『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

第100回 音楽家講座 in 鶴見 11月26日(木)

2020-11-27 17:24:12 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
日差しも暖かく爽やかな一日となりました。

ガラケイやパソコントラブルもあり、アタフタしましたが、お陰様で盛況の内に記念の100回目を迎えることができました。

先生の技はさらに切れを増し、摩訶不思議な世界。

公式発表は100回ですが、当初のまだ地下組織?だった頃や、最初は秘密だった奥多摩合宿などもカウントするとおそらく150回くらいにはなっているのではないかと思います。

元々、飽きっぽい性格。
フルートと結婚が続いているのも不思議ですが、その次に続いているのがこの「音楽家講座」です。

その理由は、やはり常に甲野先生が進化し続けていらっしゃること、そしてそれが日々加速しているからだと思います。

そして何よりも、参加してくださる方が居らっしゃるからこそ!

こうして100回目を迎えることができ、感謝しております。

今回のお話は、やはり「我ならざる我」

木刀で瞬時に方向が変化する様も不思議な光景でしたが、その折には、「こうして、こうして、こうしよう」と考えてやるのではなくて、
「まあ、このまま真っすぐ行ってもいいのだけれど、まあこっちになるのかな?」

というような幾分曖昧でぼんやりしている心地なのだそう。

また技をかける瞬間というのは「気を失っている」という状態なのだそう。


面白いエピソードとして、アニメ?の映画監督の話を。
今一出来の悪い誰かの新作の映画の評判を聞かれ、

「ああ、良かったですよ」とのこと。不思議がって相手が内容を尋ねたところ、それは実際の作品とはかけ離れた全く違う話になっていたそう。

何故かというと、その監督はその駄作を観ながら、それに刺激を受けて、どんどんと異なるストリーを自分の中で展開作成し、それを観た気になっていたということに。


また、電車の中で他者に暴言暴力をふるい暴れていたヤクザの親分と出くわした養護学校の先生が、自分の生徒の中にも、そういう発作が起きる子供がいることを思い出し、思わずその親分を後ろから抱きしめて

「大丈夫!もう怖くないから!」

親分は何が何やらで鎮まって、という嘘のような本当の話だそう。

人は思いがけないことを言われると拍子抜けしてということなのかもしれませんが、これも、その養護学校の先生程の人間力があればこそなのでしょう。


特に印象的だったのは内臓の話。

「常に今やっていることを否定して、次を探すということが大事なのですが、今思っているのは、おそらく内臓の動きが関連してくるということです。特に腸。」

・・・腸活?と最近はやりの言葉が思い浮かぶも、もちろんそうではない。

「例えば心臓はずっと7同じ動きですが、腸は身体の中で随分と動きまわっているんですよ。それは心にも直結していますね。」

これからの先生、さらに目が離せません。

声を出すことが仕事の方には紐による烏帽子巻き、裸足で参加されたフレームドラムの方には公園でも裸足で、とのご助言。腰かけて足裏でボトルを転がすというのをご助言されました。

ピアニストには、例の「ふともも」と手指への紐。
他には、ギター、能管、歌、等、合計8名の方が受講。

この会場は、響きが良いので、その変化がとてもよくわかる。

大概、演奏している当人よりも、聞いている他者の方がよりその変化が感じられる。

おそらく、演奏者の「実感」はより遠ざかるからそういうことになるのだろう。

先生にご相談したいと思っていたことも能管奏者へのご助言でクリアに。

お陰で、本日また私も新たな境地に。

虎拉ぎをやってそれを持ち運ぶための動きのクオリティーが、より精密に。

たったこれだけのことなのに、フルートの残響がかなり増えるという不思議なこととなりました。


コロナ禍となり、鬱々とすることも多くなってはいるけれどこうした進展があることが生きる励みになっている。

また、参加される方々も、この状況下だからこそ、プロアマに関係なく、音楽を奏で続けたいという熱意と真摯さが、より深まっているように感じます。

それに触れることが、また私の励みになっており、改めて感謝申し上げます。

そして、これからも「音楽家講座」をどうぞよろしくお願いいたします!

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次回は12月15日(火)同会場です。

せっかくの記念の会なのに、ガラケイの調子が悪くこの日は持参していなかったので、写真がなくて申し訳ございません。