rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

米国の外交は米国が決める(by Trump)

2025-01-18 14:01:24 | 社会

次期米国大統領のトランプ氏就任まであと数日になり、就任式の会場が急に屋内に変更になるなど無事に就任自体が行われるか注目される所です。またLame duck状態のバイデン政権が、ウクライナにロシア本土攻撃を米国製ミサイルやドローンで行う事を許可する(米軍情報機関のバックアップが必須)などトランプ就任後の行政へ様々な妨害工作をしている一方で、パレスチナ停戦合意、カナダやパナマ運河を合衆国の管轄にするとか、グリーンランドを買収するとか既に多くの話題を次期トランプ政権は打ち出しています。それらの実効性は未定ですが、これらの新たな外交政策に共通して見られる根本思想は「米国の外交は米国が決める」という事だと思います。イスラエルへの無条件の支援は主権の放棄だという論考で述べた様に、バイデン政権のイスラエル支援は自国内のみならず国際社会を敵に回し、国益を無視した「イスラエル隷従」でしかないものです。他国を支援・干渉するにしてもそこに米国の国益がなければ意味がありませんし、隷従支援のために国内の反対意見を取り締まる法律まで作るようでは完全な主権放棄と見なされても良いでしょう。これらトランプ外交の実効性については、メディアなどでは様々な意見が出されています。多くは悲観的(どうせうまく行かないという反トランプ的期待もある)なものですが、昨年7月の暗殺を免れて「神がかり」の啓示を感じたトランプ氏が失敗を恐れずにレガシィを残す偉業を画策することは大いに考えられます。また反対勢力側もある意味「一定の諦観」を持ってトランプ政権を迎えるであろうことは、選挙結果を見ても明らかだと思います。そこで種々の懸案事項についての見通しをrakitarou視点からまとめておこうと思います。

イスラエル虐殺に武器を送り続けたブリンケン国務長官は退任記者会見で(虐殺長官)などと揶揄される始末

I.  パレスチナ停戦合意

停戦合意についての3段階の概要  この狭い地域を15か月かかってもイスラエルは非武装住民の虐殺しかできず、ハマスの人数は不変という

2025年1月16日イスラエルは正式にハマスとの停戦に合意したことが伝えられました。第一段階は6週間続き、ハマスはイスラエル人人質33人を解放し、イスラエルは最大1,000人のパレスチナ囚人を解放することになっています。トランプ就任式前日から発行される停戦初日には、イスラエル軍はガザの人口密集地から撤退して7日目にはガザ北部への住民帰還が許可されます。また食料や医薬品を積んだトラックの毎日600台ガザ搬入が許可されます。

第二段階でイスラエルはガザから撤退を完了し、エジプトとの国境間のフィラデルフィア回廊に駐留を続ける一方ラファ国境検問所は明け渡す。第三段階では戦争の恒久的終結への交渉を行うことになっています。

トランプ次期大統領は「この壮大な停戦合意は、11月の歴史的勝利の結果としてのみ実現した。この合意は、我が政権が平和を追求し、すべての米国人と同盟国の安全を確保するための協定を交渉するというメッセージを全世界に送ったものだ」と彼はトゥルース・ソーシャルの投稿で述べた、とされます。

彼は、ウィトコフ特使と彼の次期国家安全保障チームは「ガザが二度とテロリストの避難場所にならないようにするためにイスラエルと同盟国と緊密に協力し続ける」と述べ「我々は、この停戦の勢いを基盤に歴史的なアブラハム合意をさらに拡大し、地域全体で力による平和を推進していきます。これは、アメリカ、そして世界にとって素晴らしい未来の始まりに過ぎません!」と付け加えました。イスラエルとしては、トランプの就任式に花を添える形での停戦は「あり」と考えたということでしょう。

 

ベギン、ラビン、ネタニヤフの系譜

イスラエルの二枚舌外交(というより約束を守らない国民性)は歴史では定番

1979年に、エジプトのサダト大統領とイスラエルのメナヒム・ベギン首相はカーター大統領の仲介でキャンプ・デービッド合意に達しましたが、パレスチナに対する自治容認は実行されませんでした。1993年のオスロ合意ではビル・クリントン大統領の仲介で、イスラエルのイツハク・ラビン首相とPLOのアラファト議長がヨルダン川西岸からのイスラエル撤退やパレスチナ国家の成立が合意されましたが、ラビン首相、アラファト議長は暗殺され闘争は継続されました。

一段落置くには良いタイミングか?

今回も恒久的停戦と2国家並存はないだろうと十分予測可能ですが、15か月戦争を続けて1万人の戦傷病者と891名の戦死(うち38名は自殺)、経済は回復に数年かかるほど下降し、米を除く世界から犯罪国家として扱われている現在、ネタニヤフは使用期限切れとして排除し、一度矛を収める事をユダヤの陰の支配者達が決断することもあり得るでしょう。シリアの半分はイスラエルが占領できそうで、トルコと新たな支配者ジョラニらの軍をいなして地盤を固める事も「大イスラエル建国」の準備段階としては重要と考えそうです。

大イスラエル国の範囲(先は長いがシリア領土獲得は大きかった) シリア反政府軍は味方にあらず、早速攻撃対象とするイスラエル

 

2.ウクライナ停戦

 

ウクライナとの戦争に勝ちつつあるプーチン大統領にとって、今譲歩を伴う停戦交渉をするメリットは全くありません。北朝鮮兵の目くらましに西側メディアが翻弄されているうちに粛々と東部戦線で支配領域を広げてゆけば良いと考えているでしょう。北朝鮮兵のニュースについては、未だにメディアの報道どおりではない様に私は思っています。毎日600-800名の戦死者が出ているウクライナで(政府は年間20万人のリクルートが必要と正式に認めている)2-3人の北朝鮮兵と見られる(言葉が話せない負傷をしている)捕虜の映像が、それほど意味があるものには思えません。多数のNATO諸国国籍の義勇兵(一部正規兵)捕虜が明らかにされる方が西側メディア的には怖れている内容ではと思います。

その意味でトランプが「就任24時間で停戦は無理だ」と言ったのは現実でしょう。早期にトランプが大幅な譲歩をして停戦したとなると沽券にかかわります。武器弾薬の供給の窓口を目立たない様に狭めつつ、ロシアの自然な進撃でドネツク・ルガンスク共和国を占領しきった所で残った領土での米国の権益を認めさせた上で脱NATO、非ナチ化、中立化した新ウクライナの存続をプーチンとディールすることになる様に思います。

砲爆撃力の差で消耗戦におけるロシア、ウクライナの戦傷病数は1:8でロシアが圧倒的に勝利しているのが現実

 

3.NATO、EU、グリーンランド

 

プーチンはウクライナの次はバルト三国、ポーランド、西ヨーロッパ諸国にも攻め込むつもりだ、などと威勢の良いヨタを飛ばしていたEU首脳達はトランプが「グリーンランドをよこせ」と逆侵略の意図を聞かされて驚いたことでしょう。各国首脳達は「もごもご・・」と歯切れの悪い反応を示すのが精一杯でした。選挙で国民から選ばれないEU首脳や官僚は単なるグローバリスト権力層の駒でしかなく、昨年来各国で正式に選挙で選ばれる「極右とレッテルを貼られる国民目線の政治家」達に徐々に排除されてゆくでしょう。

グリーンランドについては、領有するデンマークが「住民の意思で決めてゆけば良い」と言い、住民は「売り物ではない」と言いつつ協力関係は拒まないと言っているので、今後協定を結んで基地などの建設が進むだろうと思います。カナダが米国になることはないでしょうが、隣同士の国は協力して経済を盛り上げるのが最も両国の繁栄につながる事は古今東西問わない真実なのでカナダは妥協しつつも良い関係を続けるでしょう(医療保険制度などはカナダが明らかに良いし、住みやすい)。中日、ウクライナ・ロシアも隣国同士経済協力関係が良い方が両国にとって繁栄と幸福につながるのは米国・カナダと同じ。隣国同士を地球の裏側からけしかけて戦争をさせる(divide & rule)のが薄汚い英米欧の常套手段。油断すると飲み込まれるからけじめは大事ですが、他国の鉄砲玉として隣国同士で戦争させられるのは最悪の選択です。

 

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Felixtowe F.2A 1/72 Roden

2025-01-12 17:23:12 | プラモデル

第一次大戦時の英国海軍航空隊(RNAS)の飛行艇Felixtowe F.2A1/72を作りました。1/32モデルはニュージーランドのWingnut wingsから非常に精密な量産キットが発売されているのですが、1/72はウクライナのRodenが唯一作っていて、希少で非常に良い多くのキットを作るメーカーであり、現在まだ会社が存続できているか危惧されるところです。F2AはアメリカのカーチスH8飛行艇を基に345馬力のロールスロイス・イーグルVIII十二気筒エンジンを2基搭載して1918年から実践に投入されました。最高速度は154km、航続距離は950km(約6時間飛行可能)で、230ポンド爆弾(104kg)2発を翼下に搭載可能でした。北海哨戒任務に就く際目立つダズルペイント(赤白の縞模様とか)が用いられました。第一次大戦中に約100機が製造され、その後も70機が製造され、スーパーマリン・サザンプトン、スーパーマリン・ストランラーに引き継がれるまで中心となる飛行艇として活躍したと言われます。

ゆっくりと海上を飛ぶ飛行艇はドイツ水上戦闘機の獲物になりやすく、回転銃座を前後2丁、胴体横に各1丁ルイス7.7mm機銃を装備する他、上翼中央に追加の回転銃座を持つ機体もありました。このキットはその3丁回転銃座を持つタイプだったのですが、ダズルペイントではない機体を作りたいと思ったので胴体は後期型のまま銃座を持たないタイプにしました。

箱絵はダズルペイントの機体 細かいリギングの資料も豊富

モデルは決して作りやすい設計ではないのですが、ゆっくり作れば合わない部品は余りありません。問題は主翼や尾翼の昇降舵まで細かく張られた鋼線をどこまで再現するかです。最後までリギングとの戦いになることを覚悟して組み立ててゆく必要がありました。1/32キットもあるので細かなリギングの図解や綺麗に張った模型を展示したサイトなど多数あって資料には事欠かないのですが、この多数のリギングに何を使うかで悩みました。結局韓国のインフィニ・モデル製の0.05mmナイロン糸を使いました。これは2-3倍まで伸びるので長さの融通は効くのですが、一度丸まると形が崩れてしまうので、出来上がりの見た目は非常に良いのですが張るには慣れとコツが要ります。とにかく長めに切ってから使う方が良さそうです。

翼上面はダークグリーン、下面はダークイエローと肌色を混ぜた物、胴体下面はレッドブラウン、上面はミドルストーンとダークアースにしました。乗員は付いていないのでハセガワ製の海軍要員を流用しました。主翼幅が大きいので、翼と胴体はリギング張りまで別々に作って最後に接着。それでも翼を猫にタ大破されて作り直しなど苦心作となりました。好敵手はハンザ・ブランデンブルグと言われますが、アルバトロスの海軍版と並べてみました。アルバトロスは0.2mmの真鍮線でリギングしたのでやはり太さが目立ちます。

アルバトロスのリギングが太く見えます

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トランプ、プーチン、習近平の第二ヤルタ会談

2025-01-09 15:26:09 | 政治

I.  2025年はやはり波乱の年になるのか

2025年は核戦争を含む第三次大戦が本格的に始まるとか、大きな災害が発生して日本を含む世界が大被害を被るとか、いろいろ言われてきました。確かに世界の情勢は波乱含みで、ウクライナ、シリア、イスラエルなどは戦乱が続き、欧州やカナダも今までの体制に民衆がノーを突きつけて新しい自国に目を向けた体制を作り直そうとしています。1月20日には米国でトランプ体制が始まり、早速既存の権力体制を破壊する転換が始まろうとしています。ドイツの新体制はロシアとの融和による産業再興とNATOからの脱退も視野に入れていると言われます(歴史的にはそちらが正統)。

1945年2月、クリミア半島のヤルタにおいて、第二次大戦後の世界の在り方を決定づけたチャーチル、ルーズベルト、スターリンによる3者の会談が開かれた事は有名です。この会談によって東部、中部の欧州におけるソ連、米国の棲み分けとなるヤルタ協定や戦後日本の体制を決めたポツダム体制が決定づけられたとも言えます。当時は現在の様なヴィルダーバーグ会議やダボス会議でグローバルな金持ち権力者のみで世界の情勢が勝手に決まる事はなく、勿論各国の政治指導者の背後にはスポンサーがいたはずですが、現在よりは「誰が決めたか」の責任の所在が明らかであったと思います。ジャーナリストの渡辺惣樹氏によると、ヤルタ会談の時には2か月後に死亡するルーズベルトは既に現在のバイデン大統領と同等の知的状態に陥っていて、会談ではただ座っていただけで、実務はソ連のスパイとされた国務省のアルジャー・ヒスが担ったと言われ、かなりスターリンに都合が良い結論が出されたとも考えられます。

