなくなった。
②傷つけられる子ども・教師
 ・「足立区って、23区で一番バカなんでしょう?」「部活の大会でバカ学校と言われた」「どうせまたビリだろ?!やる気がしない!」
・「先生がウソや不正を教えれば、子どももウソ、不正を覚える」「自分の力を知る為にテストを受けるので、学校の順位や予算の為にじゃない」「こんなことをやる為にやる為に教師になったのではない」忙しさと悩みの中で健康を害する教師が続出。休職者や現職死(ここ数年毎年5人前後)、途中退職者の増加

4,不正告発とゆきとどいた教育実現に向けたたたかい
①昨年度の教育基本法改悪反対で、区内民主団体の共同行動が発展
 ・区民集会(1000名規模)や駅頭宣伝、国会要請などで教育に対する関心が高まる。
 ・学校予算を査定する為の「学カテスト結果によるランク表」を区民の抗議で撤回させる。
②都教組足立支部が、第1回の学カテストから実態を調査し、5月に記者会見を行い、問題を告発。これが報道のきっかけに。
③区内の小中学校の父母による「足立区の学校教育を考えるネットワーク」の頑張り
 ・学テ結果の公表や予算の格差付けをテーマにシンポジウム。ー万筆に迫る署名提出。
④区内各地域で学カテスト問題を中心に教育懇談会を開催(延べ200人の参加)
⑤区内各団体で実行委員会をつくり、12月1日に第11回足立教育大集会(180人参加)少人数学級実現をはじめとする区民の教育への願いを区に届けるため、今後も協力し合うことを申し合わせ。

5.区長、議会、教育委員会にも変化が生まれてきている。

※あだち広報(2007/10/25)
区民から信頼される学力総合調査をめざして
~足立区学力向上に関する総合調査の今後の方針が決定しました~

東京都学力調査の問題の一部を事前に配布したことへのお詫び

 このたびの調査問題の事前配布については、当時の管理職がことの重大さの認識に欠け、誤解を生むような行為におよびました。
 教育委員会で行いました内部調査では、配布した問題は、厳重に保管され、漏洩(ろうえい)もなかったことが明らかになりましたが、広く区民の皆様に、ご心配をお掛けしたことを深くお詫びいたします。

http://www.city.adachi.tokyo.jp/030/pdf/d00400107_1.pdf

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