Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

フランツ・ウェルザー=メスト指揮・ウィーンフィル@プロムス2009

2009-09-11 00:30:00 | コンサート

プロムスもついに最後のゲストオーケストラ、ウィーンフィルを迎えた。第一日目の今日はハイドンの交響曲第98番とシューベルトの交響曲ザ・グレート。指揮は病気のニコラウス・アーノンクールに代わって、フランツ・ウェルザー=メスト。

ハイドンの交響曲。98番は一連のロンドン交響曲の1つ。第二楽章はしょっぱなからイギリス国歌と同じ動きで、相変わらずの「プロムス選曲」である。

とにかく、ウィーンフィルの音の美しさに驚く。ザルツブルクの時は会場が良かった(祝祭大劇場)から音が良くても当たり前、と思っていたけれど、何度も書いている通り、ロイヤルアルバートホールの音響はとても誉められたものではないのに、弦の美しさ、またオケの編成がこじんまりとしているからか、全体のバランスも申し分なくて、目をつぶって聴きたくなってしまう。素晴らしいオケが弾くと、会場すら問題なくなるのだろうか。喩えて言えば、使い込まれた革-深い茶色が使い込まれて黒光りしているような-そんな音に思える。

後半はシューベルトのザ・グレート。プログラムには9番、とあって、シューベルトの9番って何?と思っていたら、日本で言うところの8番であった上に、なぜか会場で知らないおじさんから、「これ見ながら聴く?」と渡されたスコアには7番とあった。未完の2つの交響曲を入れて番号を振ると9番目(欧米では9番と呼ばれることが多い様子)、ということらしいが、完成された交響曲としては7番目、ということで、スコアの番号は7。日本では有名な『未完成交響曲』が第7番で、ザ・グレートは第8番、ということになっている。

折角おじさんがスコアを(貸して?)くれたので、それを見ながら、指揮者気分で鑑賞。とてもシンプルなので、スコアを見ながらでも十分楽しめる。対旋律が前面に出てくるところなど、やはりスコアがあると勉強になる。また、第四楽章にはベートーベンの第九からの引用がある。本当に多くの作曲家にとってベートーベンは追いつき追い越したい先人だったのだと感じる。

シューベルトはやっぱり遺作のピアノソナタ&弦楽五重奏曲が好きな私ではあるが、とにかく今日はウィーンフィルの音色の美しさに、跪いて帽子を手に取り、モンラッシェで乾杯!である。