2025年はグローバル経済の権力者を中心とした利益誘導ではなく、大国の指導者が各国の利益を第一に政治を行う方向に舵が切られようとしています。それをグローバル権力者達は「極右勢力」として蛇蝎の様に嫌い、彼らが支配する大手メディアに「民主主義の敵」「独裁専制政治」とレッテルを貼って批判させています。しかし未だに大手メディアしか情報源とせず、自ら考える事を放棄した人達は別として、多くの「目覚めた民衆達」は、自分達で社会の在り方を決める「真の民主主義」の方向に再度向かいつつあり、ドイツのAfD(ドイツのための選択肢―現在勢力2位アリス・ヴァイデル氏が率いる)、フランス国民連合(RN-ルペン氏率いる。24年国民議会選挙で第一党になる勢いだった)、スペインVOX、イタリアの同胞(FDI)のメローニ首相、英国のリフォームUK(トランプ氏を支持するナイジェル・ファラージ党首)が支持を伸ばしています。クロアチアは現職のゾラン・ミラノヴィッチ氏が親グローバリズムのプリモラツ氏を大差で破り大統領を継続、ハンガリーのオルバン氏と親ロシア路線を継続するでしょう。カナダはグローバリストのトルドー首相が辞任を表明、反グローバリズムのポワリヴル氏が次期首相候補と言われています。

マスク氏が応援するドイツAFDのヴェイデル氏 再選されたクロアチアミラノヴィチ氏

 

II.  2025年は第四転換期の中心になるか

コンドラチェフの経済循環(これから良い方向に向かうかも)

種々の歴史循環理論は科学的証明や反証ができず、非科学的とされますが、現実の事象としては当てはまる事が多く、帰納法的には真実に近いものです。レイ・ダリオ氏の「変わりゆく世界秩序」における覇権国の推移(覇権は、(1)教育、(2)イノベーション・技術、(3)競争力、(4)軍事力、(5)貿易、(6)産出、(7)金融センター、(8)準備通貨という8つの要素から構成され、覇権のピークに対して、(1)、(2)、(3)は先行、(4)、(5)、(6)は一致、(7)、(8)は遅行すると分析)とか、経済ではロシアのコンドラチェフの波による60-70年周期の経済循環もあります。米国の作家ウイリアム・ストラウスとニール・ハウによるストラウス・ハウ理論は、アメリカや西洋史が21年ごとに4つの世代でサイクルを形成して80-90年周期で入れ替わるというもので、よく言われるZ世代という語彙もこの理論を発祥にしています。実際に「The Fourth Turning第四転換期」という本を訳した奥山真司氏の興味深い解説によると、1958年生まれのrakitarouは預言者世代として時代を送り、ゆとり世代の70-80年台生まれの人達は遊牧民(ノマド)として飄々とした諦観の世代ということになります。90年台以降の生まれは、現在は潜伏期ながら英雄としてこれからの乱世の時代を切り抜ける戦士として活躍が期待され、2010年以降生まれ(Z世代?)になると芸術家(適応者)として次サイクルの社会を実りあるものにすることが期待されます。

 

奥山真司氏の解説図 冬の時代の現在、預言者世代の1950-60年台生まれは老年期にいる。

日本について言うと現在のサイクルは第二次大戦終了が開始点となっていて、その前のサイクルは明治維新が開始点でした。前サイクルの英雄世代は第二次大戦を戦った若者達の世代で、社会の破壊に抵抗しようとする世代として私の父親も入っていました。預言者(理想主義)として老年期にある我々世代は、次の乱世を見据えた的確な理想を経験に基づいて実現しようとするのが仕事と思われ、今行っているブログや雑誌の記事もその一環かと思っています。

2025年はグローバリストのバカ達が核戦争を起こさなければ、トランプ、プーチン、習近平と多極主義と自国(の平和と繁栄)第一を掲げる各国の愛国者達が次のサイクルに向けて動き出す鬨と思いますが、そうスムーズに次のサイクルに移るとも思われず、今後自然災害、人災を含む大きな出来事が起こりそうな予感がします。

各時代サイクル(サキュラム)は80年周期で混乱と繁栄を繰り返すという。これから2030年に向けて混乱に入り、ミレニアル世代が英雄として自己犠牲的に活躍?

 

III.  抵抗の核は米国のメディアと経済官僚機構か

 

 グローバリズムの強固な機構は、米国のドル基軸体制、超富裕層と巨大企業による政治とメディア支配が簡単に崩せないほど構築されている現状だと思います。その支配はFBIやCIAなどの情報機関、国務省などの官僚機構も取り込んでいるために、この官僚機構をいかに整理するかというイーロン・マスク氏の政府効率化省(DOGE)の働きにかかってくるでしょう。「DOGEによって福祉が削られるという虚報・宣伝」をグローバリスト達が広めていますが「政府から君たちクズを排除するのが目的なのだ。」というのがよほど怖いのでしょう。言論の自由については、検閲産業複合体(Censorship Industrial Complex)がメディアのみならずSNSなどのプラットフォームを自由に検閲削除することでグローバリズム体制の維持と民衆の愚民化に貢献してきましたが、マスクのXのみならず、フェイスブックのザッカーバーグもバイデン政権からの検閲強制をメタのCEOとして正式に24年8月24日に暴露した上で大統領選挙には前回の様に露骨な民主党支援(4億2000万ドル)はしないと発表し、今回はあからさまな選挙不正が阻まれた結果になりました。そして25年の1月8日にメタの検閲は終了すると宣言したようです。いずれにしても次の大国のリーダーたちは、核戦争を起こさないようにさえしてくれれば何とか次の社会機構にソフトランディングができる様に他の中小国リーダー達が協力できるのではと夢想します。

 2024年12月4日にドバイで核保有国5か国の代表が中国の仲介で「核兵器の在り方」(nuclear doctrines)を相談したと報じられました。詳細は不明ながら米国とEUの政治中枢がグローバリストに握られて核戦争を起こそうと狂ってしまっている現在、多少はまともな核保有国である中ロが調整役を買って出る事は悪い事ではありません。

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BSスペシャル欲望の資本主義2025「成長神話の虚実」感想

2025-01-06 14:45:05 | その他

新年恒例の番組である「欲望の資本主義2025」を見たので感想をまとめます。最終章は「まとめ的」な内容がなく、スパッと終わってしまったので一回視聴しただけでは掴みどころがないように感じたのではないかと思いますが、全体を見直してみると、「量的な成長の持続には多極主義(グローバルサウス)の台頭を認める他はない。先進国が経済成長を続けるには、<量の成長>から<価値の成長>に成長の定義を広げねばならない。」という事です。

出演はフィナンシャルタイムズ記者のロビン・ウイグルワース、ロンドン大学経済学者ハジュン・チャン、ニュースクール大学クララ・マッティ、ケンブリッジ大学アンタラ・ハルダル、MITノーベル賞学者ダロン・アセモグル、サイモン・ジョンソンといった識者が代わる代わる出演していますが、余りにコマ切れなのでまとまった論説として捉えがたいものがありました。今回も以下各章ごとに内容を、感想を含めてまとめます。

 

第一章 全てがディールになるとき

 資本主義の勝者が報酬と権利を独り占めしすぎて民衆に再配分をする段階で不平等感が出てしまった。それは先進国と後進国の間でも起こり不満が強くなった。再配分の不手際が成長を抑圧する元にもなった。

 

第二章 合言葉は世界分散(グローバリズムから多極主義へ)

 先進国のみでなく、新興国の株式を含めたオールカントリー(オルカン)インデックス投資が世界の潮流になりつつある。それは「量の成長」からみると量が成長する余地がある新興国を含むから安全投資に見えるが、量の成長は必ずしも一方通行とは限らない。

 

第三章 成長をめぐる迷宮の中で

 各国や社会の制度によって、技術革新が成長につながる内容が異なってきた。AIの発達によって技能が低い仕事の効率化は図れるが、高度な技能の効率化は行われない。今までは中流層の雇用喪失が消費成長の障害になってきた。AIやITが雇用を奪うか創出するかの境界は、先進国産業の3/4を占めるサービス業の生産性にどのようにITが食い込むかにかかる。サイバー空間の様な「無形資産」の成長は無限大なので成長の余地は十分にある。

 

第四章 グローバル化の果ての光景

 人口ボーナスが後進国に移るにつれて、世界のなかで経済成長が起こる地域が移動してきた。グローバリズムは資本、資源、労働といった国際分業によってより安く、より多くの経済成長をビジネスモデルとしてきた。しかしそれは先進国のエゴを生み、後進国社会の成長を阻んできた。米国自体が欧州に対抗して工業成長する際に国家主体の保護主義をアレキサンダー・ハミルトンが取ってきたはず。「国家資本主義」によるグローバルサウスの成長は受け入れざるを得ないのである。

 

第五章 倫理が企業を救う?

 ボン大学のマルクス・ガブリエルは、企業の倫理を重視して、道徳と経済の融合が必要と説きます。一橋ビジネススクールの名和高司教授は、日本は「巧み」に優れ、海外は「しくみ」に優れて海外の方がスピードとスケールで優位なので、いかに「巧み」を仕組みに付け替えてゆくかが大事だと説きます。他番組でやっていた「餃子の王将」が「調理法を巧みに改善」してそれを「制度として全国のチェーン店に拡散徹底」させてゆくやり方はまさにそれかと思いました。また経営者デビッド・アトキンソン氏は、日本は「巧みを価格」に反映できていない、と価値を価格に反映させることをしない事で「成長を自らあきらめている」と解説します。マルクス・ガブリエル氏も量でなく質を成長とみなす転換が必要と説きます。

 

第六章 本当の価値の作り方

 アメリカ型資本主義(グローバリズム)以外の価値をアジアやイスラムなどの異文化の中で見つけてゆくことで新たな価値が生まれる。ヴェトナムの例は労働供給地から消費地としてヴェトナムを成長の土壌とみなす例が紹介。

 

第七章 成長神話は歴史の勝者が作る?

 これは第一章の後くらいに位置付けた方が分かりやすい内容。第二次大戦の勝者がマーシャルプランで欧州の戦後復興の歴史を作り、ワシントン・コンセンサスで民営化や規制緩和などの既定路線を決めて世界に従わせてきた。これは結局権力を持った者が他者の成長を押さえつける役にたってきた。だからこの規制にこだわることなく、新たな成長の定義を行ってよいだろう。

 

最終章 反転する成長の物語

 中国の経済成長を見ても、量の成長は民主主義や自由主義に必ずしもつながらない。量(数値)の成長のみの資本主義は「正義」や「倫理」を重視しない傾向がある。

 ヒトは他者の欲する物を見てそれを模倣して、自分も欲しいと思う。これはルネ・ジラールが提唱する「欲望の三角形」といい、ソースタイン・ヴェブレンも「ヒトは他者の眼で欲望を形作る」と説いた。量でなく、「価値や倫理を欲する事による成長は無限」であって、ヒトがこれらを欲する事で経済の原動力となる道があるのではないか。量や効率性のみを重視したAIやITのみに拘っていたら成長や雇用に限りが生ずる事は必定だろう。

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高齢者が沢山亡くなるなら問題ないか?

