お地蔵さまな夜

2011-12-21 | 奈良旅記




 

いろいろと面倒な事も沢山で
疲労困憊中でございます。

そんな夜は、お気に入りのお地蔵様を眺めています。
「それ、自分で作ったの?」と聞かれますが
誰か知らない人が作ったもので、出所は不明です。

奈良でのお話やら、書きたい事はたくさんなのですが。。

ぼちぼちやっていきますです。

このお寺&仏様ブログもほんの数名のありがたい人が
楽しみにしていてくれてる事が判明しておりますので、
まだまだ続けさせて頂こうと思います。

ではまた。ごきげんよう。




空気をたのしむ

2011-12-14 | 奈良旅記


室生寺の五重塔は、このアングルが最高です。
人も居なかったので、石段の下に座って眺めてました。

屋外に立つ五重塔としては日本で最も小さく、法隆寺五重塔に次ぐ古塔なのだそうです。
このコンパクトさが、周囲の巨木たちに囲まれてとても風情があります。
数年前に台風で杉の木が倒れ損傷しましたが、今は修復され美しい姿を取り戻しています。

と、突然、室生寺に戻りました。
この写真を見逃していた事に気づいたもので。

お寺や神社、仏像や遺跡趣味は、あまり興味のある人はいないだろうと、
長年ブログでは封印していたのですが、
困ったもので最近は、頭の中にその辺の事しかないのです。

今年、僕の身の回りで起こった事も影響しているのだと思います。
宗教どうこうは抜きにして、日本人である自分の根っこにある何かが
完全に目を覚ましたようです。

静かに、長い年月、人々の思いを受け止めてきた場所で、仏様の前に座り
手を合わせる事が、今の僕には特に心地良くありがたい時間なのです。

僕は、仏像の事も仏教やその歴史の事もあまり詳しくはないのです。
仏像の作者や様式の違いなども同様に。

ブログに書くにあたっては、ちょっと調べたりして頑張ってます。
本なども沢山読みはしますので、知る事で更に好きになったりもしますけどね。

なんだろうか、ただ眺めていたいのですね。
素晴らしい仏様を前にすれば、あれは本当に無心ってやつです。
「あぁ、あの造りは○○時代だな」みたいな事は全く考えませんもの。

余計な情報はあまり必要ではないのです。
そこに流れる何百年の空気があるのですもの。浸りたいのです。

仏様に手を合わせる時も、僕は何もお願いはしません。
意図してそうしてきた訳ではないのですが、いつの間にか。
「よろしくお願いします」「ありがとうございます」なんて事を呟いてます。

今日のブログは、一体全体何を書きたかったのか
さっぱり分からなくなってきましたので、寝ようと思います。

おやすみなさい。





奥へ…

2011-12-04 | 奈良旅記
(始めにお断り : 長いです。。)


消えてしまった前回の続きになります。

格安レンタカーで、営業車の様な白い初期型SWIFTをお借りして、
ホテルの駐車場に持って来た初日の夜。
翌日は早起きをして少し遠出をします。

ところが、あんなに疲れたのに気持ちが高ぶり、
よく眠れないまま早朝5時半起床。

6時半、前夜に買っておいたパン2個とお茶を持って出発です。

目指すは、僕の奈良憧れのお寺のひとつ。
奈良盆地の東方、三重県境に近い室生の地にある山岳寺院「室生寺」です。

ここは、本当に本当に訪れてみたかった所。
ゆっくりと見たいので電車&バスではなく「朝一で車」を選びました。
バスなんか1時間に1本位しかありませんし、朝は9時以降になってしまうのです。

早朝の朝焼けが美しい奈良を胸躍らせながらドライブ。
「邪魔だぞ、観光レンタカーめ!」な、乱暴大型トラックの圧も、
今の僕の心を乱すことはありません。

少し紅葉な山々を走り1時間30分。
途中、急カーブの度にカーナビの電源ソケットが抜けるという
困った事態で道を間違えましたが、朝早くほとんど車の走っていない山間部なので、
奈良市内からは丁度良いドライブ時間でした。

僕の通ったコース

 

まだ係りの人すら居ない駐車場に車を停めパンをひとつ。
拝観時間は8時からなのでのんびりです。
車のドアを全開にして、こちら側と室生寺のある山の間を流れる川の音と
風に揺れる木々の音に浸ります。

