『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

おちゅ~る元

2022-07-18 22:26:51 | ピピ

ピピにお中元・・ではなくて「おちゅ~る元」が届きました。




中身は、やや高級なチュールの詰め合わせや猫缶。

「暑ちゅ~るお見舞い申し上げます」というカードも入っていました。

    ・・ここまでやらずとも・・


送り主は息子。

「ピピは、いいなあ~」と夫。

「で、お父さんにはないの?お中元ないの?」

と1時間の間に4回も息子に言っていた。

「ピピの幸せがあなたの幸せなんだから、いいでしょ!」と窘める。

ピピは満足そうに記念撮影。





そして喜びの「へそ天バンザイ」\(^o^)/



私もソファーで、ほぼ同様の姿勢をとっていたため、脱ぎ散らかした部屋履きの竹皮草鞋が写ってしまい失礼しました。


対話

2022-07-16 23:54:27 | 日常
多分、妄想癖が強いのだとは思うのだけれど、

昔から、逝ってしまった人と対話していることが多い。

高校生の時に急逝した父は新聞記者で、「言葉」にはとても煩い人だった。
なので、文章を書く時は、父に相談している様な時もある。

母方の祖父にはよく洋服などを買ってもらっていたので、欲しいものを見つけると
「・・おじいちゃん・・」とかなり勝手な思い出し方をしているし。

着物やアクセサリーを選ぶ時は、いつも母。
2000年に逝ってしまったのだけれど、未だに、
「そんなのやめなさい」とか「帯がそれだったら、帯揚げはこっちでしょ!」という声が聞こえる・・・ような気がする。

そして今日、16日は5月に植村泰一先生が逝かれてから2か月目の月命日。

茫然自失と混乱の時間をなんとか抜けて、ようやく平常心に戻れたのも、多くの方との交流や励まし、学びがあればこそと、本当に感謝です。

今は植村先生とよく対話している。

フルートを持てばいつも、もうすぐ側に先生が立っていらして、いつもの調子で、

「そんなさらい方でいいの?そんな音で始めてしまっていいの?」

と言われているような気もするので、前よりも少しだけだけれど、真面目にやっている。

何を吹いていても、お教えいただいた数々の言葉が蘇ってきて、変な話だけれど、以前よりも、より先生を身近に感じることができている。




夏の着物

2022-07-14 00:31:41 | 着物
どちらも、とても暑い日でしたが、ここまで暑ければ、もう何を着て出かけても一緒!?

とばかりに、夏の着物でコンサートに。

「徹の部屋 第2回」は個人のお宅に隣接した住宅街での昼間のコンサートでしたので、
浴衣を着物風にアレンジ。



このような着方をしたのは初めてでしたが、その快適さに感動。

その上、これは食品を買いに行くスーパーの2階にある呉服屋さんが出店17周年企画ということで、1700円で売られていた浴衣。

でも、綿100%の生地は、パリっとしたコシのあるもので、色もデザインも素敵。
くすんだ大人の水色に、白で大きなアラベスク模様が描かれたもの。
一目惚れでした。

浴衣を着物風に、というのも、そのお店で教えてもらったもの。

今はなんでもアリの時代なのね。

木綿のワンピースと思えば、昼のコンサートであれば失礼にはならないかな、と思いチャレンジ。

パユのソロは夜でしたし、初台オペラシティで、流石に浴衣という訳にはいかないので、久々にちゃんとした夏着物を。

麻と芭蕉布も少し入っているとても涼しい付け下げです。





以前着たのは、もう10年くらい前か?