2024-12-26 14:34:44 | 医療

前回のブログで2023年とそれ以降の超過死亡の推移について記しました。今回はその補足的内容になります。厚労省が高齢者に対して「新型コロナ感染症の重要化予防効果」のみを頼りに定期的ワクチン接種を勧めていることは前回報告した通りですが、その根拠は非常に頼りないものです。統計上の重症化予防効果を維持するには、定期的にワクチンを打ち続けなければならず、打てば打つほど総合的免疫力が低下して他の原因で死亡する率が増加するのであれば、深読みするとワクチン接種で結果的に高齢者人口が減少することを厚労省が推奨していることになります。

厚労省の「使命は国民の命と健康を守ること」と大臣は明確に答えていますが・・・2023年以降も高齢者はワクチンを接種し続けている。

2023年の人口動態統計のまとめによる、年齢別死亡者率の推移表を見ると、22-23年で死亡者数が伸びているのは75歳以上の高齢者層(一番上のカラム)であることが一目瞭然で解ります。23年以降も定期的にワクチンを接種している人は65歳以上の高齢者では53%になることが12月17日参議院における川田龍平議員の国会質疑でも明らかになっています。前回のブログでも明らかな様に死因はがん、老衰と心疾患が増加しています。高齢で軽い風邪をこじらしたり、食欲が減って分からないうちに亡くなった場合はほぼ老衰と診断されます。老衰とつけがたい年齢の人が急に亡くなった場合は急性心不全です。

日本は死亡者数が増加したまま続いている。死因の内訳は、がん、老衰、心疾患が増加

死亡者の年齢分布は人口千人あたりの棒グラフで76歳以上の高齢者の増加が目立っていることが解る。

日本の死亡統計は2024年7月まで結果が出ていますが、Our World in Dataで示された最新の統計で、2015年から2019年までの5年間の死亡者数平均から、以降の各時期の超過死亡者数を出したものが、以下の図になります。米英、豪州、独仏は初期コロナ流行時の超過死亡が派手ですが、2023年以降は徐々に落ち着いてきている事が解ります。豪州は24年前半も超過死亡がありますが、23年から24年にかけては緑の日本の超過死亡が群を抜いている様に見えます。

日本以外の国はコロナ流行に伴う超過死亡が著明であったので2020年からの図が一般的

これを年毎に日米英独仏で比較したものが次の図になります。20年21年はコロナもワクチンも各国で盛んに投与されましたが、日本を除く各国は22年をピークにコロナ自体の流行はあっても超過死亡は減少しています。2024年のデータは年度途中のものの平均ですが、今後大きく変化する事はないでしょう。この明確な違いを高齢者へのワクチン投与以外の何で説明可能か知りたいところです。

2024年(途中まで)の平均を含む各国超過死亡の年毎推移は日本と明らかに異なる

参議院予算委員会で明らかにされたワクチン接種による被害認定数「何故これをトップニュースで報じないのだろうか?メディアで金をもらう諸兄は恥ずかしくないのか?」

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厚労省のワクチン有効性を読み解く

2024-12-21 11:56:15 | 医療

厚生労働省は2024年10月からコロナワクチン定期接種として5種類のJN1変異種対応の新型コロナウイルスワクチンを、65歳以上などを対象に接種を進めています。ホームページには掲示用のパンフレットも掲載されていて、「ワクチンの効果」と題する項目には、オミクロンXBB1.5対応ワクチンの効果として、新型コロナ感染症による入院を40-70%抑制する効果があった様な歯切れの悪い記載があります。

そこでワクチン有効性についてわざわざ例示されているJAMAに掲載された論文を読み解いてみました。

JAMAはアメリカ内科学会の学会誌で非常に権威のある雑誌であり、記載された内容は信用に値します。この論文の著者が主張したいのはどうもワクチンの有効性ではないと考えます。以下に読み解いた内容を示します。

目的はXBBワクチンの有用性だが・・

著者は新型コロナ感染症に対して、変異を繰り返して流行が何度も起こる現実は、「以前のワクチン接種が全く無効だから新たにワクチンを接種しましょう」と言いたかった様ですが、結論を得るまでに行った解析からは違う結論が出てしまいます。

 

ワクチン接種者のコロナ以外の入院率が増加

左の図データをわかりやすく表に読み込むと右の様になる。

対象となったのは18,199名の急性呼吸器症状で救急外来を受診した患者で、2,977名が入院加療を要しました。これらのうちコロナ検査陽性だったのは2,854名で、15,345名がコロナ以外の呼吸器感染症と診断され、入院はそれぞれ391名がコロナ、2,586名がコロナ以外の誤嚥性肺炎とかマイコプラズマ、インフルエンザとかによる入院と考えます。

この時点でコロナに対するワクチンの有効性が391名の中での比較で元々の18,000名の母集団に比べて「え?」というレベルの対象数の小ささであることが解ります。

表に示す様に、XBBワクチンを投与した患者の入院比率は12%でワクチン未接種者の13%よりも低いことは事実です。しかしXBBワクチン以外の古いワクチンを接種した(XBBは打っていない)人達のコロナによる入院比率はワクチン未接種者よりも多く、むしろ悪影響しか出ていないことが解ります。これは抗体依存性感染増強を証明したデータと言えます。

またコロナ感染症による発熱で救急受診をした率(コロナ陽性率)もXBBまで接種した人は9.4%で未接種者の15%よりは少ない率ですが、武漢型やBA4.5の接種既往は既にコロナ感染予防には役立っていない事が明らかです。むしろ抗原原罪により新たな変異種を排除する抗体はできにくくなっている可能性もあります。(ブレイクスルー感染の誘発)

問題は対象患者が圧倒的に多い「コロナ以外の呼吸器疾患の入院比率」で、ワクチン接種者は軒並みワクチン未接種者よりも高率に入院しています。統計的有意差では、コロナ以外の入院についてのワクチン接種の有害性を確実に証明した論文と言えます。

ワクチン接種は確実に免疫を低下させていると結論づけられます。

この論文の著者が本当に言いたかったのはむしろ接種者の易感染性ではないでしょうか。JAMAと言えどもワクチンが有害と結論づけた論文は掲載が困難な現状です。解析しやすい元データを載せて「こっそり事実を記載して解る人に気づいてもらう」のが現在世界中の科学者達が行い得る抵抗です。もしかしたらこの論文を引用した厚労省のお役人たちも「論文を読んでワクチンの現実に気づいてくれ!」という思いだったかも知れません。

 

追記

パンフレットにはJAMA以外にも長崎大学のXBB予防接種の効果分析、オランダの分析、CDCの分析が載っているのですが、JAMAほどの正確性がありません。単純にコロナ陽性者の中でXBBを投与したかどうかを比較しているだけで、一切ワクチンを打っていない人との比較が不十分です。分かりにくくなるので敢えて載せませんでしたが、長崎大の分析では、入院に関してはワクチン接種の方が効果があることになっていますが、投与しても時間が経つと未接種のほうがマシという結果でした。(下図)

発症予防について、あらゆる年齢で接種後時間が経つと効果がなくなり、未接種者と同様の状況、65歳以上についてはむしろ接種していない方が良いという事?(論文内に説明はない)

入院予防については接種者に効果ありでデータとして面目を保つ。但し武漢型とかは全く効果なし。

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中東はなぜ民主化しない?フクヤマ、ハンチントンの問う民主化の順番

2024-12-19 15:16:55 | 社会

シリアはアサド政権が崩壊し、米国がテロリストと認定したアルカイダ・アル・ヌスラ戦線系のムハンマド・ジャウラニ氏指揮下のシリア解放機構が占領しています。彼はイスラム原理主義とは距離を置いて国際社会に受け入れられる路線に変更し、全てのシリア人のためのシリア国を作ると言っていますが、彼以外の戦闘員たちにそのつもりはなく、早速アサド政権側についていた国民の虐殺、迫害が至る所で起きています。イスラム原理主義を信奉する彼らは、異教徒が支配する聖都エルサレムを解放すると叫ぶ者も多いようです。

ダマスカスからエルサレム解放を叫ぶ戦士達

 

I.  シリア国の消滅、地域の今後

 

イスラエル軍は12月10日、シリアに備蓄されている戦略兵器の大半を爆撃したと発表、同国全土に480回以上の空爆を実施したと主張しています。イスラエル空軍は約350回の有人機による空爆を遂行。飛行場や対空砲、ミサイル、ドローン(無人機)、戦闘機、戦車、兵器製造施設を標的にダマスカス、ホムス、タルトゥース、ラタキア、パルミラの各地を攻撃しました。さらに追加の空爆を130回、地上作戦中に行い、兵器の保管庫、軍事施設、発射装置、砲撃用の陣地を標的にしたということです。また船舶からは15隻の艦船が配備された海軍の施設2カ所を攻撃。対艦ミサイル数十発を破壊したとし、イスラエル海軍はシリアの艦隊を壊滅したとカッツ国防相が発表していました。イスラエルは、シリアの反政府組織がいずれイスラエルに歯を剥くことが無いよう、シリアの国土を非軍事化する意図があったと言えます。そしてゴラン高原から東北にのびる砂漠地帯を実質イスラエルの領土(非武装地帯)にする目的があったと言えます。

アサドを追放する事を目的とし、シリア内戦でイスラエルはアルカイダを支援していたとするエルサレムポストの記事

2024年12月8日現在のシリア地区を支配する勢力(アル・ジャジーラによる)

一方トルコが支援するシリア国民軍はトルコ国境からダマスカス近郊までを支配し、トルコ領内の500万人とも言われるシリア難民を押し返す方策をとると思われます。シリア北東部を支配するクルド人勢力(SDF)は、米国が支援していましたが、今後イスラエル、米国が敵視するイランと交戦する場合に限って支援を継続する可能性はあるものの、クルド人の独立国建設を支援することはない様に思います。ユーゴスラビアが分割された様に、シリアは、「国は消滅」して「旧シリア地域がいくつかの勢力に分割」されて今後紛争を続けながら残ってゆくというのが現在の見通しと言えます。

各勢力の思惑が錯綜するシリア情勢、日本人的な義理や人情では理解できない。今自国を激しく爆撃しているイスラエルと手を取り合って生きる?本当ですか?

 

II.  原理主義の台頭を調整してきたアラウイ派

西欧的生活を実践してきたアサド大統領

シリアは古代キリスト教が栄えた地域でもあり、現在も多くのキリスト教徒がイスラム教と共存しています。周囲のアラブ諸国が厳格なイスラム主義を採る中、少数派であるアラウイ派は比較的穏健で世俗的な対応を取って来たために、シリアのダマスカスは観光地としても栄えてきました。親子で大統領を務めたアサド家の家族写真を見ても、女性たちがイスラムの規範に捕らわれない自由な服装をしています。それに対立する反政府勢力はイスラム原理主義を信奉する勢力であり、本来西側諸国が「テロリスト」と規定するもので支援などあり得ない勢力です。つまりアフガニスタンのタリバンと同じと言って良いでしょう。

米国のジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏によると、アサド大統領(子)は温厚な人柄で、強圧的な弾圧は好まないのだが、権力を持つ近親者たちの腐敗は著しく、結果的に反体制派への非人道的な弾圧にもつながっていったと大統領自身との会談などから述懐しています。2011年にシリア内戦が激化する前、アサド大統領はより民主化した制度を導入することを反体制派や西側諸国に提案しましたが、アサド政権自体を崩壊させたい西側陣営は受け入れず内戦激化につなげてゆきました。「アラブの春」は民主化が目的などではなく、単に「西側に都合が良い政権を作る」が目的であったことが明らかです。現安全保障担当大統領補佐官のジェイク・サリバン氏はオバマ政権時にヒラリー・クリントンに宛てて「シリアではアルカイダAQは我々の味方だ」とメールを送っています。2001年にアルカイダを匿ったとしてイラクを武力で崩壊させたのは米軍だったはずですが。

イラク、リビア、ソマリア、スーダン、エジプトなどの中東やアフリカの諸国で、フクヤマが「歴史は民主主義で終わる」と規定したにも関わらず西欧的民主主義がなぜ根付かないのかについて、後の著書「政治の起源」でフクヤマおよび師のハンチントンもある条件が整わないと正しく民主主義が根付くことはないと説明しています。

政治が機能するには三つの政治制度、すなわち「国家」、「法の支配」、民主的「政府の説明責任」が整い、これらがある種の均衡を持たなければならないという主張です。またこの三つにも優先順位があり、実効性のある「強力な国家機構」、次いで「法の支配」、民主的説明責任に基づく「抑制の制度」という順で社会が進む必要があると説きます。フクヤマによると、中国や日本には古来強力な国家機構があり、法の支配も比較的行きとどいていたとされます。中国には民主主義制度はありませんが、台湾や日本は憲法に基づく権力者の自己抑制の制度があるから民主主義が根付く土台があると説きます。中南米のコスタリカは人口500万の小国ながら一人当たりGDP1.2万ドルの豊な国であり、その秘密は1949年に施行された憲法が軍を持たず(クーデターがない)、権力者にも抑制を効かせる制度を作っていることにあると説明します。専制制度の下でも「法の支配」に民衆が慣れていないと、外から与えられた民主主義は突然与えられた平等を幸いとする「身内の利権確保」にしか使われず、後進国にありがちな腐敗と利権の社会にしかつながらないと解説します。社会主義から解放されたロシアやウクライナ、東欧の国々が表面的に民主主義的でありながら腐敗と利権が蔓延る社会である理由はその辺にありそうです。まあ現在の米国の様に強者が「法さえ守れば自分の利権追求をいくらやっても良い」と考える社会もいびつな民主主義だと思いますが、それはフクヤマも指摘しています。

 

表面的な善悪でしか報じない小学生並みの日本のメディアでは現在の中東・世界情勢を理解することは全く不可能でしょう。グローバリスト御用達の池上彰氏でも「西欧諸国のご都合主義」に触れなければ現在の状況をわかりやすく説明など不可能と思いますがいかがでしょう?

