☆ 住 吉 大 神 浄 め 給 う ☆

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昭和天皇が語られた天皇論

2017-11-12 23:35:00 | 天皇・国家

日本の天皇は皇帝(エンペラー)と呼ばれているために、明治憲法下の天皇が
独裁者だったと信じこんでいる人びとが欧米には いまでも少くない。
圧倒的多数がそう思いこんでいるといって、過言ではないだろう。

西洋でいうエンペラー、カイゼル、ツァールは、いずれもローマ帝国の
皇帝(カエサル)または(同じことだが)総司令官(インペラトール)の意味だから、
独裁者という理念を歴史的に内包している。

しかし日本の天皇は、奈良朝のおわりごろまではべつとして、カエサルや
インペラトールだったことはなく、明治憲法は立憲君主制の憲法だった。

憲法については 敗戦直後に 昭和天皇が、藤田尚德侍従長におっしゃられた
おことばがある。ひろく知られているはずだが、あえて引用しておく。


「 申すまでもないが、我国には厳として憲法があって、天皇はこの憲法の
条規によって行動しなければならない。またこの憲法によって、国務上に
ちゃんと権限を委ねられ、責任をおわされた国務大臣がある。 」

「 だから内治にしろ外交にしろ、憲法上の責任者が慎重に審議をつくして、
ある方策をたて、これを規定に遵(したが)って提出して裁可を請われた場合には、
私はそれが意に満ちても、意に満たなくても、よろしいと裁可する以外に執るべき道はない。

もしそうせずに、私がその時の心持次第で、ある時は裁可し、
ある時は却下したとすれば、その後 責任者はいかにベストを尽しても、
天皇の心持によって何とかなるか分からないことになり、
責任者として国政につき責任をとることが出来なくなる。

これは明白に天皇が、憲法を破壊するものである。専制政治国ならばいざ知らず、
立憲国の君主として、私にはそんなことは出来ない。 」


天皇が語られた明快な天皇論、といえる。天皇は裕仁親王時代のイギリス訪問によって、
立憲君主制の実情を見聞してもおられた。

立憲体制の一機関と化すことを、昭和天皇はご自身にきびしく課して来られたのである。


世の中を かくあらまほし おだやかに 朝日にほへる おほうみのはら

摂政御就任の直後、大正十一年の歌会はじめにさいしての御製だった。


『 日本人と天皇 』 27~28頁 村松剛 著 PHP研究所