(つづき)
僕は慌てて反転し、ベランダに出て コウノトリの姿を探した。
ただ一言「ありがとう」と言いたかった。
だがコウノトリの姿はなく、あるのは静かな闇夜だけであった。
嫁さんはまた眠りについた。
僕は眠れる訳もなく、ひとりベランダで夜が明けるのを待った。
先ほどまで 物音ひとつしない静かな夜のように思えたが、目を閉じて耳をすますと 微かに秋の虫の音が聞こえた。長かった夏もようやく終わったようだ。
(おわり)
僕は慌てて反転し、ベランダに出て コウノトリの姿を探した。
ただ一言「ありがとう」と言いたかった。
だがコウノトリの姿はなく、あるのは静かな闇夜だけであった。
嫁さんはまた眠りについた。
僕は眠れる訳もなく、ひとりベランダで夜が明けるのを待った。
先ほどまで 物音ひとつしない静かな夜のように思えたが、目を閉じて耳をすますと 微かに秋の虫の音が聞こえた。長かった夏もようやく終わったようだ。
(おわり)