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2023年とそれ以降の超過死亡推移

2024-12-14 09:36:50 | 医療

日本の死亡者数が2021年以降増加し、それまでと比較した超過死亡が増大していたことは国会でも議論され話題になりました。世界でも同じ傾向が見られ、その原因は「新型コロナ感染症」と「コロナワクチン」で100%間違いないのですが、多くの人はそれが科学的真実であっても認めたがりません。ワクチンについての批判的論説が未だにSNS上で「禁忌」とされている事自体が「ワクチン犯人説」を自ら証明していることになります(全く根拠がないなら禁止する必要もない)。

 

I.  ワクチン投与が2022年に終了した国々では超過死亡は減少しつつある

名古屋大学名誉教授の小島勢二氏が引用したOECDの各国の超過死亡のまとめではワクチン投与を続ける日本だけが超過死亡が増加したままであることが解ります。一時非常に増加していた米国の超過死亡も図の様に収束しつつあるように見えます。このようにワクチン投与が終了した多くの国では超過死亡が収まりつつある所もあるようですが、遺伝子ワクチン接種や変異種による新型コロナ感染症には、免疫機能を弱める作用があると考えられ、「がんの罹患数」は増加しているデータが出ています。

米国のがんによる死亡者数が2021年以降想定よりも増加し続けているというCDCの集計

ワクチン推進派の人達には都合が悪いデータですが、英国の保健省が集計した2021年7-9月期の死亡者数でワクチン非接種者と接種者(一度以上)を比較した図は、母集団で80%の国民が接種者であるという背景を含めても右側カラムの接種者の比率が異常に多い事が明白です。これは前後の月の統計も同じです。

 

II.  死亡者数は2024年現在も増加したままである。

2018年から2024年7月までの死亡者数月別推移を示します。この図で明らかな様に、2016年から新型コロナ感染症が流行し始めた2020年までは日本の死亡者数は、微増傾向はあったもののほぼ一定であったと言えます。しかしコロナに多くの国民が罹患し、しかもワクチン接種が本格的に始まった2021年4月以降日本の死亡者数が増加を始め、毎月1万人単位で増加したままであることが図から明らかです。22年23年は8月にも死亡者数が跳ね上がっており、「熱中症で」という言い訳がなされましたが、私は病院で救急外来を含む死亡診断書を全例確認してきた経験からそれだけで説明はできないと考えます。ワクチン接種をやめた他の国々で超過死亡が減少しつつある現実をどう説明するのでしょう。

 

III.  ワクチン接種回数と超過死亡が相関している証明

ワクチン接種率と超過死亡の多さの相関についてweb論壇のUnz reviewにおいて、ユージン・クスミアク氏がOur world in dataで利用可能であった57か国の一人あたりのワクチン接種回数と翌年の超過死亡率に相関があるかを計算して報告したものを示します。2021年に国民一人が接種した回数に対する2022年のその国の超過死亡率(赤プロット)と、2022年に国民一人が接種した回数に対する2023年のその国の超過死亡率(緑プロット)(計114プロット)を合わせて示したものです。日本を除く多くの国は既に2022年にワクチン接種は行われておらず、超過死亡が2021年の各国のプロット(赤)より減少していることが解ります。この図から国民一人1回のワクチン接種で翌年の超過死亡率が6.2%増加するという結果であり、この結果がランダムに発生する可能性は0.0%(P値)で明らかにワクチン接種と超過死亡の増加は統計的に有意性があります。

以下厚労省の人口動態統計のまとめから日本の死亡者数とその内訳についての推移を記します。

 

IV.  2023年死亡の内訳は悪性腫瘍、心疾患、老衰が増加

厚労省の死亡統計から1947年から2023年までの人口10万人あたりの各疾患の死亡者数を示します。超過死亡が増加した直近の2-3年においては、悪性腫瘍は緩やかな伸び、心疾患と老衰が著明に増加していることが解ります。多忙な救急外来の現場において、心肺停止で搬送されてきた患者の死体検案書用の死因判定にかける時間は5分がせいぜいです。明らかな基礎疾患が悪化して死亡したことが明らかでなければ、事件性がないと判断されたお年寄りは「老衰」、中年以下の人は「急性心不全」と死体検案書に記入します。それが救急現場の現実です。良く分からない状態で亡くなっても全員CT検査や病理解剖を行うわけではありません。ワクチン接種後の体力低下、易感染性、無症候性の心筋炎による心不全の増加など因果関係を特定しにくい中長期の合併症がこれらに関係している可能性は否定できないと考えます。勿論公に認めることはしないでしょうが。

同じく死亡統計の中のがん死の内訳を示します。がん全体では緩やかな増加でしたが、図の様に胃がん、肝臓がんなどは男女共に減少傾向にあります。一方で肺がん大腸がんすい臓がんなどは明らかに増加しています。非常に進行が速い悪性度の高い癌がワクチン接種とともに増加した傾向はありましたが、全ての癌が罹患してその年に亡くなる訳ではありません。ワクチン接種が終了してもがんによる死亡が増加しつづける理由がそこにあります。

 

V.  遺伝子ワクチンの問題点を記事にしています

Noteなどの現在発売中の雑誌記事の内容の一部を閲覧できるwebがありますので、公開されていた「紙の爆弾2025年1月号」に掲載されたrakitarouの記事の一部を載せますので続きを読みたい方は是非ご購入の上お読みください。

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シリア情勢を決めたプレーヤーたち

2024-12-10 10:09:41 | 政治

2024年12月9日、ロシアはシリア大統領のバッシャール・アサド氏の亡命を受け入れたことを認め、実質的にアサド政権は崩壊し、シリアの実権は反政府勢力のシリア解放機構ジャウラニ指導者の指揮下に入った様です。予想外の速い展開に専門家と称する人達含めて世界中の誰もついてゆけない状況だったのではないかと思います。

米国が懸賞金付きテロリストと指定した男が新国家代表になってしまった。

今までの経過や今後の展開について、種々の考察がなされていますが、余りに多くの勢力とそれぞれの利害が絡み合っているので予測不可能にも思います。そこでわかる範囲でこれらのプレーヤーについてまとめてみます。

関与したプレーヤーと内容・利害

アサド政権側

反政府勢力側

〇アサド大統領

2024年11月頃から政権基盤が揺らいでいた事を認識、家族にロシアへの亡命を進めていた。

政府軍を率いる弟のマーヒル・アサド少将は、第4機甲師団などを支配地域から抵抗させることなく撤収。大統領と共に亡命。

 

〇ロシア

地中海への拠点となるヘメイミム空軍基地、ラタキア海軍基地を保有。アサド政権を支援してきたが、今後はその存続をめぐって新政権と交渉する予定。

敢えて強力な攻撃を今回行わなかった背景には米国などとの協定があった可能性も。

 

〇イラン

イスラエル、米国と本格的戦争に入りたくない状況があり、シリア国内の革命防衛隊は既に撤収したと見られる。

 

〇シリア解放機構

アル・カイダ、アル・ヌスラ戦線が前身。3万人の兵を有する今回の政変の主役。イスラム原理主義のスンニ派。

 

〇シリア国民軍(トルコが支援、スンニ派)

 

〇クルド人勢力である(SDF)もシリア北東部を支配しており、5-6万人の戦闘員がいる。

 

〇イスラエル

今回の政変で最も得をしたと言われる。イランからヒズボラへの支援を切り、シリア国内のヒズボラの存在をなくすことに成功。ゴラン高原の安全確保、勢力拡大?

 

〇トルコ

イスラエルとガザ情勢では対峙していた様で、石油輸出などでは連携していた。今回の政変で大量のシリア難民とクルド人勢力との対立を何とかしたい。

 

〇米国

イスラエルと何等かの連携があった。イラン封じ込めを含めてイスラエル支持の次期トランプ政権も何等かのディールで関与か。おそらくロシアともウクライナ情勢の決着を含めてディールがあったと思われる。

 

背景

そもそもの背景は、2011年のアラブの春の際のシリア内戦ぼっ発で、2009年アサド政権がカタールからトルコへ抜けるパイプライン設置を拒否し、イランからレバノンへのイスラムパイプラインを認めたことからCIAは反政府勢力(アルカイダとかISなど)を支援してアサド政権転覆を画策したことに始まります。表面的にテロ組織ISなどを掃討するふりをしていた米国は、2015年ロシアがアサド政権支援に本格介入して空軍基地をアサド国際空港に隣接して建設するなどし、ISは一掃されてしまっていた。

トランプ次期政権を含めて各国の様々な思惑が入り乱れる。

多くの予想では、今後10年シリアは各勢力が入り乱れて荒れ続けると言われています。

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紛争拡大を狙う勢力

2024-12-05 14:20:09 | 社会

I.  指揮官のいない米国

 ずっと拒否していたロシア国内への長距離ミサイル使用許可を2024年11月19日バイデン不在中に米国は決定、同21日には英国のストームシャドウを、23日にはフランスがスカルプ(フランス版ストームシャドウ)の使用を容認する決定を行いました。もっともATACMSは60基(既に10基使用)、ストームシャドウは各10基ほどしかウクライナにはなく、戦局を変える力はありません。ゼレンスキーはドイツの長距離ミサイル(射程500km)タウルスの供与を希望し、米国製の陸上発射トマホーク(射程3000km)の供与を切望しています。これらが使用されれば間違いなくロシアはNATOに対して核の使用も辞さない戦争拡大を進めてくるでしょう。これは紛争終結を狙うトランプ就任の2025年1月20日までに紛争拡大を狙う米国ネオコン勢力が画策した結果生じている動きと思われます。

 来年1月までの米国政治は誰が責任を持って取り仕切っているのか、誰も答えられません。イエレン財務長官は10月23日に200億ドル(3兆円)の追加支援をロシアの凍結資産を活用して行うと表明していますが、凍結資産の現金化など誰が具体的に行えるのか不明です(米国が買い上げて現金化するとなると結局税金)。現在大統領失格と民主党から烙印を押されたバイデン大統領がアフリカを訪問して6億ドルの支援を表明(ウクライナに比べてちゃちい)していますが、CNNではその内容説明をCSIS(戦略国際問題研究所)の解説員がしていた所からも、政権に通じたネオコンシンクタンクの一部が政策を決めている様です。当然終わりを迎える政権が行ったことなど誰も責任を取らないでしょう。

 

II.  ウクライナの行方

領土割譲に言及しはじめたゼレンスキー  ロシアが検討しているとされるウクライナ分割案

 ゼレンスキーは最近やっと領土割譲の上での和平交渉の可能性に言及し始めましたが、戦争に負けている側が口にする内容ではありません。プーチンが提案するウクライナの未来図は図の様な3分割で、西から「紛争地域」「親ロシア国」「ロシア領」の3つに分かれます。戦勝国のウクライナ統治の出発点はこれであり、ここからどこまでロシア側から譲歩を引き出せるかです。西の紛争地域はポーランドやルーマニアなどが分割統治する決着になる可能性もあります。ウクライナ国民が平和に暮らすには、親ロシア国で欧米の資本を排除した上で自分達が統治できる態勢を作ることが大事でしょう。

 一時北朝鮮の兵がクルスク戦線に一万人投入などというヨタ記事が西側諜報部経由で盛んに流されましたが、前線のウクライナ兵で朝鮮軍を見た兵士は一人もいないそうです。この北朝鮮フェイクニュースが今回の韓国戒厳令騒ぎにも一枚かんでいることが解ってきました。

 エコノミスト誌などによると、ウクライナは毎月約19,000人の「兵士」を募集していると述べているため、1か月あたり23,000人の死傷者と推定できるが、これには脱走兵も含まれるようです。ウクライナの脱走兵の多さは救いようがないほどですが、今年の脱走兵が10万人(一説には20万人)だとすると、1日あたり274人、つまり1か月あたり約8,300人となる。これを23,000人から引くと14,700人になる。これを30で割ると、1日あたり約500人の死傷者となる。言い換えれば、ウクライナ兵の1日の損失は、死者250人、重傷者250人、脱走兵274人で、1日あたり約770人の「死傷者」、つまり1か月あたり23,000人の損失となる。この中には軽傷の死傷者は含まれていません。一日も早く戦争を終わらせる(無条件降伏でも)事がウクライナの国民を守る唯一の方策であることが解ると思います。

 

