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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

役所も保健所も非正規化され、医療・介護現場の人不足・モノ不足は深刻化

2020年05月05日 | 格差社会
  《「労働情報」VOICE》
 ◆ パンデミックといのちの現場
白崎朝子(介護福祉士・ライター)

 3月、デイサービスの休業で非正規職員の女性が無給になった。子どもがおらず国の助成も対象外。
 介護現場で賃金補償問題がおきている。事業所側も廃業を余儀なくされる可能性が……。
 家族の解雇等で、利用者負担が払えずサービスを減らす要請も後をたたない。
 職員も感染予防に神経をすり減らし、雇用不安から怒りの矛先を利用者に向ける。
 いままで以上に家族や職員による虐待が増加するだろう。

 医療・介護現場のマスク、消毒液不足は深刻だ。
 旧財閥系A社には消毒液も潤沢で、マスクは一人100枚支給された。だがA社の契約社員の友人が土日働く病院の夜間受付にマスクは支給されない。
 3月末、利用者百人の施設や訪問介護事業所等に、厚労省から布マスクが5枚送付され、厚労省の無策ぶりが露呈した。
 役所も保健所も非正規化され、防疫対策をできる人が少なく、物資が後回しにされているという。
 千葉の知的障害者施設での百人以上の感染等、施設での感染拡大が深刻だが、詳しい報道はない。
 4月初旬、ある障害者支援施設の施設長が発熱したがPCR検査を受けられない。施設長代理は「クラスターになるのは時間の問題」と言う。
 コロナショックは、弱者を虐げてきた構造的暴力を、地球規模で顕在化させた。
 人類とは、いのちを常に殺戮し続けてきた歴史的存在だ。
 自律した生命体として、いのちを尊重するシステムを再構築できるのか?
 いま人類は、その重大な選択の岐路に立たされている。

『労働情報 No.993』(2020.5)

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