ポリカルポフPO-2夜間軽爆撃機は、第二次大戦前に設計・製作されて朝鮮戦争時の1950年代まで現役で使用された息の長い軍用機で、総計33,000機以上も作られたと記録されています。旧ソ連にはポリカルポフ、イリューシン、ミコヤン・グレビッチ(Mig)、ヤコブレフなどのメーカーがあり、それぞれに覇を競っていましたが、PO-2はポリカルポフ設計の2型目の航空機ということになります。
第一次大戦的な複葉機で、最近の普通乗用車よりも非力な110馬力のエンジンしか搭載していないながら、主に夜間兵士達の「安眠妨害」を主目的に爆撃任務を行い、第二次大戦中ソ連では婦人のみからなる爆撃部隊も編成されたと記録されています。本機はその低速ぶりからMe109等では一撃で撃墜するのは難しく、朝鮮戦争ではなおさらジェット機では歯が立たず、急遽退役したコルセアを再利用して対策に当たったと言われています。
Polikarpov PO-2 ICM 1/72
ICMはウクライナのプラモデルメーカーでこれも細かい所まで作り込んだ良い出来のモデルであり、Rig取り付け部の突出なども作られているので、説明図に従ってミシン糸を使ってRigを張ってみました。粉を吹いた様な塗装は、1943年頃まで冬期に使用された簡易冬塗装で、地肌の色が見える程度に白色のペンキを吹き付けたもので、多くのソ連航空機で見られました。航空優勢が確立した1944年以降は冬期塗装も行われなくなったと記録されています。
PO-2の実機 I-15(3)とPO-2
この複葉機の技術は後のI-15などに受け継がれて開花するのですが、主力機として活躍する期間は短かく、かえって旧式のPO-2が多用途機として息の長い活躍をすることになりました。