III.  突然のシリア内戦の再燃

シリア情勢を解説したmiddle east eyeの記事   レバノンからアレッポへの反政府軍の動きヒズボラも関与か

 2024年11月、ハヤト・タリハール・アル・シャム(HTS)などの反政府勢力がシリア第二の都市アレッポとその空港、軍事基地などを突然占領したというニュースは世界を驚かせました。シリア内戦はロシアがISなどを掃討した結果ある程度沈静化していたと思われたからです。米国が間接的にIS他の反政府勢力を支援していた事は明らかでしたが、ウクライナ戦争やイスラエルへの支援でそれどころではない状況でした。今回イスラエルがヒズボラと停戦に至ったタイミングでシリア内戦の激化に至ったのは偶然ではない様です。この4年間500万人のシリア難民がシリア北部の反政府勢力の支配地域で過ごしていましたが、極度の貧困と生活苦で困窮していたことは知られていません。またトルコにも300万人のシリア難民がいて、シリア北部のクルド人支配地域がトルコと対立しているため、今回の攻撃にはトルコの後押しもあるとされます。イラン、ロシア、シリア政府(アサド政権)は、反政府勢力と対峙していますが、今回の内戦再燃が組織立って行われていない、資金の出所と流れが明確でない事などからアサド政権を倒すほどの広がりは見せないと思われます。

 数週間前、イスラエルのギデオン・サール外相は、トルコとイランを弱体化させるために、クルド人やドゥルーズ派など、この地域の無国籍少数派との正式な同盟 構想してい た、と言われます。この試みはうまく行かないと思います。

 

IV.  グルジア(ジョージア)内紛

 ジョージアのコバヒゼ首相は政府がEUへの加盟交渉を中断(延期)すると表明し、首都トビリシほか複数の都市で親欧米派の市民が抗議行動を起こす事態になっています。米国は12月1日に独裁的傾向(親ロシア傾向の言い換え)が強まるジョージアとの戦略的パートナーシップを停止すると通告したとされ、3000人以上の公務員らがEU加盟手続きの延期に抗議する署名が出ています。親欧米派のサロメ・ズラビシヴィリ大統領は、あと数週間で任期満了により辞任するため、その後継の如何でジョージアの親欧米か親ロシアかの行方が変わります。つまり2014年のウクライナマイダン革命の再現が行われていると考えると分りやすいです。CIAやソロス財団は親欧米グループに反体制騒乱を仕掛ける試みを、金をかけて行っている最中でしょう。今後の展開が注目されます。政府側が民主化勢力(親欧米)のデモに発砲(CIAが金を出して政府側を装った民間軍事会社などにやらせるのがウクライナ方式)などするとCIAネオコン好みの展開になること必至です。

 

V.  韓国のクーデター失敗

 2024年12月3日午後10時に韓国尹大統領は緊急談話で45年ぶりとなる戒厳令を宣布し、突然の発表に世界が騒然となりました。午後11時には韓国軍が国会に突入し、議事堂周辺には軍が出動し、市民と対峙する状況になりました。これは1978年の朴政権が民主化運動に対して発した戒厳令以来でしたが、何故今戒厳令かが疑問とされました。

 まだ推測の域を出ませんが、少数与党の尹政権は、予算や種々の法案が通らず、次の選挙でも勝つ見込みがない状況から切羽詰まった状態であったという背景はありそうです。北朝鮮ウクライナ参戦デマを韓国軍諜報経由で盛んに出して危機感を煽りましたが、韓国民衆は乗ってきませんでした。米ネオコン、CIAとしては、韓国軍もウクライナに派兵させることを念頭に尹政権に揺さぶりをかけていましたが、米国覇権からの独立を主張する「共に民主党」多数派は反対していました。今回の戒厳令は、米国黙認(推奨)の軍主導(国防相は大統領の高校の同窓、金龍顕)クーデターであった公算が強いです。消息筋は「今回の戒厳令は『清岩派』が画策したものとみられ、金国防長官が尹大統領と直接調整している」と言われます。(「清岩派」とは、ソウルの清岩高校の卒業生)これらの情報は前から流出していたらしく、国会民主党側の反応は異常に早く、韓国国民の抗議のための集合も非常に速やかであり、6時間で戒厳令無効決議が議決されて解除される結果になりました。大統領の発表からわずか150分後、国会議員300人のうち191人が戒厳令の即時解除に投票した。軍隊と警察が議会に突入したが、戒厳令反対の投票はすでに行われていました。労働組合はストライキを行うと発表し、人々は大統領の行動に抗議するために街頭に繰り出していました。尹氏の側近たちは総辞職を申し出、譲歩する以外に賢明な道は残されていなかったと言えます。

 バイデン政権のアジア担当副国務長官カート・キャンベル氏は次のように述べました。

「したがって、我々は韓国の最近の動向を深刻な懸念をもって注視しています。我々はこことソウルの両方で、あらゆるレベルで韓国のカウンターパートと連携を図っています。大統領、国家安全保障担当大統領補佐官、国務長官はいずれも状況の進展について報告を受けており、状況の進展について随時報告を受けています。韓国との同盟関係は堅固であり、不安定な時期に韓国の側に立つことを強調したい。また、いかなる政治的紛争も平和的に、法の支配に従って解決されることを強く望み、期待していることも強調したい。」

ほぼ同じ内容を石破首相も国会で答弁していたようです。

クーデターが続く中、韓国の米国大使館は法の支配や民主主義については何も語りませんでした。注目すべきは、駐韓国米国大使フィリップ・ゴールドバーグ氏が、ボリビアとフィリピンの現政権転覆を企てたとして、以前に両国から追放されていたことです。同氏は1月に韓国を離れる予定です。ゴールドバーグとワシントンDCはユン氏の戒厳令計画についてCIAと下部組織のKCIA経由で知らされていたと思われます。

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祝バッタチャリア氏NIH長官指名

2024-11-28 08:37:47 | 医療


gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/reuters-20241127061

トランプ次期大統領は「都市閉鎖やワクチン義務化などの誤ったコロナ政策」を早くから批判していたスタンフォード大学の医療経済学者ジェイ・バッタチャリア教授を次期NIH長官に指名しました。保健長官に指名されたRFKジュニア氏と同様誤った医療・公衆衛生政策を科学に基づく正しい方向に軌道修正する上で強力な人選が行われたと言えるでしょう。

rakitarouが2020年10月13日のブログでロックダウンやPCRによる感染診断は誤り(FDAもこの時点で明確に表明していた)であるという欧米5,000名以上のまっとうな医師・科学者が署名したGreat Ballington宣言について紹介しましたが、狂った日本のメディアは完全にスルーでした。バッタチャリア医師はこのバリントン宣言の提唱者の一人です。

AP通信の記事引用

トランプ大統領、COVID集団免疫を支持したジェイ・バッタチャリア氏を国立衛生研究所の所長に指名

ドナルド・トランプ次期大統領は、パンデミック対策のロックダウンやワクチン接種義務化に批判的な医療経済学者ジェイ・バッタチャリア博士を、米国を代表する医療研究機関である国立衛生研究所の所長に選んだ。

トランプ大統領は火曜日夜の声明で、スタンフォード大学医学部の56歳の医師で教授のバッタチャリヤ氏が、保健福祉省長官に指名したロバート・F・ケネディ・ジュニア氏と協力し、「国の医学研究を指揮し、健康を改善し、人命を救う重要な発見をする」と述べた。「ジェイとRFKジュニアは協力して、慢性疾患や疾病の危機を含むアメリカ最大の健康問題の根本的な原因と解決策を調査し、NIHを医学研究のゴールドスタンダードに回復させるだろう」と彼は書いた。

バッタチャリア氏をこのポストに選ぶという決定は、COVIDパンデミックが政治と公衆衛生に及ぼす継続的な影響を改めて思い起こさせるものだ。バッタチャリヤ氏は、ロックダウンが取り返しのつかない損害を引き起こしていると主張する2020年10月の公開書簡「グレート・バリントン宣言」の3人の執筆者のうちの1人だった。

この文書は、新型コロナウイルスワクチンが利用可能になる前、トランプ政権時代に作成されたもので、感染リスクの低い人々は感染を通じて新型コロナウイルスに対する免疫を構築しながら通常通りの生活を送るべきであるという考えである「集団免疫」を推進している。文書では、保護はむしろリスクの高い人々に重点を置くべきだとしている

「ロックダウンは公衆衛生上の最大の過ちだったと思う」とバッタチャリヤ氏は2021年3月、フロリダ州のロン・デサンティス知事が主催したパネルディスカッションで語った。

(引用終了)

医学や自然科学の正しい答えは一つしかない

文系の社会科学における倫理や政治においては、正しい答えは複数存在しえるのですが、理系の医学・自然科学は正しい答えは一つしかありません。毒性が低く、感染力が強い新型コロナ感染症への対応は「集団免疫の獲得」の一択であることは発生後半年から1年で末端の医師である私を含め、世界中の多くのまっとうな医師、科学者は見抜いていました。専門家ほど早く気付くものであって、今では世界中の一般市民の人々も納得している科学的真実です。

「底に穴の開いた船は沈むという科学的真実」を「真実を告げられては都合が悪い権力者」は認めようとしないでしょう。科学者でも自分の地位保全のために忖度で科学的真実を曲げる曲学阿世の輩は「穴は小さいから大丈夫」の様な見解を出します。権力者は「科学者の先生が言っているから科学的に認められた」と言い、「穴が開いているのは危険だ」と真実を伝える者を「フェイクニュース」「陰謀論者」として葬ろうとするでしょう。しかし科学的真実は変える事はできません。いよいよ浸水して船が沈みそうになって「誤魔化しきれない」状況になると真実を認める他ないのです。

新型コロナに対する異常な対応、リスクのみで利益のない遺伝子ワクチンの推奨、誤魔化しきれない真実を突きつけられて「曲学阿世の輩と権力者」が右往左往し始めているのが現在の状況です。

世界で未だにワクチンを勧める日本の異常さについて、2025年1月号の「紙の爆弾」12月初旬発売にrakitarouが記事を載せましたので是非お読みください。

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ロシアによる新型中距離ミサイル発射の意味

2024-11-24 22:02:56 | 社会

2024年11月21日、米英がロシア領内への長距離兵器使用を許可し、実際にウクライナがATACMSをブリャンスク地域のロシア67GRU補給処に、ストームシャドウをロシア領内に侵攻しているクルスクのロシア軍指令所に打ち込んだ報復として、新型の中距離弾道ミサイルIRBM「オレシュニク」(ヘーゼル)をドニプロにあるユジマシュ・ミサイル工場に打ち込みました。ミサイル攻撃に対して、新型ミサイルを敵のミサイル工場に打ち込む事は種々のメッセージが込められていると思いますが、これについて2024年11月22日のMoon of Alabamaサイトが最もよくまとめられていたので参考までに転載します。

(引用開始)

これまで、ロシアの新しいミサイルの詳細は知られていませんでした。今回のロシアによる新型ミサイルによる攻撃は、ヨーロッパでロシアに対する覇権を獲得しようとするアメリカの十年にわたる努力に対する明らかな反撃です。

ミサイルは、達成できる射程によって分類できます。

  1. 短距離弾道ミサイル(SRBM)は、約1,000キロメートルの射程内の標的に使用します。通常、戦術的なシナリオで使われ、地域的脅威に迅速に対応できます。
  2. 中距離弾道ミサイル(MRBM)は、運用範囲を約3,500キロメートルに拡張します。これらのシステムは、大陸間システムに頼ることなく、より遠くの目標への攻撃を可能にし、国家の抑止能力を強化します。
  3. 大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、5,500キロメートルを超える能力を持つ最長射程のカテゴリーで戦略的な抑止力として機能し、大陸を越えて核を含む弾頭を運び、拡大抑止を含む世界の安全保障力学に影響を与えます。

米国、ロシア、中国は、3種類の兵器をすべて開発している。1980年代後半、ソビエトの指導者ミハイル・ゴルバシェフの主導で、アメリカとソビエト連邦は中距離核戦力全廃条約(INF条約)に署名した。

INF条約は、両国の核弾道ミサイル、通常地上発射弾道ミサイル、巡航ミサイル、ミサイル発射装置の射程が500-1,000 km (短距離中距離)および1,000-5,500 km(中距離)のすべてを禁止した。この条約は、空中発射または海上発射ミサイルには適用されなかった。1991年5月までに、両国は2,692発のミサイルを廃棄し、その後10年間にわたる現地検証検査を行った。

一定射程のミサイルの配備が禁止されている一方で、ミサイルの開発は続けられました。2008年頃、ロシア連邦はRS-24(ヤーズ)大陸間ミサイルの基本設計を使用して、より柔軟で軽いシステムを開発した。その結果、RS-26ミサイルの取り扱いが容易になりました。これは大陸間ミサイルとして分類されるのに必要な射程を達成することができたし、実際に達成したが、その輸送能力は実際には効果を発揮するには小さすぎた。

