rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

軍事政権化する米国と北朝鮮情勢

2018-03-15 19:28:58 | 政治

北朝鮮情勢はトランプ大統領との直接対話が決まった事で大きく動こうとしています。どのような結末になるかはまだ未定ですが、「あらゆる選択肢がテーブルの上にある。」という米国政府のスタンスは本当であろうと思います。トランプ大統領が会見で「ジョンウンとは良いDeal(取引)ができるだろう。」とDealという表現を用いていた事が重要で、商売人であるトランプ流の取引で北朝鮮問題を解決しようとしていることは明らかです。そのような中、2018年3月12日にトランプは腹心のレックス・ティラーソン国務長官を突然解任しました。以前から外交方針での意見の違いを取りざたされており、北朝鮮に対しても交渉を重視するティラーソンと軍事衝突を辞さないトランプとの間で確執がありました。

今回のティラーソンの解任劇の背後に北朝鮮に対する対応の違いがある事は明らかで、平壌に乗り込んで直接対決で問題を解決しようとするトランプと次官級協議、国務長官による協議を経て方針の一致を計ってから首脳会談に持ち込む事を主張したティラーソンとの方針の違いが直接の原因になったようです。ティラーソンは政権内で最も真面目で実直、実務派として世界中にビジネスを通じた政治家の友人も多く、信頼できる外交官であったと思います。ここでティラーソンを切った事はバノンを切った事と同じかそれ以上の政権にとって損失になるだろうと私は危惧します。元々あまり乗り気でなかったティラーソン氏が2年間腹心の部下として評判の悪いトランプのために働いてくれただけでも値千金の得難い存在であったのにと思います。北の問題が片付いたら、また復活してほしいものです。

 

核を持った大KOREA・・の回で考察したように、北朝鮮は核を持ったまま南を取り込んで体制を維持することを目論んでいます。図で示したように、北に核を持たせたバックにはどうも戦争を起こさせたいトランプと対立する米国のDeep stateが絡んでいそうだと推定しました。しかし、米国内ではエスタブリッシュメント・FBI・Deep stateの勢力はトランプ陣営に負けつつあります。先日2016年来の選挙運動でロシアが選挙に介入したとする「ロシアゲート」の結論が出されて、「ロシア人実業家14名が米国人を装ってSNSにクリントン側を誹謗する投稿をしたのが陰謀である」という馬鹿馬鹿しい結論がFBIから出されました。1年以上かけて何億ドルという費用を使って組織の総力を挙げて調べた結果がこれということは「参りました」という事です。司法取引をしたと報道されたマイケル・フリンも起訴されるほどの事実がないということです。あまりの馬鹿馬鹿しさに日本のメディアも一度報道した後は無言になってしまいました。

 

北朝鮮の現在の状況は、今までの様に「薄切りハムをさらに薄切りにしたような妥協を米国にして時間を稼ぐ」という選択肢が許されない状況に追いつめられたという事です。核の放棄について、北朝鮮は朝鮮半島全体からの核の放棄(米国の撤退)という意味で韓国に伝えたつもりでいるのですが、トランプは「北朝鮮が核を放棄する」と態と誤解して他の解釈は一切しないでしょう。そして平壌に乗り込んで「核を放棄して全ての査察を受け入れろ」「米国の資本を北の経済に受け入れろ」「そうすればお前の首だけは繋いでおいてやる」と言うつもりでしょう。一つでも否定をすればその場で会議を蹴って最新のF35米軍機で援護されたヘリで平壌から抜け出し、朝鮮半島周囲を取り囲んで待機している米軍に攻撃命令を下して政権に終止符を打たせる予定だと思います。大統領自らが乗り込んで交渉したものを相手の首相が否認したのであれば「相手が悪い」と堂々と主張できますし、退避する大統領への攻撃を見せるそぶりだけでも十分に「自衛のための攻撃」を正当化できます。つまり次官級協議などを行わない事は、全面的な米国主張の受け入れか北朝鮮の消滅のどちらかしか選択肢がない事を意味するのです。これこそ「オバマ政権までが行って来た北朝鮮との協議や妥協が無意味であった」と言うトランプの主張を裏付ける彼流の解決法となります。米軍は最近沖縄方面で実戦を前提とした訓練を繰り返しているようです。軍事政権化したトランプ政権はまだるっこしい協議で時間をつぶす事はせず、「(戦争を)やる時はやる」というスタンスで臨むはずです。

 

北朝鮮はトランプ大統領との首脳会談について、未だに正式なコメントを発表していません。それはトランプとの首脳会談が決して今までのような「時間稼ぎ」の手段にならない事を察知したからだと思われます。北朝鮮への攻撃が始まれば、即座に国境地帯に集結している中国軍も北朝鮮領内になだれ込んで、上に図示したような北朝鮮分割がなされるよう話がついていると考えます。中国、ロシアが米朝首脳会談について何もコメントしないのは了解ができている証なのです。残念ながら北は今回で終わりだと思います。

コメント (3)
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