新型コロナ感染症で人類が滅びることはない。新型コロナ感染症で日本人が絶滅することもない。この感染症は人類の6-7割が感染して免疫を持つ事で自然と収束するだろう。以上の事を否定する人はもういないでしょう。
新型コロナに対するHealth careの目標
以前も載せた新型コロナ感染症に対するHealth careの目標
新型コロナ感染に対するHealth careの目標は感染のpeakを低くし、遅らせる事である事は前のブログにも示した様に至る所で明示されています。つまり最終的には集団免疫を付ける事が目標なのです。しかしこの明確な目標を実はWHO、日本政府(多くの諸外国政府も)とも明確に示して実行していない所に最大の問題があります。前ブログ新型コロナの収束はSARS型か豚インフル型かで論考したように、新型コロナ感染の収束は豚インフル型以外にはない事が既に明らかになっています。
コロナ風邪をSARS二世(SARS-CoV-2)と命名した意図?
新型コロナウイルスの遺伝子配列はコウモリのβコロナウイルスのうち、サルベコウイルスという亜型に属するRaTG13と96.2%同じと報告されています。しかし初代SARSウイルスとは79%、MERSウイルスとは50%の相同性で「あまり似ていない」と専門家は評価しています。しかし今回のコロナ感染を「新型コロナ風邪(ウイルス)」と命名せずに封じ込め型で収束させたSARS-CoV-2とSARSの二世であるかの様に命名したために、未だに新型コロナをSARS型の封じ込めを行う物と思考停止のまま信じ込んでいる人達が「特に医療関係者以外」に多数います。コロナウイルスであり、SARSの研究から製造された疑惑のあるウイルスなのでSARS二世と名付けたかったのかも知れません。
季節性インフルでも統計では新型コロナと同等の死亡者が出ている
季節性インフルエンザについての世界統計資料
今回のウイルス感染症を「新コロナ風邪(New Corona flu)」程度の命名にしておけば季節性のインフルでも毎年3000万人以上感染し、29-65万人の死亡者が世界で出ているのですから、5月1日現在新型コロナ感染が世界で330万人感染し、23万人の死者が出ていても、今後収束に向かうのであれば「新型コロナ風邪」という悪性の風邪と考えて経済を一度完全破壊する程の大騒ぎをする必要などなかったと言えるのではないでしょうか。
PCR偏重と隔離重視は「封じ込めによる収束」が目的
スウエーデンの様な適度な感染制御を行った国と主要欧米国家の様なLockdownを行った国で感染制御に差が出ないという結果が明らかになりました(これを意地なのか執拗に認めようとしない人、真実を認めると経済が復活してしまうので意図的に認めない人がいる)。Lockdownは経済を停滞させ、失業者を増やし、中高年の心血管イベントの発症率や成人病を悪化させて死亡率を高め(既に救急外来における脳梗塞の件数は増加傾向にあるし、一般外来における糖尿病や高脂血症のコントロールも悪化傾向が見られる=rakitarouの外来診療における実感)ます。英国の統計ではLockdown開始後コロナ以外の死亡者の急増が見られるという報告もあります。つまり封じ込めの政策は不顕性感染が多く、感染力がとてつもなく強力な新型コロナウイルスには無効であるだけでなく、副作用のために却って死者増加(生命軽視)につながっていると言えます。既に免疫を持っているかを見る「抗体検査」は集団免疫獲得の目安として重要ですが、「今誰が罹っているか」を見るPCR検査は感染者の治療を行う上では重要ですが(他の全ての感染症と同じである)集団免疫獲得の状況を知る上では参考になりません(治った人は当然陰性)。
ニュージーランドや台湾は勝ち組と言えるか、またワクチンは万能か