パンも食べ終わり、いよいよ川を渡る橋を目指して歩きます。



橋を渡ったところはまだ封鎖されていたので、川を眺めて待っていると
のんびりと現れたおばさんが、どうぞどうぞと開けてくれました。

 

受付を通り仁王門をくぐると美しい階段です。
この室生寺、最終的に奥ノ院まで行く場合は700段以上の階段を登る事になりますので
覚悟が必要です。その分、おかげで得られる感動も大きいですよ。

  

階段の上には金堂と弥勒堂があります。
金堂は、建物の前部が斜面に張り出し、
床下の長い束(つか)で支える「懸造」と言われる建物で、
山岳寺院らしい独特なものです。
中には十一面観音立像(国宝)、文殊菩薩立像(重文)、本尊釈迦如来立像(国宝)、
薬師如来立像(重文)、地蔵菩薩立像(重文)、十二神将立像(重文)と、
とんでもない有名どころが安置されております。

  

弥勒堂は、厨子内に本尊弥勒菩薩立像(重文)、釈迦如来坐像(国宝)と、
こちらも素晴らしいもの。

しかし、今は僕はこのスーパー仏像を我慢し目指さなきゃいけない場所があるのです。

奥の院。

石段をこれでもかと登らなければ辿り着けない室生寺最深部。
板葺き二段屋根の宝形造りの御影堂(弘法大師を祀る)や
金堂以上に激しい懸造りの「位牌堂」、石造七重の塔等が見られます。


金堂、本堂、五重塔を通り、奥ノ院への道へ。
暖地性シダ(羊歯)の群落(わが国の北限にあたるため天然記念物に指定)が広がる無明橋を渡ります。

    

さぁ、気の遠くなる石段であります。。
息を切らせ、途中のいくつもの石仏に手をあわせ進むと、
上の方に、石段を一段一段ほうきで掃いているお年寄りが。
奥の院への道で初めて見る人の姿。



年齢半分以下であろう僕がハァハァ息を切らせ挨拶をすると、
「お早いですね、もう少しですよ」と優しいお言葉。
彼は、何十年もほぼ毎日、こうして一段一段ほうきで掃きながら奥の院に出勤?するのだそうで、
雪の日には背中に20キロの凍結防止剤を背負い、撒きながら登るという話を聞き、
もう僕はすっかり土下座気分でした。。。

少しお話して「先に登らせて頂きます」と頭を下げ進む。
負けてたまるか!と、気持ちは少し強くなってますのでね、一気に。

登って登って見えてきた位牌堂の下部。
迫力あります。すげぇもん造るなぁと感動。

  



ハァハァ揺れ揺れの動画ですが雰囲気だけでも伝わるかも。


そして到着した奥の院。
本当に小さな場所。若い僧がひとり、扉を開いたり掃除をしたり忙しそう。
納経所の横には親切に休憩所があり、リュックを下ろして一休み。

   

静か。 本当に静か。

暫くするとさっきの掃除のお爺さんも到着。
「今日は弘法大師様の命日だからね、御影堂を開きますよ。いらっしゃい。」
と呼ばれ、御影堂の扉を開き、灯りを燈すのを見守ります。
揺れる灯りに浮かび上がった弘法大師像は、美しかった。。



今日がそういう日である事は、僕は何も知らなかったので、とても運が良かった。

誰ひとり登ってこない奥ノ院で、弘法大師様や位牌堂の回廊からの景色を
ゆっくり楽しむ事が出来ました。

 

実は室生寺は、生前父と、寺や神社の話をしている時に父の口から出たお寺で、
とても行きたそうだったのを覚えていたのです。

僕自身も憧れでありましたので、今回の旅では絶対に外せない場所でした。
朱印集めをしていた父にここでも朱印を頂こうと若い僧に尋ねると、
「少々お待ち下さいね」とどこかへ。

(誰もいないからここでは貰えないかな)と待っていると、
納経所の中に現れたのは制服?に着替えたさっきのお爺さん!
「どうぞ~」って。

後でお話して分かったのですが、このお爺さん、18歳で室生寺の職員となり、
3代の管長に仕え、今は奥の院の専属となり朱印を書き続ける歴史のあるお方なのでした。。
とても気さくで優しい方で、お話をしながら素晴らしい朱印を書いて頂きました。



