ハイリゲンシュタットへは、Uバーン(地下鉄)とバスを乗り継いで行くのですが、
予定に入っていなかったためどの線に乗っていいのか分からず、
仕方ないのでトラムで一度グリンツィングに行ってから
徒歩でハイリゲンシュタットに向かうことにしました。
日本でスケジュールを組み立てていたときに、
グリンツィングからハイリゲンシュタットへは徒歩で30分かかる
という知識を得ていましたが、今回は時間がたっぷりあるので
暇つぶしがてらぶらぶらと歩いてみることにしました。
ということで、ヴォティーフ教会のすぐ近くのターミナル
ショッテントーア(Schottentor)から38番線のトラムに乗ります。
乗り場に着くとちょうどトラムが到着したところでした。
路面を走り、約30分で14:20にグリンツィング(Grinzing)に到着。
当然まだホイリゲ(新酒が飲める造り酒屋)に入るような時間ではないので
私達以外に観光客は皆無でした。
とりあえずハイリゲンシュタット(Heiligenstadt)方面(東)に向かって歩きます。
ようこそグリンツィングへ、という看板。
ワイン樽を模した看板にぶどうマークが付いています。
しばらく歩いてベートーベンの夏の家に到着。
ここで交響曲第6番「田園」が生まれたそうです。
地図もガイドブックもなくて、実際に前を通りかかったときは
何の建物か分かりませんでしたがドアの左上についている
プレートとフラッグがどうも観光名所の目印らしいので、
とりあえず写真を撮っておきました(笑)
近くにはベートーベンのレストランがありました。
しばらく歩くとBeethovenhausという看板があったので
それに従って歩いてみることに。
住宅街の細い路地にたたずむ白い建物。
この目印がなければ絶対民家だと思って通り過ぎるような家でした。
門が開いていたので中に入ると中庭があって、
その奥に小さな階段とドアを発見。
入れるのかな?と恐る恐る階段を上ってドアを開けると、正面のカウンターには
芸術家っぽい雰囲気の青年が本を読んで店番(?)をしてました。
お客が誰もいないし、付近も住宅街で人が殆どいなかったので
ほぼ無音状態。シーンと静まり返った世界が広がります。
看板のドイツ語(Beethoven Heiligenstadter Testament Haus)は
「Beethoven」しか分からなかったので、ここは何の施設だろう、と
館内を見回すとどうも遺書の家らしいことが判明したので
2ユーロ支払って中に入りました。
ベートーベンが31歳のときに聴力を失いつつあることを悲観して
2人の弟に宛てた直筆の遺書。
結局はこの遺書の出番はなかったようですが。
ベートーベンの遺品やデスマスクが小さな部屋に飾られている質素な造り。
ヘッドホンがあって彼の曲を何曲か聴くことができましたが、
とても美しい音で、身体に浸み込むような感じがしました。
他には誰もいないし、本当にベートーベンが生きた時代に
タイムスリップしたかのような感覚を覚えます。
カウンターではちょっとしたグッズを販売していて、
ベートーベンの遺書の翻訳版(日本語版を見せてくれたので買う必要なくなった・笑)
や、名曲を収めたCDなどが揃っていました。
あそこで聴いたのと同じCDはあるかと聞いたら、残念ながら
レコードなのでここでは売っていないとのことでした。
アナログだからあんなに優しい音がしたのか、と納得。
でもあの音を記念に持ち帰ることができなくて残念でした
遺書の家を出て通りを進むと突き当たりにちょっとした広場が。
奥に進むと石造りの地図があって、ベートーベン所縁の
スポットが描かれていました。
この広場にあったのはマイヤーの家(Mayer Haus)。
あの有名な第9の合唱部分の構想を練った家です。
現在はホイリゲになっていますが、まだ営業前でドアが閉まっていました
この時点でまだ15:05。とりあえず石の地図を頼りに
のだめでゆうこがジャンからプロポーズされていた
ベートーベンの散歩道に行ってみることに。
Eroica=英雄、gasse=小路。
のだめはこれに触発されてホイリゲで「エロイカ」の指揮をしたのでしょうか?