ニュージーランドや台湾は流行当初からの厳しい隔離政策によって、「封じ込め」によって新型コロナを早期に収束させたとして賞賛されています。しかし効果的なワクチンがない現状では、今後経済交流を再開させて、集団免疫を獲得した国家群から人や物の往来が激しくなると、再び新型コロナ感染の流行に怯えることになります。ワクチンについては勘違いをしている人が大勢いますが、毎年行うインフルエンザワクチンによる抗体獲得率は60-80%程度です(4価なので株によって獲得率が異なる)。つまりワクチンを打っても宿主の免疫力が十分でなくては抗体は獲得できないのです。これは前回指摘したように、自然感染においても宿主側の因子で発症せずに抗体獲得に至るという「集団免疫を獲得する発想」と基本的には変わらない事を理解すべきです。ワクチンを打っても抗体ができない人はインフルエンザ同様感染すれば発症します。この医学的な常識が理解できていない人が沢山いる様に思います。
爆発的な感染拡大で一時は医療崩壊にまでなった欧米国家ですが、既にピークは過ぎて都市閉鎖を解除し、現在少しずつ経済を再開させる方向にあります。封鎖を解除すると再び感染爆発が起きると恐怖をあおる人達がいますが、封鎖しなくても同じであったスウエーデンの例や封鎖解除後も異常がなさそうな中国の例を見れば「もう感染爆発はおきない」という事は理解できるでしょう。サイエンスとしてのエビデンスがない推測は無意味です。感染が収束し、集団免疫を獲得した国家群はこれから注意深く経済を復活させてゆき、これに乗り遅れた国々は新しい経済秩序から置いて行かれる結果になるでしょう。
高齢者施設における正しい対応
2018年の厚労省による死亡統計 新型コロナ感染症による年齢階級別重傷者死亡者数累計
厚労省の死亡統計によると、2018年は肺炎(94,000名)、インフルエンザ(3,300名)、気管支炎(400名)、誤嚥性肺炎(38,400名)の方が亡くなっていて合計136,000名の方が広い意味での肺炎で死亡しています。しかし全国で人工呼吸器が足りないとかICUが満床といった評判はなく、むしろ「急性期病床は段階的に減らす」計画でした。年々増加する医療費に対してメディアも人権派を気取る人士もこの構想に表立って異を唱える事はありませんでした。2020年4月30日の日本国内の感染者数13,929(症状のある患者は8,515名なので騙されないように)名、死亡者は415名です。つまり2018年における年間の肺炎死亡者数の0.3%の死亡者のために現在日本中で経済を止める非常事態宣言が行われているのです。客観的に見てこの事態を「正しい」と未来永劫言い続ける自信は皆さんあるでしょうか?私は異常だと強く感じています。
年間13万人が肺炎で亡くなっているのに、人工呼吸器が足りない状態が起こらないのは「人工呼吸器など使わない」からです。勿論医学的に回復の見込みがある若い急性気管支炎や間質性肺炎患者に適切に人工呼吸器を使用する事は当然ですが、合併症が多く、高齢で認知症もあり回復の見込みがない肺炎患者は無理のない可能な範囲で治療を行って自力回復がなければ看取りを行うのが当たり前です。その意味で千葉県の高齢者施設で施設内集団感染が起きてしまった事は残念な事ですが、感染者を施設内で治療して挿管などの無駄な治療をせず看取りを行った事は大変重要な誇るべき対応であったと言えます。患者さんにとっても知らない病院で挿管され眠らされて管だらけにされて亡くなるより自分のベッドでそのまま安らかに亡くなる事が何より望ましい事であったと思います。諸外国においても施設内でのコロナ死亡はそのように対応しているのが普通であり、ベルギーは感染確認のPCR検査を行わず「多分コロナ死亡」と判断される場合も「コロナ死亡」に含めているから100万人当たりの死亡率が他国よりも高い事が明らかになっています。図からも解る様に、日本における新型コロナ感染の重症、死亡者数は70代以降の高齢者が殆どであることから、悪性の風邪として通常の対応をしている限り、医療崩壊も経済封鎖も心配ありません。日本も皆で「新型コロナ風邪」と呼んでコロナウイルスによる感冒として対応し、国民が正気に戻って一日も早く生活を普通の状態に返す事を願ってやみません。