「日本住宅新聞」で2015年11月から月1回連載を担当した「関東・古(フル)ハウスハウスユースコネクション」が9月の23回で終了。ほぼ同時に同紙編集長大川原通さんのWebマガジン「note―holiday project」での配信が始まって、第1回のファイル14 「農家民宿楽屋」に続き、先日第2回のファイル19「熊谷愛染堂寺カフェ講中」がアップロードされた。
連載は同紙「ストック活用」コーナーのひとつ。大川原さんの「古い建物・若者・まちづくり」オーダーに、本庄で展開している「オープン古ハウス」と、知るに連れいろんなもののつながりがわかっていく名作映画『フレンチ・コネクション』をもじったタイトルにした。
当初6回の予定が延長になった時、「北関東」の「北」をとってエリアを広げたが、結局最南で川口。自宅から車に乗って取材に行ける範囲だからそれはそれでちょうどよく、知ってることだけで取材せずに原稿書いた数本はじめ知人の多い内輪感たっぷりの連載だった。Web版は「201_年〜月の…」や最新画像を加え、連載順をシャッフルしての配信だ。
フレンチ・コネクションのポパイ刑事(ジーン・ハックマン)がそうだったように、調べるうちに浮かび上がってくることがある。
本連載のそれは、古ハウス利用の「経営」からの理由。何かやろうとするユースがそれを実現に移す時、古い建物を利用することでうまくいく要因が今の日本にあって、その共通点、それぞれの事情が、実例を重ねることでみえてくる。
取材も変わっていた。
もとからひとの話をきくというよりこっちの体験も話して進めていく取材スタイルだから、録音をきくと自分の声もけっこう多い。連載が始まってから生まれた0歳児連れ、または妻もともなっての取材も多く、50男ではきけない「ママ&女性経営者目線」の話で広がりと厚みが出たと思っている。
途中からスティーヴン・キング「恐怖の四季」方式と呼んで導入した、他の回の登場人物が出てくるスタイル。ちょっとくどい感じもあるけど、コネクションを意識させることができたかなと思う。
大川原さんは、神戸酒鬼薔薇事件関連のムックに書いた原稿を読んで当時編集していた「日本教育新聞」で全3シリーズの連載を書かせてくれた付き合いの長い編集者(その連載に関する記事)。今回も一応、こんなネタですがと確認してからの取材だったが、NGは一度もないライターにとって最高の編集者で、おそらく読者からしてももっともうれしいエディターだろう。
「Holiday Project」は大川原さんが、やりたいことをやれる場所として始めたメディア。その中での配信は、うれしい「ストック活用」だ。
大川原さんとは、新たなコンテンツ、たとえばマップやイラストなどを追加してどんなかたちでも書籍化できないかと話している。興味ある方、ぜひ関わってください。
では、次回配信をお楽しみに。
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