また観光スポットの標識を発見。これを参考に先に進みます。
ゆっくり歩いて10分ちょっとでベートーベンの散歩道に到着。
本当は森の中の小路らしいですが、冬なので枯れ木ストリートです
でものだめで描かれているシーンはこんな感じ(もっと雪が積もってましたが)の季節感だったので
まあいいかと納得させて散歩道を歩きます。
春の訪れを感じさせる黄色い小花。
この散歩道を歩いていて「田園」の構想が浮かんだとのこと。
散歩道終点の対岸(西を向いて川の左手)にベートーベンの像が。
ここからちょっと大きな通り(ランガッカー通り=Langackergasse)を歩きます。
ここら辺は超高級住宅街で、大きな豪邸と、その前に停められた
超高級外車が目を引きます。
ここも誰も人がいないので、異次元に迷い込んだかのような感覚。
が、しばらく歩くとトラックの荷台から大きな荷物を運び出しているor
荷物を積んでいる人がいて、それを見て一瞬
映画「羊たちの沈黙」を思い出してトラックに連れ込まれたらどうしよう
と思いましたが、相手も奇妙な東洋人二人が接近してくるのを見て
ちょっと怖かったらしく、お互い緊張しながら通り過ぎました(苦笑)
16時前にグリンツィングに戻ってきましたが、まだ人影はまばらです。
とりあえず近くのスーパー(SPAR)で買い物を済ませてから、
結構歩いて小腹も空いてきたのでかなり早めの夕食をとることに。
お店はクチコミで料理が美味しいと評判だったこちらの
ツム・マルティン・セップ(Zum Martin Sepp)にしました。
お店の入口にはシュランメル音楽のライブをやっていることを示すマークが。
折角音楽の都に来てまだナマの音楽に触れていなかったので楽しみに
入ってみたら、ライブはやっていませんでした・・・
冬場は演奏をやっていないホイリゲが多い中、このお店は常に
演奏中とサイト(英語版)に書いてあったのですが、
さすがにこんな夕方からは演奏はありませんでした
店内も、地元民がまばらにいる程度でがら空きです。
とりあえず席に着きます。本来ならウェイトレスさんがやってきて先に
飲み物を注文するのですが、ちょっと待っても来なかったので先にお食事カウンターへ。
ガラスケースの中の食べ物を指差して、
食べたい分だけ選ぶ量り売りシステムになっています。
私が選んだディナー。この後ケーキを食べにいく予定だったので
野菜メインでお肉を控えめにしましたが、この豚バラ肉がとても美味しかったので
もうちょっと頼めばよかったととても後悔しました
妹はチキンをがっつりと。
席に着くと飲み物の注文を取りに来てくれて、早速オーダー。
私はジョッキ入り白ぶどうジュース(モスト=Most)で妹はグラスワイン。
白ぶどうジュースはここのが一番すっきりとした甘さで美味でした
2人合わせた食事代は22.03ユーロでした。
ゆっくり食事を堪能して17:00に店を出ます。
行きと同じく38番線のトラムで市内中心部に戻ります。
トラム車内はこんな感じ。
ショッテントーアに到着して、先ほどは閉館中で入れなかった
ヴォティーフ教会内部をちらっと見学します。
殆ど人がいなくて体感気温は氷点下の冷たい建物。
日が暮れかけていたので有名なステンドグラスを見るにはイマイチでした
市庁舎まで行くと、キレイにライトアップされていました。
昼間とは打って変わってウィーン市民で埋め尽くされた
スケートリンク。見てるだけで楽しくなってきます
ほんのちょっとだけ動画で雰囲気をお楽しみください
一緒に滑ってくればよかったな~
市庁舎を後にして、リンク沿いの歩道を東に進みます。
因みにウィーンには自転車専用道路があるので
間違えて歩いて轢かれないように注意が必要です。
20分ほど歩いて王宮庭園のモーツァルト像前に到着。
すっかり日が暮れてしまいましたが、まだ観光客が集まって写真を撮っていました。
もうちょっと東にあるゲーテ像。
この後は、今回ウィーンで一番楽しみにしていた
ホテルザッハーでのザッハートルテを食べました
さすが高級ホテルで、店内に入る前にクロークで大きな荷物や
コート類を預けなければならず、うっかりダウンジャケットのポケットに
デジカメを入れっぱなしで預けてしまって肝心のトルテの写真が撮れませんでした
携帯写真じゃ全然おいしそうに見えない・・・
砂糖の塊のような味のチョコレートでコーティングされた
しっとりスポンジチョコレートケーキ。
甘酸っぱいアプリコットジャムと、ケーキに添えられたホイップクリームで
かなり甘さが緩和されてとっても美味です
が、一人で1個食べるとかなり気持ち悪くなりました
トルテ(4.9ユーロ)を1個ずつ、飲み物にメランジェ(4.2ユーロ)と
ホテルオリジナルブレンドティー(4.8ユーロ)を頼んで18.80ユーロだったので
チップを含めて20ユーロ置いて出てきましたが、
クロークでも1ユーロの支払いが要求されてなかなかお金がかかりました(苦笑)
この後、ケルントナー通り沿いのザッハーエックという
クロークもないカジュアルタイプのカフェとテイクアウトショップが併設された
お店に行って、自宅用にお土産のザッハートルテを購入しましたが、
字数の関係で詳細は7・8日目の記事に書きます
オペラ座前のバス停から19:00のバスでホテルに向かいます。
今回は最初から0.60ユーロ用意しておいたので支払いは問題なかったのですが、
実はウィーンのバスは車内アナウンスがないので、下りたいバス停で
停車ボタンを押そうと思っても観光客には無理な話。
で、運転手さんに着いたら教えてと頼もうとしたら、運転手さんのほうから
「Computerstrasse?」と私達が下りるべき停留所の名前を教えてくれて、
どうやら観光客の利用が多いホテルのようで、すぐに話が通じました。
着いたら教えて、と頼んでおいたのですが、
目当ての停留所に着いたらわざわざ運転席から立ち上がって
「ここだよ」と教えてくれました 顔は怖かったけどとてもいい人でした
ホテルまでは徒歩5分くらいで、暗闇に迷子になることなく無事に帰り着きました。
思った以上にどこでも英語が通じて、予定よりも時間が余ってしまったものの、
かなりの充実感に溢れる1日で、人とのふれあいも結構あったし、
やっぱり旅行は自由行動の方が楽しいなと思いました
~7・8日目(前編)に続く~
田園は 血圧を 下げると 書いてあるけれど本当かなぁ?
曲の一部 激しいテンポですよね
昔 王様と貴族と官僚が 聞いたのかなぁ? 昔の人は 血圧高いかなぁ? 僕は 血圧低いけれど ♪♪♪のとこる好きだなぁ。たーらた たーたんたん ところです。
音楽を聴いて血圧が下がったらとても便利ですね!
思い出の振り返りに拝見させてもらいました。
ありがとうございました!
10年も前の記事にコメントありがとうございました!
最近行かれたなんて羨ましいです♪