父が亡くなって、行きたそうだった所を巡ってますって話をしたら、
「そうかそうか、じゃあちょっと待って」と、半紙を取り出し、
「お父さんに持って行きなさい」と、時間をかけてお言葉を書いて下さりました。
もう嬉しくて鼻水が止まりませんでした。。。




偶然の弘法大師さまと、楽しい会話と、素晴らしい父へのお土産。

「ありがどぅございますぅ」と鼻水を流す僕は、
微笑むお爺さんと苦笑いの若い僧に見送られ、奥の院を下りるのでした。

このとても大きな幸福感を、帰ったら父の事務所に話しに行こう
なんて思ってしまったりして、少し寂しくもなりながら。


帰り、杖を持ったおばあさんが二人、奥の院に向かっていました。
心配で声をかけると、「頑張ってみる」とニコニコ。
「今日は弘法大師様が観れますよ」と言うと、
「それはありがたい!」と喜んで歩いて行きました。

  


やっちゃったな。。
まだ仏像も観てないのに記事のこの長さ。。。
すいません、ほんと、とうぶん続きます。。




以前流れたJR東海のCM。素敵です。



幻。

2011-12-02 | 奈良旅記
昨夜、必死に書いた記事が数時間後に消えてしまいました。。

「皇太子さま、海龍王寺、法華寺の巻」は幻となりました。

写真とか大変だったのにィ!

チキショー!

もうやめた!

おやすみなさい。














唐招提寺へ

2011-11-29 | 奈良旅記
前回から始まった奈良旅行記ですが、早速時間が開いてしまいました。。
どうぞ長い目でお付き合いを。。

ちょっとペースアップしていきます。

西大寺駅から西ノ京駅へ。
ここもまだ京都側からみて奈良駅より手前になります。

駅から徒歩3分程ですぐに薬師寺に到着します。
薬師寺の門を横目に、一本道を10分程歩けば唐招提寺。



千手観音を早く拝みたくて、薬師寺は後回し。
迫力のある柱が見えて南大門到着。



門をくぐると正面に簡素で美しい金堂が。
じゃりじゃりと歩きにくい玉砂利を進み、いよいよです。



中央の像高三メートル超えの本尊・盧舎那仏坐像。
東方に薬師如来立像。
西方に十一面千手観世音菩薩立像。
本尊の脇には等身の梵天・帝釈天立像。
四方には四天王立像が守護しております。

もう、言葉がありませんでした。
後で待っている人も居ないので、随分長い事拝んでいました。

やっぱり、42手で表される事の多い千手が、
本当に1000本(現在は953本)で表され、
5メートルを超える千手観音の迫力ときたら凄い。

隣にいらっしゃる本尊・盧舎那仏坐像の光背の千仏864体の
凄さもとてつもないのですが。。

本当に来て良かった。。無理して良かった。。。
半泣きの僕は、次の目的「唐招提寺のトルソー(木造如来形立像)」や
数々の破損仏がいらっしゃいます「新宝蔵」へ向かいます。



僕は破損仏が大好きなのです。
頭や腕を失った仏像の前に立つと、痛々しくはありますが、
こうなるに至ったいろいろな物語を想像できるのです。
「如来像であろう」とされる「唐招提寺のトルソー」は本当に美しいお姿でした。



堪能した僕は、すっかり疲れてしまいまして、
朱印をお願いしてぐったりと座り込んで暫し休憩。




心地良い疲労でした。



でーーん!!

興味ない人、本当にごめんなさい。
とうぶんこんなです。。


◎仏像の写っている画像は、ポストカード等から。

地図




京都⇒大和西大寺⇒秋篠寺

2011-11-26 | 奈良旅記
11月20日、早朝6時50分の「のぞみ」に乗り京都へ。
今回の旅は、京都への用事がきっかけでありました。
なんと交通費が往復で頂けるという事で、
「せっかくだから病」を発症した僕は、奈良へと向かったのでありました。

お昼前には京都での用事も済み、
普段なら大喜びなはずの京都から、すっかり気持ちが離れていた僕は
すぐさま近鉄特急の1号車(今どき喫煙車両)切符を買って出発。
京都でお世話になった方の協力で、宿も平城京跡のすぐ横に取れていたので
とりあえず「近鉄奈良」までは行かずに、手前の大和西大寺で下車。
バスに乗り噂の伎芸天さまに会いに秋篠寺へ。




