ウクライナとロシアの戦争は収まる気配がありません。また世界は戦争を収めるどころか、一方的にロシアに制裁を加える(ウクライナに加担)ことで戦争を長引かせようとしています。メディアも口先では「戦争は良くない」「反戦」を唱えていますが、やっている事は両者に妥協を迫り、戦争を収束させるよりは、一方のみを責め、引き込みを付かなくさせて戦争を煽る、火に油を注ぐ内容ばかりです。1970年代頃に散々反戦平和を訴えていた人達(左翼リベラル?)はもう痴呆になってしまったのでしょうか。
I. 戦況報道に感ずる違和感
ロシア軍は報道されるほど弱くないと思う。
開戦3日でウクライナ軍善戦、ロシア軍の士気低下、負傷者多数、といった報道が盛んに行われています。しかしかつてソ連との戦争に備えて戦術を学んだ私としては違和感を隠せません。30年前、自衛官であった若き日、自衛隊は戦争をしない事になっているので、仮想敵はYとかZとか隠語で示して演習をするのですが、要はソ連、中国、北朝鮮でした。自衛隊の普通科連隊(歩兵)に戦車中隊や特科(砲兵)大隊等を加えた「戦闘団」でソ連の機甲連隊との図上交戦を試みるのですが、高度に機械化され重深陣地に守られて予備兵力の多いソ連軍に勝つのは至難の業、北海道の最新鋭第七機甲師団でも陸自の専門家をしてもなかなか勝てないというのが常識でした。現在はドローンや衛星を使った最新の電子兵器も駆使して昔以上に強力になったロシア軍です。簡単に負けることはあり得ません。中東でNATO米軍が追い出せなかった(敢えて?)ISを半年で壊滅させたロシア軍の実力を甘く見てませんか?さすがにメディアには本当の事を言いかねない元陸幕長といった軍事専門家は出しませんが、一応学者と言う触れ込みの素人達の解説が、現在の軍事に詳しくない小生から見てもあまりに稚拙です。ロシア軍を弱く見せて「ウクライナ優勢」と嘯くことで、西側世論が和平交渉でロシアに譲歩しない様にしたいのでしょうが、戦争を長引かせたい思惑が見えすぎです。今までロシアは半年以上ウクライナ周辺で演習を繰り返していたのですから、あらゆる戦略・戦術を「勝手知ったる元自国のウクライナ」に行う準備を整えていたと考えるべきです。米欧からの武器援助の内容やウクライナ軍への軍事訓練についても承知しているはず。一方的な報道をうのみにするのは間違いです。
Ⅱ. 第一次大戦との相似
「戦争の最初の犠牲者は真実」という言葉は第一次大戦後、米国上院議員のジョンソン氏がギリシャの思想家アイスキュロスの言葉を引用して述べたものです。まさに現在の報道は真実を犠牲にして繰り広げられている点で第一次大戦以降の全ての戦争と同じです。第一次大戦でもドイツ兵が子供を殺して食べたとか、第二次大戦で日本兵が中国で赤子を銃剣で刺したといったデマがプロパガンダで使われましたが、早速ウクライナでも子供をダシにしたプロパガンダ報道が繰り返されています。
また以前自分のブログでも取り上げましたが、新型コロナ騒動が第一次大戦と類似している以上に今回のロシアウクライナ戦争から第三次大戦への展開が第一次大戦にそっくりです。コロナ騒動と同じ人達がシナリオを描いているのでしょう。第一次大戦でも、戦争は長引くことはなく、クリスマスまでには終わると信じていたのに4年も続きました。初めのうちは兵士同士の憎しみもなく、クリスマス休戦には双方でサッカー大会が催されたりもした記録があります。しかし戦争を早く終わらせるために、飛行機、戦車や毒ガスといった新兵器が投入されて、双方が使うことで結果的に戦争は犠牲者が増加し、長引きました。今回も「核の限定使用」が論議に上がっていますが、正に犠牲者増加、永久戦争への道を進んでいると言えます。今ウクライナに中立化を宣言させ、ドンバスの自治を認め、ロシアに兵を引かせる事で犠牲は最小に、戦争もすぐに終わるのです。そのリーダーシップを執れる人材が世界にいません。
III. 衰える21世紀の知性
新型コロナ騒動で考える事を止めた人類。
