2009年3月29日。ロンドン、ロイヤルフェスティバルホール。
Beethoven: Symphony No.3 (Eroica)
R. Strauss: Four Last Songs
Ravel: Daphnis et Chloe (No.2)
Bavarian Radio Symphony Orchestra
Mariss Jansons: Coductor
Anja Harteros: Soprano
バイエルン放送響&マリス・ヤンソンスと、日本だったら完売だろうに、日曜の夜だからか、かなり空席が目立った。しかも、一番期待していたベートーベンで寝そうになり、休憩になったら何を食べよう、なんてことを考え出す始末。
後半の最初は「4つの最後の歌」、Harterosは良かったと思うが、いささか曲の知名度が低いか。私も以前オケで弾いていなかったら、こんなに楽しめなかったかもしれない。第三曲目、”Beim Schlafengehen (Going to Sleep)"が美しくて好き。ホルンも素晴らしく美しい音色で歌を支えた。
ここで帰る人が二桁はいた。そんなこともあってラヴェルはとても心配だった。演奏会前の講演でも、前半と後半のプログラムは入れ替えるべきではないかと、質問した人がいたことを思い出す。
しかし、最初の数小節を聴いて、この心配は杞憂であることがわかった。水が、泡が、眼に見えるようであった。フルートの熱演も良かった。息が本当に良く続く。感心。
とても楽しい演奏で、思わず、子供が居たら、この曲を聴かせて「何を弾きたい?」と尋ねてみたいと思った。-でも、「カスタネット」といわれたら、頭をはたいてしまうかもしれない-確かに楽しそうではあるけれど。
このところ、ドイツ系の重厚な音楽にはまっていたが、久しぶりにラ・ヴァルスが聴きたくなった。
アンコールでは、グリーグの「ソルヴェイグの歌」に続いて「especially for you」という説明がヤンソンスからあって、エルガーが演奏された。会場は満足に包まれてお開きとなった。