原作を読んで久しい。
小説はこんなではなかったように記憶する。
もっと、切実な身を削られるようなリアルさがあったように思う。
兵隊のメイキャップも嘘っぽいし、人物描写も戦場描写も真実味がない。
抽象的というか、観念的というか、まるで舞台演劇を見ているようである。
核となる日本兵の極限の飢餓の描写も真に迫るものがない。
そもそも人を食う以前に、戦場のいたるところにタロイモの葉が生えている。
そこを掘ればいくらでもイモがあるではないか。
なぜ掘らぬ。
なぜ気づかぬ。
こんな無頓着な映画に戦場の地獄を語る資格はない。
★★