冬の夜。家路を急ぐ足をふと止めて、夜空を見上げる。オリオン座、すばる……。宇宙の不思議が胸に迫ります。
宇宙。数限り無い星々。死んでゆく星、生まれてくる星。星にも生死があり、年齢があります。しかし、この『星の一生』は私たちの目では観察することはできません。
M42、オリオン座の大星雲。この鳥が羽根を広げたような形の散光星雲は、星の生産工場。生まれたばかりの赤ちゃん星が、母なるガス雲を輝かせています。
夜空はどうして暗いんだろう、なんて考えたことはありますか。とても不思議なことですよね。
太陽が地球の裏側に隠れているのだから、当たり前だと言う人もいるでしょう。でも、太陽がなくても、星があります。
宇宙は無限だ、ということを聞いたことがあると思います。そんな宇宙の中に、星はほぼ同じ明るさで、かつ一様に、つまりだいたい等間隔に分布している、と言われています。
星々が無秩序に天空に散らばっているなら、そして宇宙がどこまでも広がっているなら、空のどちらを見ても視線は必ず星にぶつかるはずではないでしょうか。となると、空全体が星の光で埋め尽くされるはずです。
これらの条件を前提に考えると、夜空は決して暗くはならず、逆に無限の明るさで輝かなければならないはずです。
しかし、宇宙には太陽の光を反射する物がありません。ほとんど真空の状態です。だから、星が放つ光も通過するだけで、周囲を照らすことができないと言われています。