直前まで雨が降っていたので、苔庭も有名な秋篠寺に行くには絶好だぞ。
などとワクワクと住宅地にひっそと佇む門を行きます。




うむむ、苔はやっぱり美しい。嘘みたいなミドリ。
のんびり5分ほど歩いて、いよいよ伎芸天さまの待つ本堂へ。



しかし、なんだか浮ついている己に気づきまして、
このまま本堂に入るわけにはいかぬと脇のベンチで一休み。
少し色づいた木々を眺めたり歩いたり。
僕以外にいるのは、若いカップル一組のみで、彼らは本堂の中には興味は無いらしく、
紅葉を探してきゃっきゃと写真を撮って帰っていきました。




僕ひとりになり、心も落ち着き、いよいよ本堂へ入ります。

本堂には本尊の薬師三尊像、十二神将像、地蔵菩薩立像、帝釈天立像等
素晴らしい仏像が並んでおります。


(当然撮影はいけません。)

その中で、うっすらとライトの当たった伎芸天立像の美しさに目も口も開ききりました。
「しなやか」でなんとも言えない優しいお顔。

う~ん…

これを言っちゃアレなんですけども、
仏像の感動を言葉や文章で伝える術など、僕には全くございませんでした。
すいません。

僕の文章力の未熟さもありますが、
やっぱり「そこで」「拝む」まで、本当の魅力は感じる事が出来ませんもの。。

ですので、これからとうぶん書くであろう僕の奈良ブログを読んでくださり
興味惹かれるお寺や仏像がありましたら、是非直接足をお運び下さい。
そして感動を語り合えれば嬉しいです。





で、
伎芸天さまの目前に腰掛けた僕は、数十分釘付けになっていました。
本堂から出た時のあの気持ち、、もうバスに乗らず歩いて駅まで戻りましたさ。

一発目でこの感じ。
もう、心躍るとはあの感じの事を言うのでしょう。

さて、「西大寺駅」に戻り、次はまだ奈良駅手前の「西ノ京駅」へ。
待っているのは薬師寺唐招提寺

特に金堂平成大修理も無事終えた唐招提寺の
あのヤバい千手観音立像は楽しみ。


では次回!




秋篠寺と伎芸天さまが見られる動画がYouTubeにありました。



ひとり、岩船寺の鐘を打つ

2011-11-24 | 奈良旅記



京都と奈良の境の山間部。浄瑠璃寺から山道の石仏を巡りながら
日ごろの不摂生ですっかり弱った足腰の為、白目をむいて辿り着いた岩船寺。
人も少なくとても素敵なお寺です。

平安時代の本尊阿弥陀如来坐像、普賢菩薩坐像
鎌倉時代の十三重石塔や五輪塔
室町時代の三重塔

堪能後、木々の中に佇む鐘を打たせて頂きました。
その後、更に山を登り、僧を集めるためにこの上で法螺貝を吹いたという貝吹岩へ。
突然開ける景色がとても気持ち良く、暫し身体を休ませて頂きました。
しかし本当に誰も居なかったです。
贅沢。

持っていたMP3プレイヤーに、録音機能がついていたのを思い出し、
試しに録音してみたのですが、結構良く録れていたので、
写真と共に見て聞いてやってください。

因みに、こんな場所にあります。



奈良の旅。 戻りました。

2011-11-23 | 奈良旅記




帰って参りました。

貯金ゼロのダメ人間が、給料日前に奈良に2泊3日という「今」だけを見つめる旅。
毎日しつこいつぶやき、申し訳ありませんでした。
なにしろ一人なもので、お寺に居る時以外は結構暇でして。
「夜は良い所に食事に!」とかは一切無い貧乏旅ですもの。

たったの3日間でしたが、いろいろございました。
後の事を考えると恐ろしいのですが、本当に思い切って良かったです。


僕自身の長年の思いと、父との会話の中で出た「奈良」を巡る旅。
これが今回の旅のテーマでありました。


これから、沢山撮った写真を整理しつつ、ここでのんびりしつこく書いていこうと思います。
お付き合い頂けると嬉しいです。

とりあえず、何故か全身が筋肉痛の様に痛みますので、
今日は、携帯電話で撮った長谷寺の鐘楼で法螺貝&鐘により千年の昔から
絶えることなく続く、正午のお知らせの様子を貼ります。

静寂の山に響く音は、大迫力でございました。
画質も音質も悪い動画では、あまり伝わらないのが残念です。。。