科学的思考には哲学者カール・ポパーの提唱した「反証可能性」が必要で、前提や論理展開に対して自由に異議を唱えてそれを論理的に証明することで科学的真実に到達することは以前説明しました。数多くのまっとうな科学者達が偏った政治的決めつけに基づく新型コロナへの各国政府の対応に意義を唱えてきましたが、フェイクニュースとか、正規の見解に反する意見としてSNSやメディアから排除されました。権威ある医学雑誌に科学的に信用できる査読済み論文として掲載されても政府見解に反する結果であると「無視」という対応が取られてきました。コンピューターや情報伝達の技術が20世紀に比して各段に進歩した21世紀に生きる人間は、知性においても20世紀に生きた人達よりも進歩していなければいけないはずですが、人々は情報の洪水の中、自ら深く考える事を逆に放棄し、権威筋(と信ずる人達)の見解をうのみにする事を選択するようになりました。それは新型コロナ騒動で益々顕著になったと言えます。
ウクライナの非民主化は、2014年にオバマ政権の米国主導でマイダンの悲劇と言われる武力行使によるネオナチ、ステファン・パンデラ派と呼ばれる右派による「民主的に選ばれたヤヌコーヴィチ政権の転覆」からずっと続いていたと言えます。(残虐な写真を含む記事です)その際裏で大活躍したのが現在のバイデン政権でも政治担当国務次官として大きな力を持つ悪女ビクトリア・ヌーランドです。彼女がウクライナ政変後右派のヤチェニクに大統領をやらせようとする考えに沿わないEUを“Fuck EU”と言ったというのは本当ですとサキ報道官も認めています。要は現在のゼレンスキー始めウクライナの中枢にいる人達は全て米国ネオコン(CFR外交問題評議会)系の息のかかった者たちであり、今回のロシアとの交渉でも純粋にウクライナ国民の利益や幸福を考えてPlan A, Plan Bと多くの選択肢を様々な意見を持つ有能な側近達と話し合って国民にも理解できる公開の場で議論した結果「現在の結論に至った」という経過が全く見えないのはそのためでしょう。日本でも太平洋戦争の開戦前には政治家や軍人たちの中で和平派と開戦派で喧々諤々議論があった事は歴史でも明らかにされています。真に国家国民の繫栄、安寧を願えば様々な意見・議論が出るのは当然です。今回の開戦前にロシアに出向いたのはマクロンやブリンケンなどの欧米の政治家であり、ウクライナの要人がロシアとぎりぎりの交渉をしたという気配すら見えません。2020年の米国大統領選挙で不正が行われずトランプが再選されていれば、今回のウクライナの悲劇は起こらなかったでしょう。オバマに続いてヒラリーが大統領になれば、必ずロシアを巻き込んだ第三次大戦が起きると予想されましたが、今まさにバイデン政権の下で当時なしえなかった計画が当時のブレーンたちがバイデンの側近として力を奮うことで実現しつつあると言えます。
IV. 第三次(大惨事)世界大戦への道
一時you tube系で未来人からの伝言シリーズのようなものが流行ったことがありました。2010年頃だったと思いますが、2020年代に第三次大戦が起こり、世界は核戦争に巻き込まれる。米中ロは弱体分裂して、日本はそこそこの大国として残るとか。インドが一番の大国になって世界を牽引するとか。現在日本を含む西側同盟は一斉に反ロシアの合唱を始めましたが、中国はロシア寄り、インドは一歩引いて中立、2050年から来たというトンデモ系の未来人が預言した通りになってきた様にも感じます。
追記2022年3月4日
3月1日ポーランドのワルシャワで記者会見した英ジョンソン首相にグレートリセットを主導する世界経済フォーラム(WEFダボス会議)ウクライナ代表メンバーのダリア・カレニウクという女性が避難してきたジャーナリストと偽って「ウクライナで子供たちが殺されている、何故NATOは参戦しない!」と涙ながらに訴える演技で詰め寄りました。最近勝手にコロナ規制を撤廃したり、WEFの指示に従わないジョンソン首相は相手の正体も知っている様でうんざり顔ですが、ウクライナの中立化とドンバスの自治という低いハードルを認めさせず、戦争を拡大したい勢力こそ責められるべきだとつくづく思いました。