2018年初頭、ロシア連邦はRS-26のさらなる開発をすべて停止することを決定し、より有望な極超音速滑空機アヴァンガードに資金を投資した。

しかしロシアがRS-24の開発を延期する決定をした数ヶ月後、米国はINF条約から離脱した。アメリカは、ロシアにおける特定の巡航ミサイル開発が条約に違反していると主張したが、撤退の本当の理由は別のところにあった。それは南シナ海を含む太平洋における中国の軍備増強に対抗する必要性であり、中国が条約に署名していなかったため、米国は離脱したのだ。バラク・オバマ大統領の任期にまでさかのぼるアメリカ当局者は、このことを指摘している。

米国のINFからの離脱は、ミサイル防衛が限定的であった弾道弾迎撃ミサイル条約からの米国の2002年の離脱と一致していた。その後まもなく、アメリカは東ヨーロッパに「対ミサイル施設」を建設すると発表した。これらの施設は、ロシアに向けて攻撃的な巡航ミサイルを発射するために転用できるものだった。

2024年7月、NATOは、米国が2026年からドイツに核搭載可能な中距離ミサイルを配備すると発表した。これは、INF条約が発効する前にヨーロッパが経験していた危険な状況を再現することになる。アメリカ本土の関与なしに、ヨーロッパ内での核戦争が再び可能になるだろう。ロシアはついに脅威に対応する必要に迫られた。NATOの発表から数週間後、ウラジーミル・プーチンは、これらの計画に対して反応した。そしてロシアは独自に対抗処置を講ずると発表した。

昨日のドネプロペトロフスクのユジマシュミサイル工場への攻撃(ビデオ)は、ロシアの新たな能力の最初のデモンストレーションだった。オレシュニク(ヘーゼル)と名付けられた新しいミサイルは、RS-26の派生型で、射程が短く、弾頭は6個(以前の4個ではなく)の複数独立標的再突入体(MIRV)です。各再突入体は6つの子弾を搭載できる。弾頭は極超音速で目標に突入し、その運動エネルギー、高爆発性または核のせん断力によって目標を破壊します。ミサイルは固体燃料を使用し、道路移動が可能です。カモフラージュされた位置から緊急に発射できます。

ロシアから発射されたミサイルは、20分以内にヨーロッパのどの目標にも到達でき、大気圏に再突入すると、ミサイルの弾頭は毎秒3〜4キロメートルの極超音速に達し、それらを止められる防空システムは世界にありません。

このような巨大な能力の驚くべき成功裏の実証は、ヨーロッパの戦略家にとって大きな警鐘です。欧米至上主義のネオコンの話に騙され、ロシアの能力を過小評価して、ヨーロッパ人は、ウクライナにおけるロシアへの代理戦争で勝利でき、利益誘導できると見込んでいた。しかし結果はヨーロッパは、壊滅的な力で、わずか数分の通知で、あらゆる政治・産業中枢に到達できるロシアの新兵器に対して無防備となった。

幸いなことに、まだ進路を変える時間があります。

ロシア大統領は、新機能を発表する一方で、その配備を制限する提案(ビデオ)も行った。

つまり米国が誤りを認めて世界の米軍基地に中距離ミサイルを配備しないと決定するならロシアは考えを改めるだろう。もしアメリカとヨーロッパの追従者たちが、ロシアに対して更なる攻撃を犯せば、ウクライナ以外の標的を狙う可能性のある、より厳しいオレシュニクの「テスト」が追求されるだろう。ロシアは独自の安全保障に対する脅威に基づいて、ロシアの軍事施設に対して、自国の兵器の使用を許可している国の軍事施設を攻撃する権利があると考えており、攻撃的な行動がエスカレートした場合には、断固として、鏡のような態度で対応する、と宣言している。

 

(以上)

元CIA分析官のラリー・ジョンソン氏によると米軍はロシアとの核戦争に備えていると軍人が勝手に発表した。

ロシアの新型ヘーゼル(オレシュニク)ミサイルは、ロンドンに16-17分、ベルリンに11-12分、パリに15-16分で到着可能になった。

駐英ロシア大使は、テレビのインタビューで、記者団に語った:この[ロシアに対するストームシャドーミサイルの]発射は、NATOとイギリスのスタッフなしでは起こり得ないから、イギリスは今、ウクライナ紛争に直接関与している、と述べた。

アメリカ、イギリス、フランス、ドイツの大使館の職員がウクライナを去った。ほとんどがポーランドにいますが、一部は既に帰国しているという。中国の外交官やベルギー、オランダ、スカンジナビア諸国の代表もウクライナを離れた。

世界は核戦争に一層近づいている、と警告しています。

日本のメディアで具体的に核戦争の危機について伝えているものが皆無なので緊急で記してみました。

 

追記 2024年11月27日

新型ミサイル「オレシュニク」は従来型と比較できない破壊力かもしれない

ロシアが自国領土への攻撃への報復として新型ミサイルを使用した状況は徐々に詳細が明らかになってきています。初めに上図の様に6発のミサイルが別々に各6発の小弾に分かれて着弾する様子がビデオに流れたのを見た方が多いと思いますが、ウクライナがロシアの弾薬庫などを破壊した時の画像と比べて着弾後の爆発が見られない事が異様に感じました。着弾後の建物が次の図ですが、地上の建物の破壊は余り派手ではない事が解ります。

このヘーゼルと言う名の新型ミサイルは極超音速で着弾し、地下深くまで達してそこにある物を焼き尽くすという西側のバンカーバスターの強力版の様な作用を持っている事が次第に明らかになってきました。つまり核爆弾や燃料気化爆弾の様な派手なキノコ雲を着弾とともに出すことはないのですが、その破壊力は非常に大きい可能性があるという事です。一部の軍事専門家からは東西の軍事力バランスを変えるゲームチェンジャーになるかも知れないと言う推測も出ています。まだ詳細は不明ですが、スターマー英首相やマクロン仏大統領は自国の軍人をウクライナに派遣する相談を始めたという報道もあり、国民が望まない世界大戦をグローバリストの手先として勝手に始める算段をトランプが実権を握る前にしてしまう「正に狂気の沙汰」と言えます。メディアは世界戦争を始めようとする阿呆たちを厳しく批判する良識を持ってほしいものです。

 

追記 2:2024年11月29日

ドニプロに着弾したオレシュニク新型ミサイルは、プーチンが「実験は成功した。」というコメントを発表したことからも弾頭に本格的な装薬がなかった可能性が示唆されています。しかしサルマトやイスカンデルといった極超音速多弾頭ミサイルは分離後に推進装置を持たない事に対して、今回のヘーゼルはそれぞれが推進と位置調整機能を持ち、極めて正確かつ極超音速の度合いを速めながら着弾したことが確認されています。つまりこれに「戦術核や燃料気化爆弾の弾頭がついていたらどうなるかわかるな!」という脅威を西側に与えるには十分であったと。勿論西側にはそのようなミサイルはありません。

またNHKがオウム返しに報じたルモンドの記事は「ガセ」と判明!

ある記者が軍の高官に兵の派兵について尋ねた際に、「可能性は否定しない」と言っただけで、しかも戦後平和維持軍的な意味合いだったというオチらしい。さすがに英仏首脳が国内の調整もせずそんな相談など軽々にするはずがない。トランプ着任前に戦争拡大を煽る勢力(メディア)がいるのは解るが、いい加減にしてほしい。しかも戦争拡大反対の声があがらない日本の世論も情けない!

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「歴史の終わり」はトランプ現象を受け入れない

2024-11-21 16:12:38 | 社会

前回のブログでは、サミュエル・ハンチントン教授の著作、「文明の衝突」以降を考察し、2000年に刊行された「文明の衝突と21世紀の日本」からの論説を記しました。ハンチントン教授は2008年に81歳で亡くなっていますが、一方の「歴史の終わり」を著したフランシス・フクヤマ氏は1952年生まれで現在でも国際政治学者として著作や活動を続けています。共産主義思想は、「世界は最終的に共産主義社会に行き着く」と説いたが、結果的に自由で民主主義的な世界が「歴史の最終形」であるとしたフクヤマの「歴史の終わり」は、ハンチントン氏の「その後も文明圏の衝突による歴史の変革が続く」とした「文明の衝突」とは対立する学説として紹介されます。現在も活動を続けるフクヤマ氏が現在の世界情勢をどのように分析しているかは興味深い所なので氏の比較的最近の著作である「歴史の終わりの後で」(2022年刊中央公論新社)を読みました。

 

I.  グローバリズム学問的論客としての生存

この本は21世紀に入ってからの氏の著作や講演内容を対談の形でテーマ毎に読みやすくまとめたもので、氏の考え方を知るには非常にわかりやすい内容になっています。歴史は終わらず、文明の衝突が続くことは現在の状態から証明されてしまいましたが、その点はフクヤマ氏も認めています。しかし政治体制としては自由民主主義が最終形であろうという点ではフクヤマ氏も論を曲げていません。

経済は資本主義でありながら共産党が独裁する中国や王制のアラブ諸国などは民主主義と言い難いのですが、時間を経て民主主義的な形態に移行するだろうことは予想されます。社会主義が「政治と経済」の在り方を規定する思想であった一方で宗教(文明)であるイスラム教は「宗教(生活)と政治」の在り方を規定する思想であることが現在を複雑にしています。

またハンチントンが「一極(米国)・多極世界」は米国の覇権衰退と共に徐々に「多極世界」に移行するだろう、と予想した事が経済を中心に実現しつつある事については、フクヤマ氏は非常に困惑と否定という反応を示しています。GAFAMなどのメガグローバル企業が国家の枠を超えて人類全体と対峙して尊大で傲慢な存在になり、結果的に貧富の差が開き二極化している現実は「新自由主義の問題点」と捉えているのですが、政治的立場としては「グローバリズムが支配する米国民主党全推し」で、2020年バイデン政権誕生とその政策は大賛成、という事が解りました。

自由・民主主義の自由の部分は自由なグローバル資本主義の一極態勢を是とするもので、多極側に立つトランプや他の欧州政治家などは形が民主主義でも「ポピュリスト(劣る者)」という評価でした。それは民衆が支持しても、支持する民衆が間違っているというグローバリズム・エリート特有の傲慢な自己肯定で押し切っていて「いかに人類の幸福に結びつくか」といった論理は見られません。

文明が衝突している状態も民族の「アイデンティティ」に帰属する政治として好ましくないものと規定しています。この辺になると、米国は古いアイデンティティを否定して建国した精神がありながら、現在が白人だ黒人だというアイデンティティ重視の政治になっているアンチテーゼを提言しているに近く、アメリカの中だけでやってくれ、という気持ちにさせます。ハンチントン氏はそれぞれの文明は衝突しがちであるので、強く干渉することなく相互の尊重する態度を持つことが大きな戦争(フォルトライン戦争)を防ぐ方策になることを提言したのであって、文明への帰属を否定した訳ではありません。

フクヤマ氏も愚かではないので、その辺を全て理解した上で「グローバリズム資本主義に学問的権威を与える論客」として存在すれば重用されるという生き方をしているのでしょう。トランプやハンガリーのビクトル・オルバンについて論ずる内容は「理屈でなく単なる好き嫌い」であり、「アレ?」というほど善悪二元論でしか評論しない幼稚な内容で驚かされます。

 

II.  トランプ体制までにどこまで戦乱を拗らせるか?

 

フクヤマが嫌うトランプは3年続いてウクライナの敗北が決まった戦争を直ぐにも終わらせると宣言してきました。次期トランプ政権の閣僚の多くもウクライナへの無秩序な援助に否定的であり、来年の1月20日の就任以降は「直ぐ停戦」かは別として、今までの様には行かなくなります。バイデン政権を支配するグローバリズム陣営としては直ぐに戦争が終わらない様に戦局を可能な限り拗らせる(拡大させる)作戦に出ました。バイデン本人が外遊している隙に米国は今まで拒否してきたATACMSのロシア領内への使用を許可し、国際的に禁じられている対人地雷も供与すると発表しました。この発表は重大な方針転換であるにも関わらず大統領令による公式な発表ではなく、グローバル陣営専属メディアのNYタイムスの報道という形で行われた所がいかにもクズです。

グローバリストのパペットに成り下がっている死んだ眼をしている英国スターマーも早速ストームシャドウのロシア領内使用を許可しました。これらミサイルの標的設定には、米英の機密情報である衛星情報が必要であり、設定自体ウクライナ兵はできないので米英の現役軍人(に相当する者)がウクライナ現地で行っています。従ってプーチン大統領がかねてから指摘する様に、「米英軍人が米英製作のミサイルでロシア領内を攻撃することは<新たな宣戦布告>であり、ウクライナ戦争ではない」という論は正しいものです。「兵器をどう使うかはウクライナの決定による」というのがNATOの言い分ですが、客観的事実からは弱い。キューバにロシアが供与したミサイルで米国が攻撃されたら米国はロシアを許さないはずです。

