
「自未得度先度他」という禅の言葉を
「心を鍛える言葉」(白石豊著)で知りました。
「自分が先に渡るのではなく、まず他人を渡そうというこころを持つ」
という意味だそうです。
著者はこの言葉をご自身の仕事と照らし合わせて解釈をしています。
「一般に、一所懸命に勉強したり練習したりするのは、
自分が良くなりたい、
つまり向こう岸に先ず自分が渡りたいと思う気持ちから。
それはそれで構わないが、
人を教え導く道を歩こうと心を発した人は、
それだけではいけない。
コーチになりたての人のほとんどは、
もっと勉強し、
もっと経験を積んだら、
立派な指導ができると考え、
自分の技量を伸ばすことに懸命になる。
そうした努力はとても大切だが、
どこまで向上したら人を渡すことができるのだろうか。」
とても分かりやすく、ドキッとさせられる言葉です。
目の前に困っている人がいるのに、
自分の能力が足りないからと
手を貸さずに通り過ぎることもできる。
自分の能力が低いと思っても、
その能力の中で、
相手のために自分の持つ能力を最大限に発揮する。
自分を犠牲にして、相手のために頑張るというのではない。
自分と同じぐらい相手のことを考え行動できる心を持つということ。
どちらの人生の方が充実するのだろうか。
自分の能力が高まったら、相手を助けることができる。
能力が高まるまでは・・・と思っているうちは、
自分のことが優先されているのですよね。。。