物心一如(いちにょ)的立場から云うならば、事物の根元は 「 物質 」 であると云うのも、
事物の根元は 「 心 」 であると云うのも一如(ひとつ)であると云うことになる。
しかし、「 物質 」 と云うものの概念は、「 知性も感情もないものを物質と云う 」 意味に於いて考えられているのであるから、物心一如と云うことは 「 知性も感情もない物質 」 と 「 知性も感性もある心 」 とは一如と云うことになる。
こうして物と心とが一つであれば、どちらが先なのであろうか。
「 知性も感性もある心 」 を高位とし、「 知性も感性もない物 」 を低位としなければならない。
高位のものは内に低位のものを含み得るが低位のものから高位のものは生れ得ない、従って、心は物質に先立つのである。
『 生長の家 』 昭和二十五年 九月号 十一日の法語 谷口雅春先生