着るのにエイヤっという気合が必要な着物なので、多分3回くらいしか着ていない。

この透け感のある着物には麻の襦袢じゃないとだめで、その襦袢にアイロンをかけるのが面倒で、ついつい袖を通さなくなってしまった着物です。

半襟も白い麻で、これにもアイロン。

ちゃんとアイロンした麻の襦袢はサラっと気持ちよく、涼しく、着物もそうですが、着物と身体の間を風が抜けていき、中々快適でした。

いずれも、トークのきっかけとなり見知らぬ方とお話したり、知人からは褒めていただいたり、で、自分も元気になれる。

帯と帯締めは両方同じもの。

帯締めは先月、高校同期の「馬場呉服店」の東京での展示会で購入したもので、すっかり気に入ってしまい、定番となりました。

「なんだかなあ~~・・・」

2022-07-11 16:39:35 | 気付き
昨日の素晴らしい響きと演奏に大いに刺激され、本日、気持ちも新たに練習。

今日は、これから初台オペラシティでパユのソロ。

自粛期間中に私もじっくり取り組んできたテレマンのファンタジー。

それに現代曲を挟み込みながら、という面白いプログラム。
この挟み込み方式は、最近の流行り?よくチラシなどでもみかけます。

ということで、アンデルセンのエチュードをやった後、久々にテレマンのファンタジーをさらっていた。

構え方が激変したのはついこの間のことだけれど、未だに安定はしていない。

だって半世紀も、違う発想、やり方でやってきたのだから。

ポンと上手くいくこともあれば、吹いているうちに戻ってしまうこともあり、で特に楽譜に馴染みのないアンデルセン(そういう理由で最近さらっている・・)など吹くと、もろに破綻する。

そんなこんなで、ファンタジーの4番まできたところで、水を飲みながらふと考えた。

「そうだ!そもそも左手の位置が違うんじゃないか?」

これがどんぴしゃりで、ふっと楽器に当てる、それこそ半世紀ず~~っとそうやってきた左手の位置を変化させると・・

これまでの違和感や不安定さが解消され、さらにはブ~~ンという感じで鳴るロット。
改めて、本当に、この笛は何処まで変化するのだろう?と毎回驚かされている。

そして、左手だ。
まだしばらくは、色々修正が必要だけれど、多分、今までとの違いは3ミリくらいのもの。それでこれ程変わるのだから、これまたあっけにとられる他はない。

こんな時は、もう「なんだかなあ~~・・」という言葉しか出てこない。

隙間の2時間くらいだったけれど、お稽古してみて良かったです。

パユは、最初の頃は、全く関心がなかった。
金のラファンの頭部管でドヒャ~っと吹くのを聴いて、そりゃあ、凄いんだけれど、私には関係ない世界の音楽かな、と。

でも、その後、楽器も替えて、趣味も変わってきたと聞いている。
ということで、今夜は、とても楽しみです。



『徹の部屋 第2回』

2022-07-10 20:49:58 | 音楽・フルート
2019年の王子ホールでのリサイタルや、その後の数々のコンサート、CD録音等でお世話になったチェロ・山本徹さん自主企画のコンサートにうかがいました。

その名も『徹の部屋』。


https://4c99db93-3aa3-45b8-bf85-a1662f8ee050.filesusr.com/ugd/7d3033_eb527efc81df487aa8a4612ef0c78d96.pdf

小さいけれど、音響や空調設備のしっかりとした美しい秘密基地の様な会場。

本当に久々に聴いた山本さんのチェロの響きに心身洗われました。
とても懐かしい響き。
そして、お会いしなかった、この3年の間、大きく進化されているのを感じました。
熟成が進んだという感じ。

後輩の御二人、リンクス・コンソート(チェロ:山根風仁、チェンバロ:山根友紀)
も素晴らしく、瑞々しい響き。

その年齢でないと出せない若さの魅力溢れる音というのもあるのだなあ、と感じたのは自分が年を取ってきた証拠かも。

良いアンサンブルでした。

ボッケリーニのみのコンサート。

フルート作品もあるにはあるけれど、あまり馴染みがないし、演奏される機会も少ない。
正直、あの有名な5重奏の中のメヌエットのフルート編曲版くらいしか知らない。

でも、チェリストにとっては、外せない重要な作曲家。

ボッケリーニの魅力に開眼。

モーツァルトやハイドンと同時代なのだけれど、一人時空を自由に行き来しているような感もある。

バロックぽいな、と思うと、急にロマンティックになったり。
そこらかしこに、人を喜ばせる仕掛けもあり、本当に面白かったです。

ボッケリーニ自身が手練れのチェリストだったので、その楽曲はどれもかなりテクニカル。

ガット弦の響きはダイレクトに細胞が振動する。
チェンバロともとても調和して、新たな響きの相乗効果となる。

エンドピンなしでの演奏だったこともあり、奏者とチェロとが共にダンスしているようでした。

「癒す」という言葉は、本来良い言葉なのだけれど、あまりに手垢が付き過ぎてしまって、ここで使うのはちょっと違うかな?

でも、音楽が人の心身を整え、調和させる、というのは、こういう事なのだろうな、と思う。

しみじみと素晴らしい午後のひと時でした。