陸上自衛隊仕様のHughes OH-6D を作りました。OH-6の1/72モデルはタミヤ・イタレリ、AZモデルなどから発売されているのみでなかなか入手が困難なレア物になっています。OH-6Aは1960年代に開発された米軍用観測ヘリで、軽量小型で生産性にも優れ、安価に大量生産可能であったため、世界中の軍、官庁、民間用としても多用されました。陸上自衛隊では1969年から使用が開始され、川崎重工業でライセンス生産もされてローターが4枚から5枚になったD型(1978年~)含めて193機が導入されました。2020年には老朽化により使用が終了して国産の後継機OH-1に転換されましたが、OH-1が高価なため配備が進んでいない状況です。OH-6は1.3tという普通自動車並みの重量のため、車輪を付けて人力で移動も可能ですが、新型のOH-1は4tあり、牽引車が必要です。OH-6は軽量安価で整備を簡潔にするため、必要最小限の機能で外板も非常に薄く、車に例えると現代の車がオートマパワステが当たり前な所、全てがマニュアル車といった操縦系統でした。
塗装説明図は北海道仕様という事?で黒の部分が実機の写真より多めに見える。
私は自衛官時代にタンデムローターのV-107バートル(米軍CH46)、ベトナム戦争でお馴染みのUH-1イロコイ、そしてこのOH-6にも搭乗したことがあります。バートルは船に乗っている様なゆっくりと上下動する乗り心地であった一方、UH-1は細かい振動が常にある様な乗り心地でした。OH-6は師団司令部勤務の際に、師団航空隊から週3回は師団長や幕僚長の出張に合わせて司令部に飛来していたのを見ていましたが、阪神淡路震災に出動した際、広島から神戸の宿営地への連絡移動の際に師団長から「お前も乗って行け」と言われて乗せてもらいました。乗り心地は遊園地の観覧車の様な狭い空間で上下前後左右に揺れるという稀有な体験で、晴天の下、姫路や岡山の上空500m位の所を展望しながらの移動でした。
モデルは老舗のイタレリ製ながらとにかく小さいので細かい作りこみをするには1/48(ハセガワ)がお勧めかも知れません。しかしハセガワが右後ろのドアしか開かないのに対して、1/72ながらこちらは左の前後の扉を開けることができるのは優れモノと言えます。透明部品は合いにくいので調整が必要で、イタレリ製のNATOパイロットを狭いコックピットに無理やり乗せたので愈々窮屈になりました。しかし駐屯地で良く見ていたOH-6の雰囲気が再現できたように思います。昔作ったハセガワの救難仕様のUH-1と並べてみました。やはりOH-6の小ささが分かります。
頑張って操縦手を入れてみました。
UHは車体、ローターとも二回り位大きい。