窮乏している時に、僅(わず)かな金を恵まれたり、住む家のない時に部屋を貸して貰えたりするならば、その恩恵に対して誰でも感謝するのである。
しかし私たちは眼に見えない多くの物の恩恵に感謝を忘れ勝ちであるのである。
たとえば空気の御恩のようなもの。
また眼に見えていても、それがあまり豊かであるので、それを受けることが当り前だと思って感謝しないもの、太陽の光と熱、そして父母(ちちはは)の愛。
わたしたちは常にあまり多くの御恩の中に生かされているので、却ってそれを忘れ勝ちであるのである。
私たちは常に多くの恩恵に取り巻かれ、それによって生かされていることを思い出して感謝するがよい。
あなたが感謝の念を起しているとき、あなたは天国を製造しつつあるのである。