この1週間、ガザの停戦について協議が進められていたのですが、また米国は停戦決議案を拒否しました。一体これらの重大な決断は「民主主義に基づいて米国民の総意として決められた」と言えるのでしょうか。フクヤマ氏の見解を聞きたいものです。

参考までに国家情報長官にトゥルシー・ギャバード氏が指名された事についてのStrategic culture foundationの2024年11月15日の評論の一部と前トランプ政権における国防省アドバイザーであったダグラス・マクレガー氏のAmerican conservativeの2024年11月19日付イスラエルのイラン攻撃を米国が拒否するリスクがあるかについての論説の一部を載せます。

 

III.  トゥルシー・ギャバード氏は、トランプ大統領に永続的な和平合意を実現するために必要な助言を与えることができる。

Strategic Culture Foundation
Editorial
November 15, 2024

トゥルシー・ギャバード氏が米国諜報機関の最高責任者に指名されたことで、米国とNATOの体制に衝撃が走った。西側諸国の報道機関は、常にディープステート政策立案者の忠実なエコーチェンバーだ。

この反応は、何か重大なことが起こったことを示す良い兆候だ。ギャバード氏が国家情報長官(DNI)に任命される可能性は、トランプ氏が閣僚を編成する上でこれまでで最も重大な決定となる可能性がある。

ギャバード氏の指名は、世界平和という重要な問題に関して最も建設的である可能性があるからだ。

タイム誌は、ギャバード氏の選出に対する米国諜報機関の反応を「我々は動揺している」とし、ロイター通信は西側諸国の「スパイ界は困惑している」と報じた。一方、体制側の代弁者アトランティック紙は、ギャバード氏を「米国の安全保障に対する脅威」と非難した。これは、国家安全保障のトップに就任する人物に課すには驚くべき非難だ。

CNNのニュースキャスター、ジム・シュート氏は、同僚のリチャード・クエスト氏に懸念を伝え、ギャバード氏の見解は米国の既存の外交政策のすべてと「矛盾している」と述べ取り乱した。「なんてひどいんだ! 何年もの間、私たちが作り出してきた嘘と、高額な給料をもらってきた嘘について、今さら何を言えばいいんだ?」と言っているようだった。

結局のところ、米国の企業メディア、特に民主党、体制、ディープステートの諜報機関と関係のあるチャンネルや新聞にとって、トゥルシー・ギャバードは「ロシアの手先」として中傷されている。

ギャバードが国家情報長官に就任すれば、ディープステートにとって非常に大きな挑戦となるだろう。

トランプ大統領の他の閣僚人事と同様に、指名は上院委員会の承認を得る必要がある。そのため、彼女のポストが承認されるまでにはしばらく時間がかかる。多くのことが変わったり、軌道から外れたりする可能性がある。

トランプ大統領の今週の閣僚人事は、就任後の1月に始まる次期大統領の将来の外交政策を見極めようとする観測者たちの注目を集めている。トランプ大統領が今週、国防長官にピート・ヘグセス、国務長官にマルコ・ルビオという強硬派の人物を早々に指名したことは、ロシア、中国、イランなどに対する好戦主義や敵意からの脱却を望む米国外交政策批判者の一部に失望を招いた。

次にトランプ大統領が選んだのはトゥルシー・ギャバードである。この元下院議員は、中東とウクライナにおける米国の軍国主義に対する率直で周りに左右されない批判で、米国および国際社会で広く尊敬を集めている。しかし、米国の政治体制とメディアは、シリアと中東におけるワシントンの政権転覆戦争を批判する彼女の見解を理由に、彼女を「裏切り者」や「ロシアの手先」と中傷している。2017年、ギャバードはシリアを訪れ、バッシャール・アル・アサド大統領と会談した。彼女は、ダマスカスの政権転覆のためにテロリスト民兵を支援するというワシントンの秘密政策に反対を唱えた。彼女は真実を語ったため、アサドの「弁護者」として中傷された。

最近では、ギャバード氏が米国とNATOによるキエフ政権への武器供与とロシアに対する代理戦争に反対したため、再び「ロシア弁護者」という中傷が彼女に投げつけられた。彼女は、「NATOの威圧的な拡大に対するロシアの安全保障上の懸念が考慮されていれば、ウクライナ紛争は避けられたはずだ」と述べた。その正気と客観性は、なんと爽快なことだろう。

ウクライナ紛争に関する彼女の見解は、確かに米国の体制側とメディアの「ロシアの侵略」に関するプロパガンダと矛盾している。彼女の見解は、隅々まで報道されている「ニュース」プロパガンダが虚偽であることを明白に暴き、NATOの嘘が世界を核戦争に引きずり込んでいるという国民への警告となっている。トゥルシー・ギャバード氏が第2次トランプ政権で果たす役割は、上院の審査を通過すれば、いくら強調してもし過ぎることはない。

(以下略)

ウクライナの国民の民意は即時停戦にある。それでも戦争を続けさせたいですか?

 

IV.  世紀の嵐の中に立つトランプ

The U.S. is sleepwalking into disaster in the Middle East.

ダグラス・マグレガー

2024年11月19日午前12時5分

多くの国の首都では、ドナルド・トランプ大統領のワシントン復帰により、イスラエルがイラン攻撃にさらに自信を持つようになるのではないかと懸念されている。エルサレムのシオン友の会博物館の創設者マイク・エバンズ氏によると、「トランプ大統領がネタニヤフ首相以上に尊敬する世界の指導者はいない」という。 

この福音派指導者はまた、トランプ大統領が就任前にイスラエルの攻撃を支持するだろうと打ち明けたイランの石油生産施設の破壊はイランの経済を壊滅させ、トランプ大統領が就任する前にイランがイスラエルとの戦争を終わらせるだろうという想定からだ。この考えは、イスラエルがイランの核開発施設を攻撃するという決定も排除するものではない。 

トランプ氏が何をするか、しないかは不明だ。テヘランとエルサレムの対立における幻想的な静けさがいつ終わるのかも不明だ。 

一つだけ確かなことは、もしアメリカがイスラエルのイランに対する戦争に加われば、その結果は地政学的な対決となり、私たちが知っている世界を劇的に変えかねないということだ。これは21世紀の嵐であり、今のところ、アメリカという国家はまさにその嵐の中を航海している。

イランとの戦争になった場合の米国にとって望ましい状態とは?それは最も答える事が難しい問題です。

1991年と 2003 年のイラク、1999 年のセルビア、2011 年のリビアとは異なり、イランは孤立していません。イランには同盟国と支援者がいます。1991 年に最終状態を定義できなかったため、アメリカの作戦戦略軍事計画者は戦争の結果に備えていませんでした。その結果得られた平和は、米国の長期的な利益にとって満足のいくものではありませんでした。

ロシア外務省は最近、「ロシアとイランの戦略的安全保障パートナーシップに関する交渉が進行中であり、特に軍事協力に重点が置かれている」と発表しました。中国の習近平国家主席はイランに対し、イランの国家主権と安全保障の防衛に対する中国の支援を確約しています。サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)でさえ、イランを攻撃しないよう助言しているほどです。

サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)も戦略的な金融政策を講じている。サウジアラビアの米国債保有高は大きく変動しており、2023年6月時点で約1081億ドルに落ち込んでおり、2020年初頭から41%以上減少している。イランとの紛争が勃発した場合、サウジアラビアとアラブ首長国連邦は富をアラビア半島に送還し、米国債の「投げ売り」を開始する可能性があり、米国と西側諸国で大恐慌規模の金融危機を引き起こすだろう。 

それほど目立たないが、同様に重要なのが、イスラエルとの関係を断つというトルコの決定である。レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はまた、トルコとシリアの安全を脅かす米国とイスラエルが支援するクルド人勢力を壊滅させるため、トルコ軍がシリア北部で作戦を開始する用意があることを示唆しました。トルコ軍がレバノンやエジプトの防衛に投入される可能性は十分にあります。

イスラエルが開始した地域戦争に米国が参加することを拒否した場合、アメリカ国民にとっての戦略的デメリットはあるだろうか? 

2023年10月7日以来、イスラエルの政治的、軍事的目標はイスラエル国土の防衛をはるかに超えています。ネタニヤフ首相は、アメリカの財政援助と軍事支援があれば、イスラエル軍はガザとヨルダン川西岸から数百万人のパレスチナ系アラブ人を排除し、南レバノンからヒズボラを排除できると確信しているようです。しかし、イスラエルの勝利を確実にするためには、シリア、イラク、イエメンにいるイランとその代理勢力も破壊しなければならないとネタニヤフ首相は主張しています。

ネタニヤフ首相の目標は、アメリカ経済の健全性と国際システムの安定にとって何を意味するのか?イスラエルは多数の敵国を攻撃せずに生き残ることができるのか? 

1956年、ドワイト・アイゼンハワー大統領は、ハンガリーの反共産主義革命をめぐってソ連と戦争するリスクを冒すことを拒否した。同年、アイゼンハワーはスエズ運河を占拠するための英仏イスラエルの介入を支持することを拒否した。1968年、リンドン・ジョンソン大統領は、チェコスロバキアの支配を再び強めるソ連の軍事介入を阻止するためにアメリカの軍事力を使用することを拒否した。これらの決定はいずれもアメリカの国益を損なうものではなかった。何でもイスラエルの決定に従うことが米国の国益ではない以上、無謀な戦争への加担は控えるべきではないだろうか。

(最後の部分はrakitarou意訳)

ー 以上 ー

追記:

V.  欧米が作る歴史の終わり(ヴィクトル・オルバーン)

フクヤマがポピュリストとして嫌うハンガリーのオルバーン首相が2024年11月21日のユーラシア・フォーラムで西欧が世界に押し付けてきた欧米モデルは終わりつつあると現在の世界情勢を象徴して講演しました。ハンガリーは人種的にもアジア系と自任している背景もありそうです。以下が要旨です。

要旨

西側世界は東方からの挑戦を受けている。次の時代はユーラシアの世紀になるだろう。 西洋の文明支配の500年が終わりを迎えた

アジア諸国はより強くなり、「経済的および政治的権力の独立した中心として台頭し、存在し、持続する」能力があることを証明した。彼らは現在、人口統計学的にも技術的にも欧米の同業者よりも優位に立っている。その結果、世界経済の中心は東側に移り、経済は西側の経済の4倍の速さで成長している。「西洋の産業の付加価値は世界の40%を占め、東側の産業の付加価値は50%を占めている。これが新しい現実です。

アジアは世界人口の70%を占め、世界経済に占める割合は70%となり、EUは変化する現実の中で「最大の敗者」として浮上している。西側諸国は、移民、ジェンダー・イデオロギー、民族紛争、ロシア・ウクライナ危機などの課題に直面し、自国の環境で「窒息」している

西洋の指導者たちが、自分たちが慣れ親しんだ優越感、つまり、自分達が最も賢く、最も美しく、最も発展し、最も裕福であるという感覚を放棄するのは難しい。欧米のエリートたちは「古い栄光の現状」を守るために自らを整えており、それが結局は経済的、政治的な閉塞につながるだろう。

ー以上ー

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祝ロバート・F・ケネディJr氏厚生長官選出、バンドワゴニングの危機

2024-11-16 12:56:19 | 社会

トランプ次期大統領はケネディ元大統領の甥であるロバート・F・ケネディJr氏を次期厚生長官に任命する意向を示しました。メディアは「ワクチン懐疑派」などとワクチンは「全く問題ないとする陣営」と「リスクがあると懸念を示す陣営」の二派にわかれる様に報じていますが、全ての医療にはメリットとデメリットがあるのは超常識中の常識、基本中の基本です。全員が懐疑派でなければ安全な医療など受けられません。何故中学生でも理解できる常識を報道しないのか不思議です。

トランプ氏は2020年にWHOに対して、Covid-19への強制的対応は誤りであるとして2021年に米国はWHOから脱退すると宣言していましたが、バイデン政権になって立ち消えになりました。今回改めて各国の主権を無視したパンデミック条約などに対して反対を表明しています。

全ての医療にはリスクがある。疑いを持たずもろ手を挙げて賛成など無知性のド阿呆しかやらない愚行である。ワクチンの小児などへの強制を強く反対するケネディ氏

 

同様に司法長官に指名されたマット・ゲイツ氏はトランプ氏のロシア疑惑がでっち上げであることを解明したため、ありもしない「性的人身売買」の疑惑をFBIにでっち上げられたのですが、いくら調べても証拠が出なかったから起訴されなかった人物。「司法の政治利用を許さない」ための米国の司法改革に震えあがっているのが現在の民主党中心の司法界であることが解ります。

疑いが晴れても人格攻撃を続けるメディアに人権を語る資格などない、恥ずかしくないのだろうか?

 

I.  ワクチンのリスクが常識となった時にメディアはどう報じる?

 

欧米の主要メディアはまだグローバル支配体制に従っていて「ワクチン安全」「WHO正しい」の現実離れした報道から脱していません。日本のメディアは「米国主要メディアに従っていれば批判されない」と信じている「バンドワゴン派(寄らば大樹の陰)」というヘタレですから仕方がないとは思いますが、一たびパラダイムシフトが起こった時にどのように変容するのかが楽しみです。あれほど「コロナ怖い、怖い」「日本人は全員週に一度はPCRを」などと馬鹿げた報道をしていたメディアは何処に行ったのでしょう?そのうち「十分な安全確認をせずにワクチンを推進した政府の責任は?」などとシレっと報道し出す可能性があります。

 

II.  「文明の衝突と21世紀の日本」に学ぶ

前回紹介した「文明の衝突」を著したハーバード大学のサミュエル・ハンチントン教授がその続編として2000年に刊行した本で、集英社新書では2024年6月に第37刷の重版を繰り返しています。1993年にフクヤマの「歴史の終わり」理論を乗り越えて、「21世紀の世界は、民主主義と資本主義で一つの世界が生まれるのではなく、数多くの文明間の相違による分断された世界になる」と提言して世界に衝撃を与えました。1990年台においてもコソボ紛争などの文明の衝突が起きつつありましたが、その後の世界は911に始まる「テロとの戦争」「米国のイラク・アフガン侵攻」「カラー革命の強要と内紛の激化」グローバリズム対国家資本主義の対立、ブローバリズム対BRICS(グローバルサウス)の対立へと氏が予想した通りの展開になってきていると言えます。

 

III.  一極・多極体制から多極体制へゆるやかに移行する

 

ハンチントン氏は2000年の時点で世界は「強大な米国を中心」とする一極と、中国、ロシア、インド、アラブ諸国、アフリカ諸国といった文明(宗教)の異なる地域による一極・多極体制に分かれていると喝破しています。しかし覇権国の米国にとっては、世界が多極であるとは認めておらず、世界はあたかも「一極」である様に振舞っているため、どこの国を想定するか不明な米国指導者が口にする「国際社会」へのアプローチに各国指導者は不満であり、各国にとって米国は軍事的脅威ではないものの「領土保全」「自治」「繁栄」「行動の自由」を脅かす外的脅威と捉えていると米国の立場を紹介しています。

この一極・多極体制は、米国の覇権が徐々に衰えることで緩やかに「多極体制」に移行してゆくだろう、と氏は予想しており、まさにトランプ大統領の登場と彼が「米国を多極体制の一極に据える」というMAGA思想への米国民の絶大な支持はハンチントン氏の予想が実現していることを表しています。

文明の衝突(2000)のその後をrakitarouがまとめた展開と現状

 

IV.  フォルトライン戦争とコミューン戦争

 

1990年の時点で、ハンチントン氏は世界が8つの文明圏に分かれている事を示しました。つまり「西欧」「ラテンアメリカ」「アフリカ」「イスラム」「中国」「ヒンドゥー」「東方正教会」「日本」であり、5世紀頃から中国王朝とは別れた文化を築いてきた日本は独立した文明として扱われています。冷戦時代、世界は「自由主義圏」、「共産主義圏」、「非同盟国」の3分類であったものが、以降は8つに分かれて共存してゆくと規定したのです。その中で、同じ文明圏内で起こる争い、戦争は「コミューン戦争」と言い、個別的な利害関係によって生ずるものであり、異なる文明間の大規模な戦争に発展することはない、と説明されます。例えばルワンダ紛争やイラン・イラク戦争などで、他国が大きく介入することはありませんでした。一方で異なる文明の境目をフォルトラインと言いますが、フォルトラインを挟んで紛争・戦争が起こるとより大きな文明圏同士の戦争に発展し、長期に渡り、解決困難な状態を呈するだろうと予測しました。

フォルトライン戦争・ウクライナで検索したAIの答え

 

NATO諸国を巻き込んだコソボ紛争、そして現在のウクライナ戦争は正にフォルトライン戦争であり、ハンチントン氏の予測の正しさを証明しています。ウクライナは被害者、プーチンは悪といった小学生の様な理屈でしか説明しない(それを信じている方も阿呆ですが)メディアの無知性を痛感します。

 

V.  バランシングとバンドワゴニング

 

ある国が大きな勢力を作り出してくると、その周囲の国はいくつかの国同士協調して強い国とのバランスを図る「バランシング」か、強い国への依存と従属による「バンドワゴニング」により安定を図るかの選択を迫られます。多くの場合、その両方をどっちつかずでその場その場で選択しながら様子を見てゆく場合が多いと説明されます。大国であってもトルコやサウジアラビアがアラブ側や西欧側にどっちつかずでバランシングを取っていたり、東南アジアの国々が日本を巻き込んで協調しながら中国と対峙しつつも貿易などでは中国と友好を保とうとすることに表れます。

日本は独立した文明であり、他の文明圏のために自国を犠牲にして介入しようという動機を持ちません。維新から大東亜戦争にかけては、西欧列強のアジア諸国への侵略・植民地化に危機感を持って、日本も西欧列強の一端に加わろうとしてアジアへの侵略(結果的に領土的植民地主義から経済的植民地主義へのスイッチとなった)をしましたが、失敗した秀吉の朝鮮侵攻以外では稀有の出来事であったと言えます。日本の国内においては、常に時の権力者に従属すれば安心という「バンドワゴニング」が行動の原動力になってきました。「寄らば大樹の陰」であり、そこには確固とした思想などありません。そして大樹の陰に寄らない「はぐれ者」を厳しく批判します。ポリコレとされる規範への対応、コロナに対する対応、ワクチンへの考え方、全て「バンドワゴニング」であり、理論的支柱などなくメディア含めて「大樹に寄らないはぐれ者」を批判しているだけです。そしてトランプ政権が復活することにより、日本のメディアは今までの「バンドワゴニング」の危機が生じてガタガタ震えながら右往左往しているのが現状なのです。

 

VI.  日本への提言

米軍司令部を首都内に移転する本当の目的は何か?

2000年の時点で、ハンチントン教授は日本と台頭する中国との関係について、日本の取るべき選択(バランシングかバンドワゴニングか)について述べています。この時点では現在の様な米国の衰退と多極化への道が不明であったこともあって、中国圏への条件を示した上での従属か日米同盟強化による新たなバランシングという選択肢をあげています。しかし一極主義の米国がとるべき将来の在り方として、「異文明間の大規模な戦争(フォルトライン戦争)を避けるには、中核国家は他の文明内の衝突に介入するのを慎むべきだ」と明確に述べています。American Conservativeの論説で紹介した様に、米国は日本を中国、ロシアに対する「二重封じ込めの道具」として日米同盟を締結し、基地を置いているに過ぎません。自衛官時代「アメリカが自国の利益にならなければ日本のために血を流す事などない」は少なくとも指揮官クラスの自衛官の常識として認識していました(公には勿論言いませんよ)。しかし現在の動きは米軍による日本支配の強化に動いている様に見えます。強い米軍の再建は頼もしい面もありますが、グローバリズム支配体制からは脱却した米国との「対等な協調関係」による日米同盟は意義がありますが、現在のウクライナの様な「異文明と戦争するための鉄砲玉」としての扱いならば断固拒否するべきです。石破首相の力量が問われます。

噛みつき合ったでなかったようで何より。戦略的互恵はバランシングと言えそう。

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歴史は終焉せず文明は衝突し続ける

2024-11-11 09:11:52 | 社会

I.  歴史は終焉したのか?

「歴史の終わり」は、フランシス・フクヤマが1988年に発表した論文をもとに1992年に書籍化された有名な文明論で、社会主義の終焉とその後の資本主義グローバリズムの基になった論説と言えます。つまり国際社会において民主主義自由経済が最終的に勝利し、それからは社会制度の発展が終結し、社会の平和と自由と安定を無期限に維持するという仮説です(Wikipedia)民主主義と市場経済が共産主義に勝利したことで、これ以上のイデオロギー論争は起こらないとしたことは部分的には正しいことでしたが、その後世界から戦争が亡くならなかった事実は、彼の本意とは別にその解釈に誤りがあった事は明らかだろうと思います。

 

II.  衝突しつづける文明

「文明の衝突」はフクヤマの師ともいえる政治学者のサミュエル・ハンチントンが1996年に著した論文で、冷戦が終わった現代世界においては、文明化と文明化との衝突が対立の主要な軸であると述べた。特に文明と文明が接する断層線(フォルト・ライン)での紛争が激化しやすいと指摘しました(Wikipedia)。世界政治において文化やアイデンティティが重大な影響を果たすようになれば、文明の境界線にしたがって世界政治の枠組みは再構築されることになる。かつてのアメリカとソヴィエトによって形成されたイデオロギーの勢力圏に代って、それぞれの文明の勢力圏が新たな断層線、フォルト・ラインを生み出し、そこで冷戦中にはなかった紛争が頻発するようになっている。1990年代以降に世界的なアイデンティティの危機が出現しており、人々は血縁、宗教、民族、言語、価値観、社会制度などが極めて重要なものと見なすようになり、文化の共通性によって協調や対立が促される、とするもので、この理論の方が現在の状況をかなり反映しているように見えます。

各民族の文明のすみ分けを示した図。日本も独自の文明圏として示されている。

 

III.  多様性の受容という胡乱な理屈

 

歴史は終焉しているのであり、世界はグローバリズムにより統一されると宗教的信念で妄信している者、あるいはその方が「利権的に都合が良い」者にとっては、各民族がアイデンティティとして多用な文化を保持し続けてグローバリズム陣営(主に西側の資本家集団)が「正義」と規定する価値観を受け入れない諸国民は「多様性を受容しない」誤った考えの持ち主と攻撃されます。一方で文化の多様性こそが諸国民のアイデンティティの基であり、グローバリズムが規定する価値観のみを正義とする方が多様性を否定しているという考え方も正しいのです。これは統一した価値観を受け入れず、諸国民独自の生き方を護ろうとする勢力を分断を煽ると責め立て、極右と表現する風潮にも現れています。この対立は、一極主義と多極主義の対立の図式と相似形であり、現在の趨勢としては経済においても多極主義(BRICSやグローバルサウスの台頭)が一極主義に勝っていると結論付けられます。

 

IV.  トランプの勝利、ウクライナ敗北、ガザ虐殺

 

トランプ次期大統領が主張する米国第一主義とは、以前から説明するように米国を「グローバリズムの中心」ではなく「多極主義の一極にする」という意味です。だから米国で資本を握るグローバリストが民主党とメディアを金で支配した上で、全力でトランプ復活を阻止していたのです。ウクライナが西欧グローバリズムとロシアを中心としたBRICS多極主義の代理戦争であることは明らかですが、ウクライナの敗北は100%明らかな状況になりました。

イスラエルによるガザの虐殺は「文明の衝突」の反映でありながら、力の原動力がグローバリズムの勝ち組である米国ユダヤ層であることが問題を複雑にしています。「歴史の終焉」信奉者としては「ユダヤ・グローバリスト達が今後落ちぶれることはない」と信じていながら、文明の衝突で虐殺が起こっていることに困惑を隠せない状態なのです。ユダヤ・グローバリストもグローバリズムの終焉とともに落ちぶれる(場合によりイスラエル国家は消滅しえる)のであり、不可避である文明の衝突は諸国民の知恵と協調で調整する工夫が必要なのだという結論に同意すれば、虐殺を止める事も可能になるのです。

 

V.  1980年代までマル経一本だった日本の大学経済学部

 

私が大学生であった1980年代は、日本の経済学部は「マルクス主義経済学」を教える場所、という今から考えるとあり得ない後進国ぶりでした。学園祭などに行くと長髪の経済学部の院生や助教達が肩で風を切りながら「いかに社会主義経済が素晴らしいか」を力説していたものでした。防衛医大では一ツ橋出身の近代経済学を是とする教授(経済学会では反主流)に経済学の講義を受けていたので「マル経は若い人には魅力的だが限界がある」と言う説明に納得していました。その後のソ連の崩壊は、日本の経済学部が世界の時流からは周回遅れであったことが実証されました。

現在の日本のメディアでトランプ現象やウクライナ紛争を「グローバリズム」対「多極主義」の視点から解説したものは皆無です。日本のメディアと有識者とされる連中、メディアしか見ない日本の人達が「世界の流れから周回遅れである」状態に気づくのはいつなのでしょうか?

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